西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 1日目(2021.7.21) 1番~7番札所 「住吉農協前」バス停~「東原」バス停

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7番十楽寺

いやあ、お待たせしております。ワクチン2回目接種後の副反応による発熱など、いろいろありましてなかなか更新できておりませんでした。そろそろ、本腰を入れていきたいと思います!

歩き遍路 1日目 「住吉農協前」バス停から「東原」バス停まで

1日目、7月21日(水)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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この日は5時に起床し、前日に購入していた朝食をホテルの自室で食べました。基本的に朝はパンですね。健康を気遣い、サラダも買っていました。ホテルサンルート徳島はいろいろ便利なホテルで、1階にファミリーマート徳島駅前店が入っています。また、ホテルから出て正面に徳島バスのバスターミナルがあるので、お遍路さんにとってもかなり使い勝手がいいホテルだと思います。

「住吉農協前」バス停から1番札所霊山寺まで

7時35分に「住吉農協前」バス停で下車し、8時18分に1番札所霊山寺りょうぜんじに到着しました。Googleマップより速いペースで進んでいます。なかなか元気だったようです。

6時55分発の「鍛冶屋原車庫」行の徳島バスに乗り込みます。早いバスなので、ほとんど人は乗っていません。運転手さんがお遍路さんだと気づいてくれて、「『東原』ですか?」と聞いてくださいましたが、こちらは変則的な計画で、霊山寺まで歩くために「住吉農協前」で降りることを伝えます。あんまりそういう人はいないでしょうね。

7時35分、「住吉農協前」でバスを降りました。

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※「住吉農協前」バス停

前日の夕方に見たバス停とは雰囲気が異なります。朝の清々しさがありますね。

まずはバス停で準備を整えました。ベンチがあるのがありがたいです。朝とはいえ暑いですし、熱中症に関する注意情報が出ています。いや、注意情報というよりは警戒情報でした。とにかく暑さ対策を徹底しないと、熱中症にかかってしまいます。

まず、頭に冷水で濡らしたタオルをのせます。菅笠で押さえてあるので、落ちることはありません。次に、濡らすとひんやりするというバンダナのようなものを首につけました。これも冷水で濡らしておきます。

冷水はどのように用意するのかと言いますと、リュックの中にクーラーバッグ(容量3Lほど)を入れており、そこに凍らせた麦茶とミネラルウォーターを入れておくのです。クーラーバッグに入れておくと、凍った麦茶は夕方まで融けきることはありませんし、ミネラルウォーターも冷たいまま維持することができます。

熱中症対策をきちんとしておかないと、命に関わることになります。まだ1日目で体も慣れていない部分もありますから、そこは慎重の上にも慎重を期す必要がありました。

さて、準備万端でいよいよ出発です。ここからはほとんど北上していく感じになります。まずは、すぐ東の交差点にあるファミリーマート藍住町笠木店でトイレをお借りしました。その後も、基本的には真っ直ぐ北上していくだけです。

7時47分、旧吉野川を渡ります。

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※旧吉野川 上流側に向かって撮影

渡ったのは鳴門藍住大橋という橋です。

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※鳴門藍住大橋

この後、10番の切幡寺までは、大きな川を渡らずに巡っていきます。

鳴門藍住大橋を渡ってから700メートルくらいで、今まで通ってきた本道が右へと逸れていきます。目的地は北の方ですので、本道を外れ、脇道を直進しました。多くのお遍路さんにとってのスタート地点となる、「板東駅」を目指すためです。

少し細いが味わいのある道を400メートルほど進むと、線路に突き当たりました。JR高徳線の線路です。左には駅舎のようなものがあり、歩道橋のようなものも見えますが、右側の踏切を渡ることにしました。これが正解で、歩道橋のようなものは駅の設備でしたので、外から登っていくことはできませんでした。ここで8時5分でした。

