西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 11日目(2021.7.31) 27番札所 「キラメッセ室戸」バス停~「大山岬」バス停

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27番神峯寺

砂漠ではなくなりましたが、国道55号線をたどる旅は高知市までつづきます。高知県随一の山寺に挑戦する、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、11日目のレポートです!

歩き遍路 11日目 「キラメッセ室戸」バス停から「大山岬」バス停まで

歩き遍路11日目、7月31日(土)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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この日は札所もありますが、移動日でもあります。予定では過去最長の35.9km進まなければいけません。

ということで、朝は早めにスタートしたいところではありましたが、ホテルの朝食は7時ですので、この日もゆっくりの6時起床です。7時に朝食をいただき、出発の準備を整えました。

「キラメッセ室戸バス停」から27番札所神峯寺まで

8時55分ごろに「キラメッセ室戸」バス停を出発し、27番札所神峯寺には15時53分に到着しました。6時間58分かかっています。Googleマップより1時間以上時間がかかっていますが、休憩したり昼食を食べたりした時間を考えると、割と頑張っているように思います。

この日の朝食も漬物の代わりにリンゴを出してくださいました。こういった気配りがうれしいお宿です。

8時ごろ、荷物をまとめてチェックアウトします。前日、前々日の宿情報でもお伝えしましたが、意外と安かった記憶があります。もともとじゃらんで予約した際には1泊8,800円だったのですが、朝・夕の2食込みでもそんなにお支払いしなかったと思います。

オーナーと娘さんがお見送りしてくださいました。今日はどちらまで?と聞かれたので、神峯寺まで行きます、と答えると、何でもこの辺の人は割と神峯寺の檀家さんが多い、ということでした。除夜の鐘のお話をしたように思うのですが、詳細は忘れてしまいました。

岬ホテル前」バス停まで歩きます。ちょっと時間が早く、10分ほど待つことになってしまいました。8時21分のバスに乗り込み、出発です。ホテルの前を通る際、何気なくホテルの方を見ていたら、何と娘さんが見送っていてくださいました。何というホスピタリティ!

岬観光ホテルは建物自体は確かに老朽化しているので、ネットの口コミでは悪い評価をつけている方もいらっしゃいますが、私が評価をつけるとすれば文句なく☆☆☆☆☆ですね。

さて、バスは30分ほどで「キラメッセ室戸」バス停に到着しました。トイレを済ませ、スポーツドリンクなどを購入します。準備を整え、8時55分ごろ、道の駅キラメッセ室戸を出発しました。うっかりしてバス停や道の駅の写真を撮るのを忘れてしまっています。

序盤はとにかく国道55号線を歩いていくことになります。この日も好天に恵まれ、同時に朝から大変暑い日でした。

最初に写真を撮ったのは、9時27分でした。徳島県庁から143kmの案内標識です。道路にも「143」と白線で書いてあります。

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※徳島県庁から143kmの案内標識

高知まで70km、27番神峯寺まで25km、26番金剛頂寺からは7kmとなっています。徳島から143kmも歩いてきたんですねえ。感慨深いです。

9時38分、東ノ川にかかる東の川橋を渡ります。

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※東の川橋

橋を渡ると、吉良川町の重要伝統的建造物群保存地区の看板が出てきました。四国遍路聖地巡礼のマップ*1では、国道55号線もこの保存地区もどちらも遍路道とされています。せっかくなので、1本内側に入った保存地区を通る道を歩くことにしました。

保存地区に入ると、説明板がありました。

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※吉良川の町並み説明板

いろいろと見るべき建物が書かれています。あまり道を外れるところに行く余裕はありませんが、遍路道沿いのところは見ることができそうです。

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※吉良川の街並み入口

台風の常襲地であるこの地で家を守るための、「水切り瓦」という独特の反った形の瓦や、「石ぐろ」という河原石や浜石でつくった外壁が特徴とされます*2*3

500~600メートルくらいでしょうか、確かに古い味わいのある建物が多く建っています。

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※吉良川の町並みの様子

上の写真の右側の建物は、もしかして住友ですか? 菱井桁は住友のマークですよね。ここを右上に入っていくと、観光拠点となっているまちなみ館があります。私は行きませんでした。

