長かったゴーゴー砂漠を抜け、この日は山寺にも挑戦です。3日ぶりのお寺に歓喜する、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、10日目のレポートです!
歩き遍路 10日目 「室戸世界ジオパークセンター」バス停から「キラメッセ室戸」バス停まで
歩き遍路10日目、7月30日(金)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。
まる2日間、お寺のない区間を歩いてきましたが、この日は一気に3か寺打つことになります。大変な山寺というわけではありませんが、24番札所最御崎寺ほつみさきじや26番札所金剛頂寺はちょっとした山登りになります。ここまでの行程で大分足に来ていますが、無事に登ることはできるのでしょうか。
ホテルの朝食が7時からなので、この日は今までで一番ゆっくりの6時に起床です。朝食も和定食でとてもおいしいものでした。
「室戸世界ジオパークセンター」バス停から24番札所最御崎寺まで
8時11分ごろに「室戸世界ジオパークセンター」バス停を出発し、24番札所最御崎寺に到着したのは9時55分でした。Googleマップより5分早く到着しています。ただし、実際のルートは東側から山に入っていますので、マップの地図と異なっています。マップのように迂回して1時間49分で着く、というのは相当な速さで進まないと無理でしょう。
ホテルでの朝食のスタッフは、前日の夕食の方とは異なっていました。ご近所の方がパートで働いておられるのかな?と勝手に想像します。前日の夜、私は漬物を残していたのですが、それを受けて朝食では漬物をリンゴに代えてくださっていました。この辺のホスピタリティに感心します。また泊まりたい、と思わせてくれますよね。
朝食後、7時48分にホテルを出発しました。「岬ホテル前」からのバスは、7時58に出発します。
時間どおりにバスが来て、乗り込みます。10分ほどで、「室戸世界ジオパークセンター」バス停に到着しました。ちなみにこの日の運転手さんはとてもいい方で、お遍路ということを分かって応援してくださいました。
室戸ジオパークセンター前にはトイレも自動販売機もありますので、しっかりと準備ができます。スポーツドリンクやお茶も購入し、8時11分ごろ、出発しました。
400メートルほど南下すると、岬を唯一東西に結ぶ県道202号線との分岐に出ます。北川村の「モネの庭」の看板がありました。北川村とフランス印象派の巨匠クロード=モネはどのような関係があるのでしょう。
県道202号線との分岐を過ぎてすぐに、室戸岬まで6kmの案内標識がありました。
※室戸岬まで6kmの案内標識
さらに進むと、最御崎寺まで7kmの案内標識です。ここで8時34分でした。
※最御崎寺まで7kmの案内標識
上の写真から4分後、まんぼうという民宿前を通過です。
※民宿まんぼう
私が今までに読んだ歩きお遍路の方のブログでは、ここに泊まられた方はいらっしゃいませんでした。割と新しいお宿だと思います。車が何台か停まっていましたので、宿泊客がいらっしゃるようでした。看板によると、素泊まり3,000円、二食付き5,000円という激安価格です。
約30分歩いて、室戸海洋深層水株式会社です。8時54分でした。
※室戸海洋深層水株式会社
一時期、海洋深層水がはやりましたよね。ここでは、まだまだ現役で製造されているようでうす。
さらに100メートルほど進むと、室戸マリンフーズというこれまた海洋深層水の会社がありました。向かい側には、杉尾神社があります。
※杉尾神社
この神社の周辺は、本当に珍しいくらい何もありませんでした。
そこから1km弱でシレストむろとに着きます。9時10分でした。
※シレストむろと
最初は宿泊施設かと思ったのですが、宿泊はできないようです。海洋深層水を使った健康増進施設で、プールやスパが楽しめるみたいです。入浴料は550円となかなか良心的な価格設定ですし、レストランや無料の足湯もあるので、お遍路さんでも気軽に立ち寄れます。私はまだ歩き始めたばかりですので、スルーです。
そこからすぐに青年大師像が見えてきました。
※奥に青年大師像が見える
9時21分、青年大師像前に到着です。
※青年大師像
青年大師像は一応、明星来影寺というお寺の体裁をとっており、入館料は大人で300円します。歴史的には大したものではないのですが、割としっかりとお金をとるなあ、という感じです。ちなみに大師像は1984年に建立され、高さは台座を含めて21メートルあるそうです。