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※JR高徳線の線路 奥に板東駅が見える

板東東踏切を渡ります。

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※板東東踏切

踏切を渡ってから、そのまま西に進みました。程なく、「板東駅」に到着です。8時7分です。

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※「板東駅」

ここはある意味、お遍路さんにとっての聖地かもしれません。歩き遍路経験者の方のブログをいくつか拝見いたしましたが、ほぼ全員ここからスタートしておられます。パターンとしては、高速バスで「徳島駅」まで来て、そこからJRで「板東駅」に来るという感じですね。読んでいますと、みなさん不安と期待の入り混じった気持ちでここに降り立っておられます。

まあ、私はすでにスタートしている身です。気持ちに余裕を持って、写真を撮っていました。

駅からは正面方向、つまり北に向かいます。駅の正面はすぐにT字路になっており、真向いに四国八十八ヶ所が世界遺産になることを祈願しているふじい商店がありました。

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※ふじい商店

朝8時過ぎという時間が早いから開いていないのか、もう廃業されていて開いていないのか、ちょっと分かりません。コロナ禍でお遍路さんも激減していますし、休業されている、という可能性もありますね。

このふじい商店の前の道は旧撫養街道で、この通りを300メートルほど西に進みます。霊山寺への道案内は随所にあるので、道に迷うことはありません。

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※旧撫養街道

お遍路ハウスが右前に見えてきたら、右折しましょう。

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※お遍路ハウス一番門前通り

このお遍路ハウスもやってない感じですね。歩き遍路すべての行程にからみますが、普段お接待をやっておられるようなところは、とにかくどちらも開いていませんでした。

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※霊山寺の石柱 奥に山門が見える

右折すると、石柱が立っており、さらに奥には山門が見えます。いよいよだ!という感じですね。ここで8時15分でした。

そこからさらに3分ほど歩いて、霊山寺山門の南側に到着です。

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※霊山寺山門南側

お参りをする前に納経帳を購入しようと思っていたので、この東側にある納経所に行きます。この納経所では多くの巡礼用品を販売しており、ほとんどのお遍路さんがここで装備を整えてスタートすることから、1番札所という地の利を感じさせるところですね。この建物の東側は駐車場になっており、数台の車が停まっていました。思えば、ちょうど1年前に私も車でこちらにやって来たのでした。

始まりの地らしく、納経所内も少しにぎわっている感じがします。必死に納札を書いておられる方もいらっしゃいました。お遍路は、これが大変なんですよね。

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※総合案内所(納経所)

中に入って、納経帳を物色させてもらいます。やはりウェストバッグに入るサイズの納経帳はないようですね。厳密に言えば入るサイズの朱印帳はあります。ただ、やはり「1番霊山寺」といったようにお寺の名前が書いてある方が、順番どおりに書いていただきやすいので使い勝手がいいのです。結果的に瀬戸内しん仏具店で購入しても変わらなかったのですが、あきらめて、一番小さいサイズの納経帳を買いました。それでも88ヶ所分ですので、割とボリュームがあります。納経帳朱印帳の呼称の違いは、お寺に行って納経をするかどうかによって変わるだけですので、あまり気になされないようにお願いします。

こちらで納経帳を購入すると、1番霊山寺のページにはすでに記帳・押印がされています。納経代300円と納経帳代2420円をお支払いしました。

と、ここでまたまた問題発生です!

お寺に入るので笈摺おいずるを着たり輪袈裟を着けたりと準備をしていたのですが、何と頭に被っていたタオルをなくしてしまいました! ベンチに座って準備をしていたのでベンチで落としたのか、とも思いましたが、ありません。納経所の中で落としたのかとも思いましたが、やはりありません。この一瞬で神隠しのようにタオルをなくすことができるなんて、なくしものの天才か!と思いました。

まあ、仕方がありません。気を取り直して、お参りしましょう。山門で一礼してから、境内に入ります。詳しい参拝方法については、四国八十八ヶ所霊場会のホームページ*1をご覧ください。