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※右の路地を撮ったところ 奥に見えるのは琴平神社の鳥居

古い洋風建築もありました。

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※旧吉良川郵便局

大正15(1926)年に建築された郵便局の建物だそうで、昭和40年代までは使われていたそうです。ここで9時48分でした。

その後は町並みを抜けて、西ノ川にかかる橋を渡ります。渡り切ったところに、西ノ宮神社がありました。時刻は9時55分です。

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※西ノ宮神社

ここから800メートルほど旧道を進んでいくと、国道55号線に合流します。合流地点には立石休憩所があり、トイレもありました。記憶では使用しなかったと思います。

10時17分、「立石」バス停を通過します。高知まで66kmになりました。

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※「立石」バス停

10時37分、徳島県庁から148kmの地点に到達しました。

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※徳島県庁から143kmの案内標識

写真が小さいのできちんと読めませんが、高知まで65km、27番神峯寺まで20km、26番金剛頂寺からは12kmとなっているはずです。ちょうど70分で5km進んでいます。

先程の合流地点から3kmほど進んだところで、道が二又に分かれているところを右に入っていきます。遍路道の案内標識はありました。

この辺はまったく写真を撮っておらず、文章でしかお伝えできませんが、憶えているかぎりのことを書かせていただきます。

遍路道の方に入って小川を2つ越えます。2つ目の小川を越えたところで、小さなお子さんのいる家族連れがいらっしゃったのですが、若いお母さんが挨拶してくださいました。先に子どもさんが出てこられたので、こちらから挨拶しにくかったのですが(※昨今は変質者と間違えられる可能性があるため)、向こうから挨拶していただけるとありがたいですね。

この後、羽根昭和保育所の辺りで右に曲がります。ここも案内標識があります。この後もとにかく案内標識に従って山の方へ入っていく感じです。

途中、歩いておられたおばあさんが道を教えてくださり、励ましてくださいました。

高知の方はお遍路のことをあまりよく思っていない、ということをネットの記事で見たことがあります。また、愛媛の43番明石寺を一緒に参拝したKさんもそのようにおっしゃっておられました。実際に嫌味を言われたそうです。

しかし、幸いなことに私はそのような経験をすることはありませんでした。むしろ、どこでも、とてもよくしていただいたように思います。ラッキーだったのでしょう。

遍路道は羽根岬を山越えする形でした。結構急な坂を登ったり降りたりします。もちろん近道にはなっているのでしょうが、この記事を書きながら地図を見ているかぎりでは、迂回して国道55号線を通っていても時間的にはそんなに変わらないような気がしました。実証していないので、憶測に過ぎませんが。

こんな急な山道なのに、ちらほらお墓があるんですね。四国のお墓は、墓地にまとまった形ではなく、単体で設置されていることがままあります。まあとにかく、こんなところにお墓があるなんてお墓参りが大変なんじゃないか、と思いながら急な山道を歩いていました。  

一気に時空をワープしまして、11時54分、ようやく山道を抜けるところまで降りてきました。見えているのは加領郷の漁港です。

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※加領郷漁港を望む

そして12時1分、ようやく国道55号線に戻ってきました。

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※国道55号線との合流地点(加領郷漁港付近)

ここからは、約10kmほど国道55号線を歩いていくことになります。

合流して100メートルほど進んだところに、弘法大師霊跡というのがありました。

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※弘法大師霊跡

下にお堂らしきものが見えます。そこまで行けば説明板などがあるのかもしれませんが、先を急ぐ私にはそんな余裕はありません。ですから、この霊跡がどういうものなのかは分かりません。

