西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 12日目(2021.8.1) 28番札所 「大山岬」バス停~「野市龍河洞通」バス停

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28番大日寺

ついに7月が終わり8月に突入しました。しかし、この生活がまだまだ4週間つづきます。四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、12日目のレポートです!

歩き遍路 12日目 「大山岬」バス停から「野市龍河洞通」バス停まで

歩き遍路12日目、8月1日(日)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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前日につづき、この日も札所はありながら移動日でもあります。宿泊先が高知市になり、この日から3連泊する予定です。前日は初めて予定していたところまで到達できませんでしたので、この日は当初の予定よりも長く歩く必要がありました。

ということで、5時に起床し4日ぶりのファミリーマートの朝食を食べ、出発の準備を整えました。

「大山岬」バス停から28番札所大日寺まで

大山岬」バス停を7時30分に出発し、28番札所大日寺には15時39分に到着しました。Googleマップより1時間半以上時間がかかっています。きちんとしたお店で昼食をとったということと休憩した時間を考えても、少し時間がかかっているように思うかもしれません。しかし、31km歩いているわけですから妥当なラインではないでしょうか。

前日は部屋を代えてくださったおかげで、よく眠ることができました。5時に起床し、朝食のパンとサラダを食べます。準備を整えて、7時にホテルTAMAIをチェックアウトしました。

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※ホテルTAMAI

ファミリーマート安芸矢ノ丸店で凍った麦茶などを購入しました。朝、コンビニで必要なものを購入するのも4日ぶりです。

ホテルTAMAIの方に向かって信号を一つ渡ると、安芸市役所です。この前にある「安芸市役所前」バス停で、バスを待ちました。

バスを待っている間、何気なく周りを見ていると、キジバトがいました。以前、西国三十三所の十一番札所上醍醐・准胝堂を訪れた際、山中でこのキジバトに遭遇したことがありました。高知県では都市部にも現れるんですね。

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※キジバト

7時18分、予定どおりにバスがやってきました。10分ほどで「大山岬」バス停に到着です。

バスは旧道を通ってここまで来ましたが、私はさらに旧道の海側の道を通ります。そこが大山岬のようです。ここで7時29分でした。

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※大山岬への道

遊歩道のようになっているうえ、日陰になっていてとても歩きやすかったです。朝ということもあり、とてもいい気分で歩いていきました。

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※大山岬を通る道

と思っていたら、軽トラックに警笛を鳴らされてしまいました。道の真ん中を歩いていたので仕方がありませんが、いかにも邪魔だ!という感じで鳴らされると腹が立つものです。せっかくのいい気分が台無しになりました。

この道が終わりバスの通る旧道に合流するところに、浜千鳥公園があり、歌碑が2基立っていました。

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※愛妻之碑

江戸時代後期の天保2(1831)年、土佐藩の役人鹿持雅澄が羽根の浦へ赴任する際、高知城下の福井の里に残してきた妻を思い詠んだ歌だそうです。鹿持雅澄は国学研究でも知られ、『万葉集』の研究に勤しんだ人物でした。ちなみにこの妻、菊子夫人は、何と幕末の志士武市半平太の叔母に当たるということです。

もう一つの歌碑が、公園名の由来にもなっている「浜千鳥」の歌碑です。

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※浜千鳥歌碑

この童謡「浜千鳥」の作曲家は弘田龍太郎先生で、高知県安芸市のご出身です。

ここから200メートルほど歩くと、道の駅大山に到着しました。トイレをお借りします。

先程の軽トラックが停まっています。そのドライバーらしき男性が、ベンチでタバコを吸っていました。タバコを吸うのに警笛を鳴らしてそんなに急ぐ必要もないだろうにと思い、ちょっとムカつきました。

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※恋人の聖地 大山岬

道の駅から、人工島なのか石垣のようなもので護岸されている小さな島が見えます。ここに恋人の聖地 大山岬という碑が立っているようです。船が泊まっているところは伊尾木漁港です。7時42分にの撮影しました。

ここからしばらくは防波堤の上を歩いていきます。遍路道も国道55号線と防波堤両方のルートとなっています。案内標識は防波堤の方にありました。

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※遍路道となっている防波堤

しかし、この防波堤の上は何も遮るものがありません。ジリジリと真夏の太陽が照りつけます。それでも頑張って30分以上この道を歩きました。

土佐くろしお鉄道「伊尾木駅」を過ぎた辺りのところに、小さな恵比須神社がありました。漁師の方が信仰しておられるのでしょう。

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※恵比須神社

しかし、ここまででかなり体力を消耗したうえ、飲み物も結構消費してしまいました。照り返しもあって相当暑いです。そこで、国道の方に降りることにします。国道沿いは自動販売機やコンビニもあったからです。