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※霊山寺山門

山門を入るとすぐ左側の奥に、多宝塔があります。約1年前に来たときは、ルーティンをこなすのに必死で、多宝塔があることすら気がついていなかった気がします。

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※多宝塔

室町時代の応永年間(1394~1428)に建立されたものだそうです。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*2をご覧ください。

山門から正面の奥には本堂があります。本堂は、中に入ることができます。

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※本堂

本堂にて、納経を済ませます。納経方法については2種類あり、写経を奉納するという方法と、読経をするという方法があります。読経方法に関しては、四国八十八ヶ所霊場会のホームページ*3をご覧ください。

つづいて、本堂に向かって右側にある大師堂にて納経をしました。境内を見たところ、歩き遍路らしき方はいらっしゃらないようです。

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※大師堂

東向きに写真を撮っているので、えらい逆光でした。

これで参拝は終了です。再び納経所へ行き、大師納経を購入しました。1枚300円です。後に75番善通寺納経所で教えていただいたのですが、この大師納経はもともとは記念事業として期間限定だったそうですが、今はとりあえず無期限で購入できるそうです。こちらも詳しくは、四国八十八ヶ所霊場会のホームページ*4をご覧ください。

ちなみに納経所の方は気さくな感じのおじいさんでした。お坊さんなのかもしれません。

8時50分ごろには参拝が終わり、霊山寺のすぐ横にある門前一番街という巡礼用品ショップに向かいました。タオルを購入しようと思ったからです。

開いてるかな~と心配しつつ行ってみると、ちょうどお店を開けておられるところでした。ありがたいです。早速中に入らせていただきます。

私の場合は購入するべきものが決まっていましたので、今治製の般若心経が書かれているタオルを選びました。実は同じものを、昨年の9月に45番札所岩屋寺で購入して持っています。残念ながらデザインのバリエーションもないようなので、まったく同じものを選ぶしかありません。

すぐにレジに持っていったのですが、お店のお父さまはお店を開けるのに一所懸命で、なかなか戻ってこられませんでした。小さな建物がいくつかある構造になっており、結構たくさん雨戸のようなものを開けないといけないようです。タオルは660円でした。

これで、霊山寺界隈でやるべきことは終了です。2番札所極楽寺に向けて出発しましょう。

1番札所霊山寺から2番札所極楽寺まで

1番札所霊山寺(正確には門前一番街を9時ごろ出発し、2番札所極楽寺には9時13分には到着しました。ここも少しGoogleマップより速いスピードで歩いています。

霊山寺から極楽寺までの道はとても簡単で、とにかく県道12号線川北街道を南西に進むだけです。右に入るように指示する案内板や、駐車場の入口が見えてくるとすぐに到着です。

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※極楽寺山門東側

山門は朱塗りの二層式の楼門ですね。

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※山門

ここで9時13分でした。山門をくぐり、境内に入ります。駐車場は、この山門前や左側にあります。

境内は、山門側から見て右奥の方へと広がっている感じになります。庭園があり、本堂大師堂はこのレベルにはありません。

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※長命杉

山門とほぼ同じレベルにある見所としては、長命杉が挙げられます。樹齢1100年以上で、弘法大師がお手植えになったものだと伝えられています。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*5をご覧ください。

