西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

西国三十三所 草創1300年記念 結願法会に駆けつけました!

西国三十三所 草創1300年記念 結願大法会

2023年4月15日、中山寺にて行われました西国三十三所 草創1300年記念 結願法会に参加してきました!

西国三十三所 草創1300年記念 結願大法会

法会に参加した!と上に書いてしまいましたが、実際には参加したという程も参加できませんでした。どういうことか、当日の様子をお伝えしましょう。

結願大法会の様子

残念ながら仕事で参加できないとアナウンスしていましたが、12時40分の仕事終わりで車をすっ飛ばし、阪急電鉄の「石橋阪大前駅」近くのコインパーキングに車を停め、そこから阪急宝塚線で「中山観音駅」まで向かいました。

「中山観音駅」に着いたのは13時45分ごろでしたでしょうか。そこからトイレに寄り、走って中山寺を目指しました。

※中山寺参道

雨が降ったり止んだりという天気でしたので、参道にはどなたもいらっしゃいませんでした。

※中山寺山門

この辺からすでに読経の声が聞こえてきました。第二十三番札所勝尾寺のように、スピーカーで流しているようです。

山門をくぐり、境内に入ります。ここは境内参道左右にいくつも塔頭たっちゅうがある、立派なお寺です。気は逸りましたが、とりあえず笈摺を着て輪袈裟を装着しました。やはり、きちんとしておかないとダメでしょう。

階段を急ぎ足で登っていくと、本堂前に到着しました。これは、思っていたよりも壮大なセレモニーのようです。

本堂前には大きなテントが何張りも立てられており、多くの方々が椅子に座っておられました。私と同じ、先達輪袈裟を着けておられる方も多く、何人かでお揃いの笈摺を着ておられる方々もいらっしゃいました。後から分かったことですが、この方々はどうやら西国古道ウォーキングサポートの方だったようです。この団体、私も入ろうかどうしようか迷っているんですよ。

実は私が到着したころはすでに法会の終わるころで、読経の最後の方だったようでした。何しろ、13時30分開始でしたから。なお、法会の導師は第二十三番札所中山寺の管長今井淨圓師がお勤めになったそうです。

14時ごろには読経も終わり、その後はセレモニー的なご挨拶がつづきました。

最初のご挨拶は、西国三十三所札所会の会長?であらせられます第十五番札所今熊野観音寺藤田浩哉山主だったと思います。

それから、坂東三十三所札所会の会長さま、秩父三十四所札所会の会長さまのご挨拶とつづきました。なぜか、坂東三十三所札所会の会長さまのご挨拶中は、マイクが入らないというアクシデントがありました。これもライバル心?が為せる業でしょうか。

つづいて、宝塚市長山崎晴恵氏のご挨拶がありました。さすが宝塚市長だけあって、本当に宝塚歌劇団の方のような気品を漂わせていらっしゃいました。

最後に、第二十三番札所中山寺石堂恵眼執行長がご挨拶されました。

※石堂恵眼執行長のご挨拶の様子

冒頭を少し端折ります(※録音できていなかったため)が、ご挨拶のほぼ全文を掲載させていただきます。

「お寺や神社、あるいは教会、そこを守っていく私たちも、間違いなく現代社会の一員であることを忘れてはならないのであります。あと、たった2年で私たちのこの関西で、55年ぶりに万博が開催してまいります。世界中から大勢のインバウンドがお越しになられる。かつて千里の万博のときに、私もしょっちゅう行っておりましたけれども、携帯電話、電気自動車などが初めて世の中に登場し、今日ではそれが当たり前となっています。2年後の大阪万博では今度は完全なキャッシュレスが実行され、空ではドローンが人を運びます。現代社会では、コンビニにちょっと買い物に行く程度なら、もはや財布は持たない、スマホかせいぜいカードぐらいでしょうか。じゃらじゃらとお釣りはもらいたくない世の中になってまいりました。巡礼のみなさまもどんどん小銭を持たなくなり、納経所やお守り、お賽銭もタッチする、そんなピッと言うだけの世の中に対応せねばならなくなってくるはずであります。そんなことは信仰や、お寺や神社にはそぐわない、そんなアホなこと、そんな風に年配のご住職や、参拝者の方々はおっしゃるでしょう。でも、近々必ずなります。

ご存知でしょうか。ここ、近年、日本国がほとんどコインを製造しなくなっていることを。前回の万博のころ、1円玉は年間15億枚造られていましたが、現在は、たった50万枚です。10円玉は、13億枚造っていたのが、今は1億枚です。100円玉は約半分。だって、1円玉を造るのに3円もかかり、5円玉を造るのに倍以上かかるわけですから。おまけにコロナのような病気もいろんなところにまき散らしてしまいます。日本国としては、もうコインはなくしたいのです。銀行だって面倒だから、コインの入金や両替の手数料がすごいことになったのも、みなさんの記憶に新しいはずです。

さっきまで、今日あえてこういったお話をさせていただきますのは、実はとても悩みました。ただどうぞご理解をいただきたいのは、今、この場所には、西国三十三所のご山主のみなさまだけではなく、日本百観音のご縁で坂東・秩父の札所のご代表や、それぞれ異なった宗派の大役を務められている方々も、お参りされる側の方々も、たくさんお越しをいただいているからこそ、今後、日本仏教界全体が大きな協力すべき事案として考えていく必要があるのではないか、そんな思いで、この1300年記念大法要の結願の場で、場違いを承知の上で、こんなお話をさせていただいております。