ここからはまた、案内標識4連発でいきたいと思います。

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※神峯寺まで13kmの案内標識

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※神峯寺まで12kmの案内標識

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※神峯寺まで10kmの案内標識

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※神峯寺まで9kmの案内標識

時刻はそれぞれ、12時16分、12時29分、13時1分、13時14分でした。4kmを58分で歩いていますね。

奈半利町の中心街にはお店もいろいろあるのですが、何となく一人では入りにくく、先へ進みました。ちなみにこの奈半利町には約70kmにわたりなかった鉄道の駅が復活します。土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の「奈半利駅」です。

奈半利川にかかる奈半利川橋を渡ると、今度は田野町の中心街です。ここに道の駅があることを知っていましたので、ここで食べることにしました。

13時30分ごろ、道の駅田野駅屋に到着です。サイクリングの旅をしている方が結構おられるようで、トイレの前に自転車が何台も停まっています。ライダースーツを着た若い女性もいました。道の駅の中に入ってみたんですが、軽食はあるものの混んでいたので、中で食べるのを諦めました。

隣にローソン田野町駅前があったので、そこでパンとウィダーインゼリーを購入しました。道の駅の建物の外には日陰にベンチがいくつかありましたので、そこに座って食べます。

inゼリー フルーツ食感〈もも〉というのを始めて食べましたが、驚いたことに本当にほぼ桃でした。これはまた食べたい!と思いましたが、結局この旅では食べることはありませんでした。

13時50分ごろ、道の駅田野駅屋を出発します。やはりエネルギー補給をすると、やる気もまた高まります。

歩き出してすぐに、国道は大きく左へカーブしていきます。また海沿いの方へと戻るようです。その大きくカーブするところに、タマイというパチンコ屋さんがありました。

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※タマイセンター田野店

写真を撮っているのは、気になったことがあるからです。何かと言うと、前日にバスに乗っていたとき、室戸市の中心街にタマイというパチンコ屋さんがあったことに気づいていたのでした。

そして実は、この日泊まるホテルがホテルTAMAIなんですね。同じ系列の会社なのではないか、ということが気になっていたのです。

この予想はドンピシャで、現在は株式会社玉井が高知県内の9店舗のパチンコ屋と、ホテルTAMAIの経営を行っているようです。

14時9分、一気に残り6km地点まで来ました。

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※神峯寺まで6kmの案内標識

14時21分、安田川にかかる安田川大橋を渡ります。海の方を見ると、砂浜になっていました。

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※安田川大橋から海側を望む

この後、400~500メートルほど進んだところに「東谷入口」バス停があります。その近くから右に入っていけるようになっており、神峯神社神峯寺、神峯山・空と海の展望公園などの案内標識がありました。ようやく国道55号線に別れを告げ、山の方へと向かっていくことになります。

最初は住宅や田畑が並ぶ細い道を進んでいきました。やがて、ごめん・なはり線の高架の下に出ます。そこに、2枚の説明板がありました。ここで14時42分でした。

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※高知県蔬菜園芸発祥の地「唐ノ浜」の説明板

蔬菜そさい園芸というのは要するに野菜園芸のことですが、大正2(1913)年にこの地で園芸作物の栽培が始まったということですね。

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よさこい秘話の説明板

江戸時代末期の安政2(1855)年、31番札所竹林寺の学僧200人の師僧にあたる純信と、山麓の鋳掛屋の娘お馬が駆け落ちをしたそうです。二人は讃岐の金毘羅さんで捕らえられ、裁きの結果純信は仁淀川以西へ、お馬は安芸川以東への追放となりました。その後お馬は、この地、神峯登り口の安田・東谷の旅籠坂本屋で奉公をすることになった、ということです。追放で済んだというのは、何となく穏便な感じがしますね。

神峯寺への登山道は、ここから北東方面に向かっています。

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※神峯神社鳥居

神峯神社まで登っていけない人のために、遙拝用の鳥居がありました。どうやらこの辺が、神峯寺神峯神社参拝のベースキャンプとなっていたようですね。

鳥居から奥の方に進むと、すぐに山道になっていきます。ただ、道路自体は舗装されていました。

ここで、前日に3回お会いしたピンクパーカーの女性に遭遇しました。ここでも挨拶だけを交わして、お別れです。あまり交流を持ちたくない方のようですね。この女性とは、この後お会いすることはありませんでした。