本堂大師堂は奥の石段を登ったところにあります。このお寺は下のレベルの観音堂薬師堂を本堂と思ってしまう可能性がありますので、気をつけてください。

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※本堂

石段を登り切ってから撮ったので、アップの写真になってしまいました。

本堂のさらに右側奥にほぼ南面している大師堂があります。

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※大師堂

本堂大師堂の間では、お寺の方と思われる年配の女性がお掃除をしておられました。とても丁寧にご挨拶をしてくださいました。

納経を済ませ、納経所に向かいます。納経所は戻っていって、長命杉の奥の建物となります。実は山門からはすぐ正面で、西側に位置しています。

納経所では若いお坊さまが対応してくださいました。ちょっと事務的な対応でした。

納経所から外に出ると駐車場の手前にトイレがあります。お借りしましたが、割とキレイなトイレです。

さあ、次は3番札所金泉寺こんせんじを目指しましょう。

2番札所極楽寺から3番札所金泉寺まで

9時44分に2番札所極楽寺を出発し、3番札所金泉寺には10時18分ごろに到着しました。ここはGoogleマップとほぼ同じスピードになっています。

Googleマップではいったん県道12号線に戻っていますが、実際は駐車場の端を突っ切って南西に進んでいきました。歩き遍路のための案内標識がそうなっていたからです。

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※極楽寺からの遍路道

ちょうど極楽寺が運営している墓地の間を通っていくような感じになります。

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※極楽霊園を通る遍路道

しかし、この道を通るのはほんの数分でした。少し歩くと、旧撫養街道にある地蔵堂のところに降りてきます。ここからは概ね西方向に進んでいくことになります。

と、この地蔵堂のところに降りてきたときに、私よりも少し年上と思われる長身の男性とお会いしました。歩き遍路の方のようです。この旅で、初めて歩き遍路の方とお会いしました。ちょっとうれしくなって話しかけます。

この男性はHさんという方で、50代の大阪の方でした。この後、一緒に歩いて3番札所を目指しました。いろいろお話していると、どうやら歩き遍路は2回目、そしてこの日高速バスで大阪から来て、3番札所からスタートされるそうです。何でも、1番と2番は前回88番を回ったときに一緒に行ってしまったとのこと。何とも偶然の上にも偶然が重なった出会いでした。

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※前を歩くHさん

私は初めて歩く道で、案内標識があまりないところでは不安になって地図を見てしまうのですが、Hさんは何となく憶えておられるようで、私はついていくだけで大丈夫でした。

10時18分、3番札所金泉寺こんせんじに到着です。駐車場は山門の西側にあります。

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※山門

実は到着はお寺の東側で、森のようなところに入っていくと、いつの間にかお寺の境内に入っている、という感じでした。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*6をご覧ください。

お寺の中ではお互いのタイミングで納経をします。Hさんはお家が真言宗とのことで、結構熱心に般若心経を唱えられます。私は経本どおりにやるだけなので、かかる時間が違うんですね。

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※本堂

1番から3番まではかなり近いので、車で回っておられる方も何となく見覚えがある方が多いです。

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※大師堂

納経所は駐車場の北側にあるので、境内からちょっとだけ外れています。私が納経を終えて荷物を整えているとHさんも来られたので、大師納経をお見せしました。歩いているときに大師納経というものがあるという話を私がしていたのです。

その後、私はいったん納経所の方に教えていただいた黄金の井戸へ向かいました。

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※黄金の井戸

八角観音堂の手前に小さな祠があり、中には寺号の由来となった井戸がありました。井戸をのぞいて姿ははっきり映れば長寿、ぼやけていれば短命という言い伝えがありますが、幸いはっきりと映っていました。

見所の一つでもあった井戸も見ることができたので、次の4番札所大日寺を目指すことにします。ちょうどHさんも同時に出発するところだったので、また一緒に歩くことになりました。

3番札所金泉寺から4番札所大日寺まで

10時50分ごろに3番札所金泉寺を出発し、金泉寺奥之院とされる愛染院を経て4番札所の大日寺には11時52分ごろに到着しました。Googleマップよりも少し速いペースですが、ここは一部Googleマップには表示されない道を通っていたので、このような速さになったと思われます。

金泉寺からは、案内標識に従って進んでいきます。また旧撫養街道を歩いていく感じです。途中、宝国寺というお寺がありました。

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※宝国寺

ただ、お寺らしき建物はこれしかないような感じでした。ここで11時6分です。

さらに進みます。少し山道のようなところもところも通りつつ、11時27分に愛染院の前に到着しました。

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※愛染院山門

私は初めての歩きということもあり、とにかく88ヶ所歩くことにウェイトを置いているので、愛染院にはそれほど興味はありませんでした。しかしHさんは割と熱心な方で、きちんとお参りしていかれるおつもりのようでした。そこで、ここでいったんお別れすることにしました。私は先を急ぎます。