日本の巡礼を万博で来られる方々に、英語のホームページあるいはパンフレットでも、もっとPRをしてみませんか。コインがなくなり始めて、初めて慌てるのではなく、もう始まりつつある、近い未来のために、万博の会場並にキャッシュレス巡礼やキャッシュレス参拝を始めてみませんか。かつて仏教がわが国にとり入れられたころ、命懸けで中国に渡って、日本にはない、最も新しいものとして海外の仏教というものを持ち帰ろうとした先人方の勇気と先見性を見習い、今こそ、単に古いものの護持や継承にこだわるだけではなく、私たちはまた最も、先進的なものをとり入れ、衆生に広めていかなければならない、そう認識すべき時ではないでしょうか。

中山寺が、あの阪神大震災の甚大な被災からの復興に際して、その階段上の境内地を、安産祈願で大きなお腹を労りながら参拝に来られる妊婦さんや、ご高齢の巡礼の方々が安全にご本尊さまの近くまでお越しをいただけるように設置したエスカレーター、街中では、いたって普通の当たり前のものが、お寺の境内には違和感があるとか、そぐわないとか、そこにはどちらを使うか選択の余地が残されているにもかかわらず、当時はいろいろな批判を含めて、報道等では取り上げられたものです。ご存知ないのでしょうか。最も新しいものと信じた大陸の仏教を、命懸けで持ち帰り、この国に転用し、みなを魅了したこと、お寺は単に古いものを展示するだけの博物館ではないんです。つねに新しい取り組みを、次代を担う若き後継者たちと共に、安全に心安らかにご参拝をいただけるように、取り組んでまいりたいと念願しております。

7年に亘って、多くのイベントをまじえながら、つづけてまいりました1300年記念事業はひとまず、この結願法要をもって節目となりますが、来週まで、東京駅前では百観音の行事がつづいております。大先達さんをはじめ、どうぞみなさま東京にもお出ましをいただき、百霊場もの盛大なお砂踏みをぜひご体験いただき、いつまでも観音さまとご一緒にお過ごしいただきますよう、心よりご祈念を申し上げまして、非常に長い挨拶となりましたけれども、ご挨拶とさせていただきます。本日は遠い中を、誠にありがとうございました」

お寺の役割は古いものをただ守るだけではなく、新しいものをどんどんとり入れていくことにもあるのだ、という含蓄のあるご挨拶でした。確か私もお遍路の記事を書いていた時に、同じようなことを書いた記憶があります。岩本寺の記事だったと思います。

石堂恵眼執行長のご挨拶をもって、西国三十三所 草創1300年記念 結願法会は終了となりました。

結願大法会後の本堂内陣拝観

さてさて、石堂恵眼執行長のご挨拶の半ばごろから、滝のような大雨となってきましたが、最後まで残っていると思わぬご褒美がありました。何と、順番に本堂内陣を拝観できるというのです。

これはありがたいです。普段は内陣の拝観はやっていないはずです。私も以前の巡礼の際は、外から参拝しただけでした。さすが、1300年記念行事の最後ですので、かなり豪気なおもてなしです。

まずは内陣の中で法会に参列していた方々からの拝観となりました。その後、西国古道ウォーキングサポートのみなさま、先達のみなさまとつづいていきます。一般の拝観は最後となりました。

※本堂前で内陣拝観の待つ人々

20分以上は待っていたと思いますが、ようやく一般の参列者の順番となりました。

内陣に入ってみると、みなさん無遠慮に写真を撮っておられます。一応、お寺の方もいらっしゃるので、ダメならダメとお声がかかるはずです。私も、便乗して写真を撮らせていただきました。

しかし、ここには載せられません!

実は中山寺では、商業用写真の撮影に関してかなり厳しい規制がアナウンスされているのです*1。私の写真は商業用写真ではありませんが、ブログで使う分には「営利目的」となってしまいます(※GoogleAdSenseを使用しているため)

ということで、写真は近日中にTwitterの方にアップしたいと思います。悪しからずご了承ください。

言葉で語るならば、とにかく煌びやかだったということです。ご本尊の十一面観音立像は、黒光りをしていて、荘厳さを感じさせてくれます。その一方で、柔和で福々しい表情をしておられます。何でも、インドの王妃シュリ―マーラー勝鬘夫人の等身像と伝えられているそうです。平安時代の作で、重要文化財に指定されています。

さて、本堂を出て帰路に着きます。その前に、納経所で西国三十三所の軸装納経帳ご宝印をいただこうと思いました。すると、納経所は閉まっており、記念品の受取所となっていました。記念品はまだたくさんありましたが、引換券が必要とのことでした。いったい、どんなものが入っていたのか、もらえずに残念でした。

臨時の納経所鐘楼の裏手、詠歌堂がそれでしたので、そこでご宝印をいただきました。これで、この日の巡礼は終了です。西国三十三所 草創1300年記念 結願法会に少しの時間だけでも参加できて、よかったと思いました。

おまけ

※かんのんさま

中山寺のゆるキャラ?、その名も「かんのんさま」です。「さま」までがお名前なので、我々は実は呼び捨てにしているようなものです。

ブログに載せてよい、と介添えの女性の方がおっしゃいましたので、載せさせていただきました。ありがとうございました!

 

いやあ、このような大きなイベントを抜きにしても、中山寺は見所が多いので、またゆっくりと来たいと思いました。この日は、職場に戻ったため、拝観が不十分だったと思います。

というわけで皆さんも! Let's start the Pilgrimage West!!