ここから少し南下したところに、室戸岬の石碑が立っていました。
※室戸岬の石碑
国指定の名勝および天然記念物ということです。
この石碑からすぐに、御厨人窟みくろどと神明窟しんめいくつに到着しました。歩きお遍路さんなら訪れたい弘法大師ゆかりの聖地が、この御厨人窟です。
※御厨人窟の石碑 洞窟は右側にあるが写っていない
何でも、弘法大師がこの御厨人窟で修行をしていたところ、明星が口に飛び込んできて悟りを開いた、ということです。洞窟の中から外を見ると、空と海しか見えなかったことから法名を空海とした、とされます。
まさに弘法大師の原点となる史跡ですね。
※御厨人窟
現在は落石からの危険を防ぐために防護柵が設置されており、少し無粋な感じになっています。
※御厨人窟内部
入口には鳥居が設けられており、奥には祭壇があります。大国主命が祀られている、とのことです。
※御厨人窟内部から外を望む
現在は、空海の時代よりも陸地が隆起してしまっていることもあって、空と海以外にもいろいろなものが見えます。人工物まで見えてしまうのが残念ですね。
御厨人窟の右側に、神明窟があります。
※神明窟
神明窟の方が浅いです。
※神明窟内部
御厨人窟と神明窟が並んだ写真を撮ろうと思っていたのですが、ちょうど帰り際に軽自動車がやってきて、割といい場所に車を停められたため、残念ながら写真を撮れませんでした。乗っていたのは母娘でしたが、娘さんの方は割と本気のお遍路さんだったようです。髪色は金に近い茶色で服装はワンピースでしたが、菅笠などを用意していました。この母娘とは、最御崎寺でもお会いします。
御厨人窟からほんの5分ほどで、最御崎寺への登山口付近に到着です。
※最御崎寺登山口付近
手前右側は水掛地蔵堂、奥の左側がトイレです。確かこの時、トイレは閉鎖されていたように思います。
実は登り口はこのトイレから10メートルほど南下したところにあります。ここで9時37分でした。
※最御崎寺登山口
※最御崎寺登口の石柱
この坂を登ってすぐのところに忠霊塔がありますが、そこからの道がちょっと分かりにくいです。
※へんろ道入口
最御崎寺までのルートは、上の写真の右にあるブロック塀に沿って、薮の中に入っていくような形になっています。赤い文字の札が下がっているところが入口です。私はなかなか見つけられませんでした。
忠霊塔の脇を通り過ぎてしまえば、きちんとした山道になります。
※最御崎寺までの山道
バショウのような、南国ムードが漂う植物が生えています。途中には、捻岩ねじりいわという弘法大師ゆかりの史跡もあります。
※捻岩
何でも、修行中の弘法大師の身を案じた母君がこの地に来たところ、にわかに暴風雨となったので、弘法大師がこの岩を捻って窪みを作り、母君を避難させたそうです。
捻岩で9時42分でした。まだもう少しかかりそうです。
この後は、結構傾斜が急なところもあり、なかなかキツかったです。何とか9時55分、最御崎寺の山門前に到着です。
※山門
何組か参拝者の方がいらっしゃいました。山門をくぐり、ベンチで服装を整えます。先に、境内の様子を写真に撮りました。
※鐘石
上の写真は鐘石と呼ばれるもので、空海の七不思議の一つに数えられています。斑れい岩でできているそうで、小石でたたくと金属のような音が響きます。
境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*1をご覧ください。
まず、本堂で納経をします。3日ぶりの読経ですので、声の出し方を思い出しながらとなります。
※本堂
つづいて、大師堂へ行きます。御厨人窟で見かけた母娘が、ベンチで準備をしていました。挨拶を交わします。どういう理由か分かりませんが、娘さんがガチ勢で、母親はその付き添い(ドライバー?)という感じでした。
※大師堂
大師堂でも、納経させていただきました。
納経所はお坊さまで、どうやら私が歩き遍路と分かってくださっているご様子でした。
この後、ベンチで荷物の整理をしていると、上の写真に写っているおじさんが話しかけてこられました。バイクでお遍路されているそうです。歩きです、と伝えると「この時期に歩くなんて……」という反応でした。まあ、当然ですね。私もそう思っていますから。
おじさんの情報では、私が本堂付近でお会いしたピンクのパーカーを着た40歳前後くらいの女性も歩き遍路らしい、とのことでした。確かに、この後の2か寺でもことごとくお会いしましたから、スピード的に同じくらいだったのでしょう。ただ、あちらはあまり交流したくないのか、本当に挨拶を交わすだけで終わってしまいました。