Hさんとも話していたのですが、とにかくこの日は7番札所十楽寺まで行っておく必要があります。初心者の私は気が急いていたのですね。

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※愛染院からの遍路道

こんな感じで、山ではないのですが、山道のようなところも通っていきます。気温は30度を優に超えており暑いのですが、日陰はかなり涼しく感じます。四国は梅雨明けが近畿地方よりも遅く、前週までは雨の日が割とあったようです。ところどころ、泥濘がひどいところがありました。

徳島自動車道の手前に、今度は藍染庵というのがありました。

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※藍染庵

中には、犬伏久助という方の像が祀られているそうです。何でも、阿波藍の発展に尽力された方だそうです。ここで11時36分です。

ここからは徳島自動車道の下をくぐり、左に曲がってしばらく西進します。すると目の前には高い壁が現れました。これが車で大日寺に行く場合に通る車道です。

歩き遍路はその壁に並行して北へしばらく進み、すぐに車道に合流します。ここからは、道は少し登りになります。

そのまま車道を歩いていくと、大日寺山門が見えてきました。

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※大日寺駐車場入口

山門南側が駐車場となっています。ここで11時51分でした。

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※山門

上が大きく、かなり重厚感のある山門です。中に入るとすぐ右側にトイレがあります。その奥にベンチがあり、そこで身支度を整えました。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*7をご覧ください。

山門の正面奥には、本堂があります。

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※本堂(奥)

本堂から大師堂までは渡り廊下でつながっています。その渡り廊下には、西国三十三所の観音像の写しが祀られています。

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※西国三十三所の観音像の写し

左から1番青岸渡寺の如意輪観音像、2番紀三井寺の千手観音像、3番粉河寺の十一面観音像です。以下、続きますが写真の掲載は見送ります。

渡り廊下で進んだ先に、大師堂があります。なぜか大師堂の写真をきちんと撮っていませんでした。下の写真の右側の屋根だけ見えている建物が大師堂だと思います。

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※大師堂?(奥)

納経所大師堂の正面、本堂の左手前にあります。

昨年来たときは建物の中に入れるようになっていましたが、今年行ってみると窓口タイプに変わっており、参拝者は建物の外で記帳・押印をお願いするようになっていました。

ここのご住職は割と厳しい性格の方で、私が行ったときにも納経所の窓口の女性の方に何かおっしゃっておられました。昨年参拝させていただいたときには、私も怒られた経験があります。

これで4番大日寺まで参拝が終了しました。

4番札所大日寺から5番札所地蔵寺まで

4番札所大日寺を12時21分ごろに出発し、5番札所地蔵寺には12時45分ごろに到着しました。ここではGoogleマップよりも遅いペースとなってしまいました。案内標識に従って遍路道を歩こうとしたため、その分テンポよく歩けなかったようです。ここは車と同じ道をまっすぐ南下してもよかったように思います。「遍路道=最短ルート」ではないので、省エネのことを考えるならばちょっと考えた方がいいですね。

大日寺からはまた南下します。マップでは端折っていますが、また脇道に降りてから南下していきました。そこで、日傘を指し、半ズボンで歩いている50代くらいの男性に出会いました。歩き遍路かどうか疑わしかったのですが、一応挨拶しておきました。後々、Hさんからうかがったところでは、この方も歩き遍路だったそうです。しかも、かなりハイペースで歩いておられたそうです。

12時を過ぎてしまいましたが、行くべきお寺はあと3か寺なので、何とかこの日中に7番札所十楽寺までは行けそうな目算が立ってきました。

地蔵寺までの車道は真っ直ぐ南下するだけなのですが、遍路道は不必要に曲がっていきます。ちょっとストレスを感じます。また、昼食をまだ食べていないんですよね。途中、フジムラベーカリーというパン屋さんがありましたが、この炎天下ではパンを食べる気にはなりません。ストレスと空腹でちょっと疲れました。