神峯寺は標高450メートルのところに位置します。この日はずっと海沿いを歩いてきましたので、要するに一気に450メートル登らないといけないわけです。「真っ縦」と言われるような急勾配の道で、高知県随一の遍路ころがしです。

15時7分、神峯寺まで残り2.0kmの地点に到達しました。

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※神峯神社・神峯寺まで2.0kmの地点

ここから先の道はかなりうねうねとカーブを繰り返していきます。実は完全な山道もあるのですが、私は真っ縦を警戒して車道を通っていきました。それでもそこそこの傾斜があり、かなり疲れます。

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※神峯寺への山道入口 山道を行けば残り1.3km(帰りに撮影)

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※九丁の丁石

車道から山道へ入るところが何か所かありました。すぐ上の写真で15時28分です。

それから1分後、九丁公園前を通過します。

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※神峯神社・神峯寺まで800メートルの案内標識

九丁公園には、上の写真の標識、トイレ、ベンチやテーブルがあります。トイレは、遠目にもキレイとは言えないものでした。確かこの時は使用禁止になっていたように思います。

残り七丁の地点で、15時34分です。

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※七丁の丁石

ひいひい言いながら歩いていると、何台かの車に楽々と追い抜かれました。「乗ってください」と一言いただければ、私も楽なんですが……。

15時40分、ようやく駐車場までの最後のカーブです。

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※駐車場手前のカーブ

1分後、駐車場に到着しました。しかしお寺までは、ここから大変厳しい傾斜の坂をまだ10分ほど歩かないといけません。

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※神峯寺駐車場

昨年自動車で参拝したときには、駐車場にあるドライブイン27神峯店は営業しておられました。しかし、この日は開いていませんでした。まあ、それはある程度予想できたことなので、大した問題ではありません。自動販売機がありますので、乏しくなってきていた飲み物を補充することにします。すると、自動販売機が故障中ではありませんか! しかも「故障中につき売店をご利用ください」と貼り紙までしてあります。その売店が開いてないじゃないか!という魂の叫びは山の静寂にかき消されました。声はもともと出していませんが。

泣く泣く飲み物の補充を諦め、神峯寺へ向かいます。ここからの傾斜が本当にキツイです。

15時53分、ようやく山門前に到着しました。

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※山門

私が山門を入ろうとすると、ちょうど山門から出てこられた母娘の2人連れがいらっしゃり、挨拶を交わしました。母親の方が「車から見てました」ということで、ねぎらってくださいました。誰かが見てくれていたと分かると、頑張って歩いた甲斐がありますね。

山門から歩くこと2分で、トイレ本坊納経所のあるレベルに到達します。しかし本堂大師堂は、ここからさらに160段近い石段を登らないといけません。

ただ、石段沿いの庭園は格別の美しさで、登るつらさを忘れさせてくれます。

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※石段沿いの景観

境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*4をご覧ください。

とはいえ物理的にはやはりキツイ石段を登り切り、ようやく本堂へ行きます。

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※本堂

お寺の方が、早くも火の片づけを始めておられました。大師堂は少し離れたところ、神峯神社に近い側にあります。

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※大師堂

納経を済ませ、下へと降りて納経所に向かいます。

納経所には誰もおられなかったので、ベルを鳴らすとおばさんが出てこられました。駐車場代が300円かかるのですが、何もおっしゃらなかったので歩き遍路と思ってくださったようです。私の前後には車で来られた中年夫婦がいらっしゃったので、きちんと見分けておられます。

これで27番神峯寺の参拝は終了です。トイレをお借りし、出発することにしました。

27番札所神峯寺から「大山岬」バス停まで

16時25分ごろに27番札所神峯寺を出発し、「大山岬」バス停に到着したのは18時ごろでした。Googleマップより10分ほど多く時間がかかっていますが、30km近く歩いてきているわけですから、妥当なスピードでしょう。