実はこの女性、前日の「室戸世界ジオパークセンター」バス停でもお見かけしていたような気がします。甲浦方面のバスに乗っていかれたような記憶がありますので、そちらの方のお宿に泊まっていたのでしょう。
バイクの方のお話だと、その女性はこの日は26番金剛頂寺の宿坊に泊まられるそうです。宿坊はコロナ禍で素泊まりしかやっていない、ということですので、何か買っていかれるのでしょう。しかし、麓もコンビニもないようなところですから大変ですよね。
これで、24番札所最御崎寺は終了です。25番札所津照寺を目指しましょう。
24番札所最御崎寺から25番札所津照寺まで
10時30分ごろに24番札所最御崎寺を出発し、25番札所津照寺に到着したのは12時11分でした。Googleマップより20分程度長くなっています。途中郵便局に寄ったとはいえ、意外と時間がかかっていますね。
10時30分ごろ、山門を出て次の津照寺を目指して出発しました。せっかくなので室戸岬に行こうと思ったのですが、まさかの立ち入り禁止になっています。
※室戸岬までの通路入口
台風か何かで被災したようですが、へんろ道まで戻って迂回しないといけない、ということになっています。へんろ道を歩いているときにそれを教えてくれていたら行ったかもしれませんが、今さらへんろ道に戻るのはちょっと……。
ということで、スルーすることにしました。津照寺を目指しましょう。
津照寺へは、山門から右に下っていく舗装された道があります。そこを下りますと、10台程度車が停められる駐車場に出ます。駐車場からお寺側を見ると、写真のような感じです。
※駐車場から最御崎寺の方を望む
右が舗装された道で、左は石段です。石段を登ると、境内の裏手の方、遍路センターの方に出るようです。
駐車場にはトイレがあり、お借りしました。この日歩き始めてから初めてのトイレですね。では、山を下っていきましょう。
国道方面まで降りていく道は、室戸スカイラインと名づけられています。歩道はありませんが、交通量はほとんどないため危険ではありません。
※室戸スカイライン
3度ヘアピンカーブを曲がり、麓の国道55号線まで降りていきます。この日は快晴で海もとてもキレイでした。
※室戸スカイラインから望む土佐湾
来た方を見上げると、こんな感じです。急に下っていっているのが分かります。
※室戸スカイラインから山側を望む
上の写真で10時54分です。
ここを下っていると、後ろからバイクに抜かされました。手を振っておられましたので、最御崎寺でお話したおじさんだと思われます。
下り終わると、北へ向かう道は国道55号線と、一つ内側を走る旧道があります。四国遍路聖地巡礼のマップ*2によると、旧道の方が遍路道のようです。また、岬観光ホテルの娘さんもこちらを勧めてくださっていたので、こちらを通りました。
下の写真のようなのどかな道です。車もほとんど通りません。しかし一応バス通りにはなっています。
※旧道
上の写真でもう11時20分になっていました。
この後、室戸岬郵便局で3万円下ろしました。翌日岬観光ホテルをチェックアウトしますので、その支払いのためです。
郵便局から150メートルほどで、漁港に着きました。室戸岬港(津呂港)です。
※室戸岬港
説明板によると、土佐国司だった紀貫之きのつらゆきが帰朝の際、悪天候のため十日ほどこの地に滞在した、ということです。「紀貫之朝臣泊舟之處」と書いてある石碑もあります。その隣の石碑には、「野中兼山先生開鑿之室戸港」と書かれています。
野中兼山とは江戸時代前期の土佐藩の家老で、土佐藩内の各地で土木事業を行い、成功させた人物です。おそらくこの後も彼の業績を目にすることがあるでしょう。
この後、道は二又に分かれていました。しかし、どちらを通っても結局は国道55号線に合流します。ここで11時37分でした。
※旧道の分岐点
石碑が建っていますが、「昭和九年海嘯襲来地」と書いてあります。1934(昭和9)年に襲来した室戸台風の際、高潮がここまで上がってきたということでしょう。
室戸台風は参考記録ながら上陸時の中心気圧が911.6ミリバール(現ヘクトパスカル。1ミリバール=1ヘクトパスカル)で、最大瞬間風速が秒速60メートルにも達し、そのため4メートルを超える高潮が発生したそうです*3。
この分岐点を右に進むと、150メートルほどで国道55号線に合流です。しかしこの辺の道も日陰が少なく、体力と精神力を消耗します。
500メートルほど国道を歩き、また内側の旧道に入ります。今度は800メートルほど旧道を歩きました。