12時47分、地蔵寺山門前に到着です。駐車場は、この山門の南東側にあります。

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※山門

ここに至るまでの途中、地蔵寺境内のすぐ北側に奥の院五百羅漢があるのですが、そこは今回もパスさせてもらいました。時間の余裕があるときにまたゆっくりとお参りしたいですね。

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※本堂

本堂大師堂には20名ずつくらいの団体さんがいて、先達らしき方が読経を先導しておられました。これはちょっと、納経所でかなり待つ必要がありそうです。

大師堂の近くには大銀杏があります。樹齢800年になるそうです。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*8をご覧ください。

なお、本堂大師堂も団体さんがはけてから撮影しています。

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※大師堂

私がお参りをして納経所に向かうと、案の定団体の方の納経真っ最中でした。ただ、納経所の女性の方が「個人の方お先にどうぞ」とおっしゃってくださったので、すぐに記帳・押印をやっていただくことができました。ラッキーです。

団体のガイドさんらしき方にお礼を言ってから少しお話したのですが、何でも愛媛からの団体さんで、全部で40名ほどいらっしゃるようです。コロナ前なら40名でもバス1台だったのが、このご時世でバスは2台、とのことでした。ずっと1年くらいかけて逆打ちで回っておられるらしく、今回が最後の旅になるようです。ということはもうお会いすることはありませんね。

実はHさんと再会してからおうかがいしたのですが、Hさんは団体の方が終わるまで待っておられたようです。

ここでもHさんとは微妙なタイムラグがあり、私が先に出発しました。6番札所安楽寺を目指します。

5番札所地蔵寺から6番札所安楽寺まで

13時17分ごろ5番札所地蔵寺を出発し、6番札所安楽寺には14時50分に到着しました。Googleマップでは1時間4分で歩けることになっていますが、途中で昼食を食べていたので1時間半くらい時間がかかっています。

地蔵寺からはまたしばらく旧撫養街道を歩きます。ただ、お腹がだいぶ空いてきていました。そこでGoogleマップで昼食場所を探したところ、ちょうど県道12号線沿いにセルフうどんだいせん食堂というお店があることが分かりました。安楽寺も県道12号線沿いに進んでいくので、旧撫養街道を少し歩いてから並行する県道12号線へと移動しました。

セブンイレブン上板町神宅店を過ぎると、左側に遍路小屋がありました。ここで13時39分でした。

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※遍路小屋神宅

ここから300メートルくらい歩いて泉谷川を渡ると、すぐ右側にセルフうどんだいせん食堂がありました。14時前という中途半端な時間ですが、大丈夫です、開いています。

何うどんにしようか考えながら中に入りましたが、壁にかかっているメニューの写真を見ていると冷麺ならぬ冷やしうどんがあります。しかも、ただのざるうどんのような感じではなく、トマトなどの具材もしっかり入っています。即決です。あと、アジフライも買ってしまいました。あわせて770円です。とても安いです。

席がちょうど冷房の風が当たるところで、めちゃめちゃ涼しいです。うどんもおいしく、申し分ありません。何と、私が食べていると何とHさんも入ってこられました。カレーうどんを注文されています。

斜め向かいの席に座られたので、またお話させていただきます。実はHさんは別格二十霊場も回ろうとされていたのですが、7番の十楽寺問題でどうしようか最後まで悩んでおられたんですね。それで結局、別格は翌日に回して先に7番を回ることにされたそうです。こういう決断の一つ一つで、出会う方、出会わない方が分かれてしまうというのが、本当に仏教的な「縁」というものを感じさせてくれます。Hさんとは電話番号を交換し、この後も連絡をとることになります。