神峯寺を16時25分ごろに出発しました。最初は下りですから、スピードが出過ぎないようにだけ注意すれば大丈夫です。楽なもんです。

登りのときに神峯寺まで2.0kmの標識があったところで、右に曲がります。こちらの道は広域農道になるようです。ここで16時58分でした。

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※広域農道との分岐点

しばらく下っていくと、左側に四阿あずまやが見えてきました。どうやらこの辺は化石体験場として整備されているようです。

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※安田化石体験場遊歩道入口

上の写真は、通り過ぎてから撮影しています。右上に小さく四阿が見えます。時刻は17時17分でした。

出発が遅かったので仕方がないのですが、これだけ遅い時間に歩いているのは4日目以来です。結構、体にきてます。

この日一度膝に謎の痛みが走ったことがあったのですが、幸いなことにそれは治っていました。しかし、歩きお遍路を始めて10日も経っていますので、かなり無理がたたっていることは間違いないと思います。なかなかしんどかったですね。

ここからは1kmほど歩いて国道55号線に合流しました。何度目の国道55号線との邂逅でしょうか。

安芸市に入ってから200メートルくらいのところに、28番大日寺まで34kmの案内標識がありました。すでに17時35分です。

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※大日寺まで34kmの案内標識

この日の予定では、ここから約4km先の「伊尾木不動」バス停まで歩くことになっていました。しかし、「伊尾木不動」のバスのダイヤが18時32分でしたので、距離的にも時間的にもキツイなあ、と思い始めます。

どこかその手前で手を打つか、ということで、実は神峯寺である程度目星をつけており、1.7km先の「大山岬」バス停まで歩くことにしました。これならば無理なく到着できそうです。しかも次の日の歩く距離が30.7kmの予定でしたから、この日2km程度減っても問題はないでしょう。

というわけで、「大山岬」バス停を目指して歩きます。距離を減らした分、足取りも軽くなったようです。意外と速く歩けます。

大山岬のところは、国道55号線は海から離れて大山トンネルを通ります。バスは旧道の岬の方を通りますので、私は海沿いの旧道の方に入っていきました。

すると、ちょうど後ろからバスが追い抜いていきました。もうちょっと手前のバス停で待っていれば、1本前のバスに乗れたわけです。

まあ仕方がありません。18時ちょうど、「大山岬」バス停に到着しました。この日のゴールは、ここと定めましょう。

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※「大山岬」バス停

まずはダイヤを確認します。何と、18時18分があります。事前に調べていた「伊尾木不動」18時32分のバスはここでは18時30分でしょうから、1本早いバスが存在したということですね。ラッキー!と思い、家内のお母さまに安否報告のメールを送ります。うれしがって1本早いバスがあったんですと連絡したのですが、実は……。

歩きを終えて

さて、ベンチが欲しいところですが、ありません。ボーッと立っているしかないですね。しかし18分後に来るということで、少しでも早くホテルに到着できます。早くホテルに到着すればそれだけ休養時間が増えるわけですから、早いに越したことはないのです。

しかし、なかなかバスが来ません。仕方なく夕日の写真を撮って気を紛らわせておりました。

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※大山岬の夕日(18:00)

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※大山岬の夕日(18:14)

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※大山岬の夕日(18:29)

雲のせいで光が屈折して、幻想的な風景になっています。水面に写ったかのような写真ですね。

18時30分、ようやくバスが来ました。これじゃ次のバスと変わらないじゃないか~と思いながら乗ります。運転手さんが「お待たせしました」とおっしゃってくれたので、ちょっと気持ちが和らぎます。

バスが遅れていた、とこの原稿を書き始めるまで私は思っていたのですが、よくよく考えるとこの日は土曜日でした! ですから、バスは土曜ダイヤで運行しています。実は土曜ダイヤでは18時18分というバスはなく、17時53分の次は18時30分だったんですね。むしろバスは時間に正確だったわけです。遅れたなどと濡れ衣を着せてしまい、まことに申し訳ありませんでした!