再度国道に合流すると、左側に久しぶりのコンビニであるヤマザキショップ室戸店が現れました。ここまで50km近くコンビニがなかったのではないでしょうか。
このヤマザキショップを過ぎると国道55号線は大きく右に逸れていきます。25番札所の津照寺は、左の脇道へ入っていきます。
※津照寺への分岐点
左に入っていくと、漁村のような雰囲気になっていきました。左手に漁港、右手に新しくてキレイな高知信用金庫室戸支店を見ながら進むと、正面に大きな看板が出てきます。
※津照寺の案内看板
駐車場は、直進して左奥の広場を使うことになっています。しかし、その手前の漁港の脇に停めている車も結構多かったですね。
看板のところから右を見ると、津照寺の正面になります。
※山門
山門の上に見えているのは鐘楼門で、本堂は下から125段の石段を登ったところにあります。下のベンチで身支度を整え、石段を登り始めました。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*4をご覧ください。
※鐘楼門
すでにかなりの距離を歩き、また山寺を一つ打っているので、この石段がなかなかキツイです。なぜか鐘楼門までの石段の一部で、柵をはさんだ片方が閉鎖されていました。崩れているのかもしれません。幸い、境内にはほとんど人がいなかったため、困ることはありませんでした。
本堂はコンクリート製で、中に入ることができます。私の先にはオレンジTシャツの方がいらっしゃったのですが、本堂に着くと陰からピンクパーカーの女性が出てきました。突然で、ちょっとびっくりします。私より先に着いているとは、結構歩くスピードが速いですね。
気を取り直し、中で納経させていただきました。声が響きます。
※本堂
本堂のレベルからの景色はこんな感じです。
※本堂から望む景色
大師堂は一番下にあります。戻りましょう。うっかりしており、大師堂の写真を撮っていませんでした。
実はご住職が下の境内で庭木の剪定をしておられたのですが、例の東京オリンピックで話題になった被る日傘をしておられました。なかなかシュールな感じです。しかし私が納経所に入ったときには、いつの間にか中におられました。
ご住職は、やはり私が歩きであるということを分かってくださっていたようです。くたびれ具合で分かるのでしょうか。
12時45分ごろ、荷物の整理をして津照寺を後にしました。
25番札所津照寺から26番札所金剛頂寺まで
25番札所津照寺を12時45分ごろに出発し、26番札所金剛頂寺には14時15分に到着しました。Googleマップより20分多く時間がかかっています。しかし昼食をとっていたことを考えると、かなり優秀なペースだったと思います。
津照寺を出て、すぐ左側にある遍路の駅 夫婦善哉に入りました。ここも家族経営のような感じです。食事ができるか聞いたら、できるということでしたので、奥に座ります。天ざるそばを頼みました。やはり熱いものではなく冷たいものを体が欲しています。
13時10分ごろ、お支払いを済ませて出発します。メニューでは700円と書いてあったように思うのですが、実際には780円お支払いしました。この辺の不明朗会計が四国では多いです。単にメニュー表が古いだけだと思いますが。
夫婦善哉を出たら右に進み、室津川を渡って直進します。500~600メートルほど進むと、国道55号線に合流しました。この合流地点には、ファミリーロッジ旅籠屋・室戸店があります。新しいうえに安いので、お遍路さんでも泊まりやすいと思います。
国道55号線に合流したら、700~800メートルは直進です。
平等津橋の手前の「奈良師橋」バス停がちょっと面白い形をしていました。
※「奈良師橋」バス停
ここですでに13時28分になっています。
バス停から500メートルほど歩いたところで、また遍路道は国道の内側に入ります。ちょうど元甲休憩所があったので、ここでタオルなどを冷水で濡らしました。最御崎寺を出てから濡らせるところがなく、暑いなかを歩いていたので、助かりました。バス停などでも露天ならば気兼ねしないのですが、上のカメのようなしっかりした建物のなかではやりにくいんですよね。どうしても水がこぼれてしまいますから。
13時42分、岩戸神社前を通過します。
※岩戸神社
この後は民宿うらしまの前を右折し、山の方へ向かっていきます。山道に入ると日陰となりますから、かなり涼しくなります。とはいえ、傾斜は急になっていきますので、キツイのはキツイです。