何とか7番札所まで行けそうで良かったね、という話をしながら、うどんを食べました。私の方が先に食べ終わっていたので、また先に出発します。Hさんは食後にタバコを吸うということで、ゆっくりされるそうです。

だいせん食堂からもしばらくは県道12号線を通りますが、途中で左に分かれて遍路道に入ります。まあ遍路道と言っても、民家の間を通る舗装された道です。

800メートルほど進むと、北から南下してきた県道12号線とちょうど交差する形になりました。この交差点の北側に「東原」バス停があるはずです。目で確認できたので、先に進みます。

安楽寺へは、車の場合この交差点からそのまま県道139号線を西進する形になりますが、歩き遍路はさらに左に分岐する遍路道を進みます。すると、正面に安楽寺山門が見えてきました。14時50分に到着です。

なお、駐車場は県道139号線沿いにあり、山門の右側、北側から入ってくることになります。

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※山門

本堂の右手にある茅葺き屋根の建物は方丈で、元々は宿坊として使用されていたのでしょう。現在は新しい建物が宿坊となっており、温泉もついています。

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※方丈

境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*9をご覧ください。

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※本堂

本堂は、中に入ることができます。本堂前の拝殿のところにベンチがいっぱいありました。

大師堂は、本堂の右奥、方丈の北側にあります。

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※大師堂

大師堂の右手前にあるのがさか松で、伝承では弘法大師の身代わりとなって矢に当たったそうです。逆さまに指しても芽吹いたことから、さか松と呼ばれているとのことです。

納経所本堂の中にあります。年配の女性で、話しかけてもあまり気乗りされないようなご様子でした。私が出発するころにはHさんが来られるかと思っていましたが、ここではお会いしませんでした。

さあ、いよいよ本日最後の7番札所十楽寺を目指します。

6番札所安楽寺から7番札所十楽寺まで

6番札所安楽寺を15時16分ごろに出発し、7番札所十楽寺には15時32分に到着しました。Googleマップとほぼ同じ速さですね。

 

 

 

安楽寺の北側には、お四国のしらかわという巡礼用品ショップがあります。さらに県道139号線をはさんで、安楽寺の駐車場があります。

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※安楽寺駐車場

駐車場にある建物は、トイレと休憩所です。この休憩所では、もしかすると野宿することができるかもしれません。

安楽寺からは一度県道139号線に出て、そこからしばらく西進します。2車線だったのが車線がなくなる細いところもあるので、注意が必要です。実際、私が通過していた時も車がすれ違うのに手間取っていました。

その後は県道139号線を離れて遍路道に入り、そこそこ大きい熊野神社の前を通って、十楽寺山門の南側まで行きました。昨年車で行ったときは、この県道139号線をそのまま走っていて、十楽寺の前まで行く正規のルートが分からずに少し戸惑った憶えがあります。結局、目視で十楽寺らしきものを確認し、そこから北側に入っていきました。

15時32分、十楽寺山門に到着です。

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※山門

山門をくぐると正面に水子地蔵がたくさん祀られており、左、右と曲がって中門に進みます。

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※中門

中門は南側から見ると遍照殿と書かれていますが、北側から中に入ることができ、愛染明王が祀られています。

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※中門北側

それゆえ、愛染堂とも呼ばれることもあるようです。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*10をご覧ください。

ベンチは本堂の前の少し離れたところにいっぱいあります。日陰もあるのでありがたいです。準備を整えていると、何とHさんがいらっしゃいました。

何でも、6番安楽寺を飛ばしてこちらに来られたそうです。安楽寺に泊まろうかと思っている、とのお話でしたので、先にこちらに来られたわけですね。

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※本堂

やはりお話できる方がいらっしゃると心強いですね。本堂納経し、大師堂へと行きます。

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※大師堂

大師堂本堂の西側で、少し石段を登っていったところにあります。

納経所宿坊の建物内にあります。新しい建物で、中のトイレをお借りすることができます。こちらの納経所の女性はとても愛想のいい方でした。

これで本日の札所参拝は終了です。初日から7か寺も打つことができました。毎日こんな感じなら2週間くらいでお遍路が終わるのですが、残念ながらそうはいきません。この日7か寺打った反動で、翌日は3か寺のみとなります。