バスは10分ほどで「安芸市役所前」バス停に到着しました。当初は「川向」バス停で降りようと考えていたのですが、コンビニが「安芸市役所前」の方にあるので、こちらで降りることにしたのです。翌日の朝食などを購入しておきます。

18時48分、ホテルTAMAIに到着です。このホテルは下の方のフロアがパチンコ屋と駐車場になっていて、7階がフロントになっています。また、ここはテレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第10弾で太川陽介さん、蛭子能収さん、遠藤久美子さんが泊まったホテルでもあるんです。聖地巡礼という感じで、ちょっと楽しみにしていました。

フロントでは年配の男性の方が対応してくださいました。ベテランだと思い、「蛭子さんが泊まったことがあるんですよね?」と聞いてみたのですが、ご存知なかったようです。まあ、2011年のことで10年前ですから、仕方がないですよね。というよりは10年前のことをしつこく憶えている私がどうかしています。

ということで、チェックインし、部屋に入ります。もう時間的に結構遅くなっていますので、まずは夕食ですね。11階に展望レストランがあり、そこでいただきました。カツオのたたき御膳1,782円です。本来は1,980円ですが、宿泊客は10%引きです。とてもおいしく、元気が出る食事でした。また、店員さんもとてもフレンドリーでいい雰囲気でした。

このホテルは大浴場があります。ただ、5階まで降りていかないといけません。この旅を通じて私がよくやってしまった失敗なのですが、タオルを部屋に忘れてきてしまうんですね。無駄に2往復することになってしまいました。しかもこれ、気づくタイミングはだいたい裸になってからです。面倒極まりないです。

温泉ではないのですが、本当に大浴場なので、そこは癒されました。入っている方も少なかったので、リラックスできました。

大浴場から上がると、今度は洗濯です。ここがまた少し面倒でした。何と、ランドリーは1階に設置されており、一度ホテルの建物から外に出ないといけないんですね。ということは、浴衣で行く、ということができませんので、仕方なく洋服をきちんと着ないといけないわけです。

機械は大きなもので、洗濯・乾燥まで一気にやってくれる機械でした。お値段は何とこれまでで最高の700円です。ホテルに泊まっていない方でも利用できるようになっているので、割高なんでしょう。

さて、洗濯まで終わるとようやく寝ることができます。ホテル到着が遅かったこともあり、すでに時刻は21時近いです。ところが、この日は東京オリンピックでサッカー日本代表の試合が行われており、隣の部屋が集団でそれを応援しているのか、とてもうるさくて寝られそうにありません。

人生で初めてなのですが、部屋を代えていただけるようにお願いして、代えていただきました。変なクレーマーのようでこれまでそのようなことはしたことがなかったのですが、翌日のことを考えると、しっかりと寝ておく必要があったので、勇気を出してお願いしてみたのです。しかしフロントの方は大変快く、スムーズに対応していただいたので、ありがたかったです。というわけで、9階から8階の静かな部屋に移動し、ゆっくりと休むことができました。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:1か寺

納経代:300円

大師納経代:300円

宿情報

ホテルTAMAI

シングルルーム(喫煙)

宿泊費:5,940円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり

洗濯機・乾燥機あり(3~4台? 敷地内外部施設)

洗濯・乾燥700円

アクセス:バス停から約1分

コンビニ:徒歩約3分

ランドリーが敷地内外部施設というところだけは残念でしたが、フロントもレストランもとても親切で丁寧

バス情報

行き:高知東部交通バス 「岬ホテル前」~「キラメッセ室戸」 670円

帰り:高知東部交通バス 「大山岬」~「安芸市役所前」 400円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:5,096kcal

距離  :37.0km

歩数  :53,513歩

スマホアプリ

歩数  :56,550歩

 

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最終更新:2021.11.3