この日はこれまでの疲れがたまっていたのと、やはり35度近いのに日陰がほとんどなかった暑さと、山寺や石段の急な登りとで、かなりバテれていました。しかし最後、何とか力を振り絞って登り切ります。14時13分、駐車場に到着です。
※駐車場
ちょうど駐車場に着いたときに3台ほど車が登ってきたのでイヤだな、と思っていたら、すべて通過していきました。どこへ向かっているのでしょうか。
駐車場からはとどめの階段がありました。
※駐車場からの階段
階段を登り切ると、山門です。14時15分、金剛頂寺に到着しました。
※山門
日陰のベンチで参拝の準備をします。
実はこの金剛頂寺、駐車場の雰囲気は憶えていたのですが、お寺がどんな感じだったかまったく憶えていませんでした。しかし、改めて参拝してみると、山寺らしいとてもいい雰囲気のお寺です。他に参拝者もいませんので、この雰囲気を独り占めできました。
※本堂
本堂で納経を済ませ、大師堂へ向かいます。大師堂は本堂から戻って左の方に進んで行きます。近くには、一粒万倍の釜が祀られています。
※一粒万倍の釜
弘法大師がこの釜で約500グラムの米を入れて炊いたところ、万倍に増えて、飢えた人々を救ったそうです。弘法大師も数々の奇跡譚がありますが、もはやイエス=キリストと同じレベルですよね。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*5をご覧ください。
大師堂でも納経を済ませ、納経所へ向かいました。
※大師堂
納経所はお坊さまでした。ちょうどテレビで東京オリンピックの中継をご覧になっていましたが、ここでもやはり歩きと気づいていただけました。よほどくたびれていたのでしょうね。
納経所から出て荷物の整理をしているころにピンクパーカーの女性が到着しました。彼女はここで打ち止めのはずですから、ゆっくりと参拝するのでしょう。どこかで買い出しも済ませてきたのかもしれません。
私の方もこれでこの日の札所は終了です。宿へ戻るために、「キラメッセ室戸」バス停へと向かいましょう。
26番札所金剛頂寺から「キラメッセ室戸」バス停まで
26番札所金剛頂寺を14時55分ごろに出発して、「キラメッセ室戸」バス停には15時35分ごろに到着しました。Googleマップでは国道55号線を通るルートになっていますが、実際にはほぼ真西に山道を降りていく形になりました。かなり所要時間も違っていると思います。
次の27番札所神峯寺こうのみねじに行くには、本堂から左の方に下っていく形になります。ところが、階段を下っていくと道が封鎖されていました。慌てて納経所まで戻り、お坊さまに道をうかがいます。
どうやら、歩きの場合はひょいっと通り越してよかったようです。車などが上がってこないように柵をしていたわけですね。ちょっと混乱していたので写真を撮っていなかったのが残念です。
その後、遍路道は金剛頂寺の宿坊の前を通ります。宿坊前には三十六童子像がありました。
※三十六童子像
この先はだんだん山道に入っていきます。不動岩が結構近いということで、そちらに行ってみようかと思ったのですが、案の定、道が草深くて通れない感じだったので諦めました。
その後はとにかく神峯寺を示す遍路道をたどり、山を下っていきました。こちらの道も結構草深くて荒れています。しかし今度は進むしかありません。完全な山道を下っていくことおよそ20分弱、国道の1本内側の旧道らしき道に出ました。国道55号線まではすぐです。
国道に出たところは、何と道の駅キラメッセ室戸に併設されているレストランの目の前でした。もうゴールです。
15時35分、「キラメッセ室戸」バス停に到着です。なぜか写真を撮っていませんでした。
歩きを終えて
「キラメッセ室戸」バス停で時間を確認すると、次は16時18分です。40分以上待ち時間があります。
しかし、すぐ目の前は道の駅です。ゆっくりと休憩させてもらいましょう。まず、トイレをお借りします。トイレの北側に、特産品などを売っているショップがありました。ジェラートが売っていたので、いただくことにします。
最近の私は少し人間的にレベルアップしていまして、少しは地元の特産品を食べようという気持ちが生じています。昔は、定番の好きなものしか食べませんでした。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の蛭子能収さんと一緒だったんですね。
というわけで、ジェラートはダブルワッフルコーンにしまして、一つは定番のチョコレート、もう一つは特産のムロトブルーを頼みました。1本のワッフルコーンに、2種類のジェラートが載っています。400円でした。