16時過ぎ、身支度を整えて十楽寺を後にしました。

7番札所十楽寺から「東原」バス停まで

7番札所十楽寺を16時5分ごろに出発し、「東原」バス停には16時26分に到着しました。Googleマップとまったく同じペースで進んでいます。

ここがかなり無駄だと思われるところですが、十楽寺から1.7kmほど戻って「東原」バス停に行かなければなりません。JR「徳島駅」前のホテルサンルート徳島に戻るためです。まあ、移動には手間取りますが、連泊をしているおかげで少ない荷物で歩けているわけですから、そこは一長一短というところでしょう。

ただ、当初の予定では安楽寺から600メートルほど戻るだけでよかったのです。十楽寺の納経時間が午後のみに限定されていることから、1.1km、翌日の分も含めて往復で2.2km余計に歩くことになっているわけです。

ぼやいても仕方がありません。17時17分のバスがあることは分かっていましたが、もしかするともう少し早いバスがあるかもしれません。スマホの乗換案内アプリでは16時43分のバスがあるようでしたので、それに間に合うようにサクサクと歩いていきます。道はもう憶えてしまっていますので、ハイペースで進めます。

16時26分、無事に「東原」バス停に到着です。

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※「東原」バス停

時間は……。

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※「東原」バス停時刻表 一番右の列は違う方面のバス 赤字のところは休日ダイヤ

何と、16時36分でした! 10分後です。いやあ、このスリル。テレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」をやっているみたいですね。実はダイヤが変更になっており、16時43分のバスはなくなっていたようです。危なかったです。

歩きを終えて

16時36分、ほぼ時間どおりに徳島バスが到着し、乗り込みました。しかしこのバス、途中かなりいろいろなところに回っていくバスで、何とJR「徳島駅」に着いたのは18時6分でした! 90分も乗っていたことになります。うーん、何だかなあ。運賃は690円でした。

その後、翌日のバスの時間を確認します。この日の朝と同じ乗り場です。

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※「徳島駅前」バス停14番乗り場の時刻表

翌日は3か寺だけとなったので、7時30分に乗ることにします。

すぐにホテルに戻り、食事に出かけます。ホテルの隣の建物にカレーハウスCoCo壱番屋JR徳島駅前店があるので、がっつりとロースカツカレーを食べることにしました。ロースカツカレー(甘口)と野菜サラダで、1050円でした。「ソースありますか?」と聞きますと、かなり怪訝そうな顔をされました。私はカレーにソースをかけて食べるのですが、徳島県の方はカレーにソースをかけないのでしょうか。ほのかな酸味とコクが出ておいしいんですよ。近畿地方のCoCo壱はソースを常設していますので、できれば一律に常設しておいて欲しいところです。

この後、ホテルに戻ってすぐに温泉に入ります。それから初めて洗濯をしました。ホテルでの洗濯というのが慣れておらず、ちょっと手間取ってしまいました。

こうしてようやく、1日目が終了しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:7か寺

納経代:2100円

大師納経代:2100円

宿情報

ホテルサンルート徳島

禁煙シングルルーム

宿泊費:7,400円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉

洗濯機・乾燥機あり(3台)

洗濯機300円、乾燥機100円

アクセス:バス停から1分

コンビニ:1階に併設

フロントスタッフ、温泉のスタッフともにホスピタリティが高く、私にとっては徳島の常宿

バス情報

行き:徳島バス 「徳島駅前」~「住吉農協前」 370円

帰り:徳島バス 「東原」~「徳島駅前」 690円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:3,848kcal

距離  :28.0km

歩数  :40,410歩

スマホアプリ

歩数  :40,206歩

 

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最終更新日:2021.9.24