ムロトブルーというのは地元の食藍を混ぜた、塩ミルク味のジェラートです。塩も海洋深層水から造り、牛乳も室戸市の牛からとったものだどうです。
プールなどにありそうな白いプラスチックのテーブルセットに座り、いただきます。至福の時間でした。この旅では、あまりこういう優雅な時間を過ごすことはなかったですね。
ジェラートを食べていると、一人のおばさんが話しかけてこられました。何でも、歩きお遍路の人には100円をお接待している、ということでした。ありがたくいただきます。結構現金のお接待もあるんですね。
この方、道の駅で買い物をされた帰りにもまた話しかけてこられ、さらに100円をいただきました。いろいろとお話させていただきましたが、電話占いということをやって、結構もうかっておられるとか。とてもお話が面白い方でした。
その後おばさんとお別れし、16時を過ぎには道路を渡って「キラメッセ室戸」バス停に戻ります。16時21分、3分遅れでバスが来ました。
バスはこの日私が歩いたルートをどんどんと戻り、岬の先端をぐるりと回って「岬ホテル前」バス停に到着しました。だいたい30分くらいです。
翌日のダイヤを確認します。翌日は反対方面の安芸方面行きのバスになります。
※「岬ホテル前バス停」時刻表 前日に撮影
翌日は土曜日ですので、選択肢が絞られます。8時21分に乗ることにしました。7時朝食では7時20分のバスは無理ですからね。
17時過ぎ、ホテルに到着です。フロントのお姉さんのお話では、この日は宿泊客が多くて子どもさんも泊まられるとのことでした。子どもがうるさいと迷惑がかかる、という配慮でしょうね。
まあ、とにかくまずはお風呂で汗を流しましょう。すぐに大浴場を利用させていただきました。宿泊客が多いこの日は男女の浴場が分けられており、前日とは違う浴場になっていました。しかしこちらも清潔にされていたので、快適でした。
18時に夕食です。前日とはまた少し献立が変わっており、おいしくいただきました。だいたいの旅館の食事は豪勢過ぎてお腹がいっぱいになってしまいますが、こちらのお遍路用メニューはちょうどいい量でありがたいです。
荷物の整理が終わってから、この日のうちに荷物の宅急便をお願いしておきました。少し甘めに測っていただいたので、100サイズで1,390円でした。
翌日はこの居心地のいいホテルを出発することになります。少し寂しい感じがしました。
歩き遍路振り返りデータ
歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。
札所情報
札所:3か寺
納経代:900円
大師納経代:900円
宿情報
岬観光ホテル
新館和室(バストイレ付き)
宿泊費:8,800円(※領収書を紛失してしまいましたが、実際には朝・夕付で8,000円くらいだったように思います)
室内に冷蔵庫・バス・トイレあり
WiFiあり
大浴場あり
洗濯機・乾燥機あり(1台)
洗濯機無料、乾燥機200円
アクセス:バス停から約3分
コンビニ:徒歩約1時間以上
家族経営だと思いますが、みなさんフレンドリーでホスピタリティはとても高い
バス情報
行き:高知東部交通バス 「岬ホテル前」~「室戸世界ジオパークセンター」 400円
帰り:高知東部交通バス 「キラメッセ室戸」~「岬ホテル前」 670円
距離と歩数
ASUS VivoWatch BP(HC-A04)
カロリー:3,414kcal
距離 :24.8km
歩数 :35,864歩
スマホアプリ
歩数 :35,644歩
歩き遍路 9日目 ◁ 歩き遍路 10日目 ▷ 歩き遍路 11日目
最終更新:2021.10.22
*1:四国遍路聖地巡礼「高知編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『24番札所最御崎寺』」2021.10.16閲覧
*2:四国遍路聖地巡礼「高知編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『24番札所最御崎寺』」2021.10.16閲覧
*3:国立公文書館ホームページ「展示会情報『災害に学ぶ』」2021.10.16閲覧
*4:四国遍路聖地巡礼「高知編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『25番札所津照寺』」2021.10.16閲覧
*5:四国遍路聖地巡礼「高知編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『26番札所金剛頂寺』」2021.10.16閲覧