国道55号線に出て500メートルほど進むと、伊尾木川です。ここで8時32分でした。

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※伊尾木川にかかる伊尾木川橋

伊尾木川を渡ると、また500メートルほどで今度は安芸川になります。8時45分、安芸川橋を渡っています。

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※安芸川橋

安芸川橋を渡ると、左の旧道らしき道に入っていきます。遍路道の案内標識もそちらにあります。

この旧道は昔からの街道のようです。お寺もありました。ここで8時55分です。

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※妙山寺

9時3分、「岩崎弥太郎生母・豊川良平誕生地」の石碑がありました。

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※「岩崎弥太郎生母・豊川良平誕生地」の石碑

岩崎弥太郎は言わずと知れた明治時代初期の実業家ですが、豊川良平はその従兄弟で、弥太郎の事業発展に大きく貢献した人物です。名前の付け方が面白く、本名は小野春彌だったのを、豊臣秀吉の「豊」、徳川家康の「川」、建国の功臣張良の「良」、陳平の「平」をとって「豊川良平」としたそうです。随分欲張ったネーミングです。

やはりこの辺が昔からの安芸の中心市街地なのでしょう。例の水切り瓦の立派な建物もありました。

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※水切り瓦の建物

この辺は古い酒屋さんが多く、この建物もそういったお店だと思います。

この旧道は「球場前駅」の近くで国道55号線に合流します。合流してすぐに、案内標識がありました。9時17分になっていました。

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※大日寺まで24kmの案内標識

何と高知市まで3km? いつの間にそんなに近づいたのでしょうか。よく見ると、37kmの「7」の数字が見えにくくなっているだけでした。まだ37kmあるんですね。

この先歩いていると、自転車道が結構あり、歩行者も歩けるので遍路道にもなっていました。そこで、そちらをちょくちょく通ったのですが、私が行ったときはなぜか多くが工事中になっており、入っては出てを繰り返しました。

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※自転車道

上の写真のところも、先が通れなくなっています。9時45分でした。

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※穴内恵比寿神社

上の写真も自転車道の防波堤のところで撮ったと思います。時刻は10時6分でした。この辺りで飲み物が乏しくなり、自動販売機を求めて再び国道に出ました。なかなか自動販売機がなく、竹内石油というガソリンスタンドを発見したのでそちらに入ります。

敷地に入り、ご主人らしき方に「自動販売機はありますか?」と聞くと「中にあります」とのことでした。ガソリンを入れるわけでもないのに、申し訳ありません。

建物の中に入ると、小さな犬が必死で吠えています。お遍路さんの格好というのは犬には怪しいものに映るでしょうね。1匹はワンワン吠えていましたが、もう1匹、ぬいぐるみのようにじっとしているのがいました。奥さんらしき方によれば、もう老犬なので大人しい、ということでした。

飲み物を補充させていただき、奥さんとご主人にお礼を言い、出発します。図らずも応援までしていただき、元気が回復しました。

この後はひたすら国道を歩き、10時38分、赤野自転車道休憩所に到着しました。

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※赤野自転車道休憩所

赤いものはまた歌碑で、弘田龍太郎作曲、北原白秋作詞の「雨」という童謡のものです。奥の建物はトイレで、私もお借りしました。

この後も頑張って自転車道を歩こう!と思ったら、これです。

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※自転車道通行止めの看板

わざわざ降りてきたのに、戻るしかありません。奥のフェンスがあって高くなっているところが国道です。そこまで戻ります。

少し進むと、高知まで31kmの案内標識が出てきました。ここで10時48分です。

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※高知まで31kmの案内標識

この区間、6kmを1時間31分で進んでいることになります。休憩していたとはいえ、やや遅いペースですね。自転車道に入ったり出たりしているのも結構ロスになっていると思います。28番札所大日寺まではあと18kmです。

昔の蔵のような建物を流用したらしき駐在所がありました。10時58分になっています。

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※安芸警察署赤野駐在所

この後、和食わじきの集落ではまた1本海側の旧道らしき道の方を歩きました。遍路道は通れなくなっている自転車道ですから仕方がありません。内陸側に少しふくらんでいる国道よりは、距離も短縮になると思われます。

この旧道は和食川を渡るとすぐにまた国道55号線に合流します。そこからはまた国道をひたすら進みました。

途中、左側にSEA HOUSEという少しおしゃれなレストランがありました。そこそこ人が並んでいましたので、ちょっと入る気にはなりません。

SEA HOUSEを過ぎてすぐのところに、下の案内標識がありました。ちょっと画像が粗くて正確な距離が読み取れないのですが、大日寺まで11.?kmとなっています。

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※大日寺までの案内標識

もう12kmを切ったわけですね。時刻ももう11時58分になっていました。歩き始めてすでに4時間半近く経っていることになります。

そこから6分ほど歩いたところに、お遍路休憩所がありました。ありがたく休ませてもらいました。

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※お遍路さん休憩所

ミタニ建設工業株式会社が作ってくださったようです。大変ありがたいですね。この建物の手前にはトイレもあります。

私はここで休憩したのですが、隣の建物で休憩した方がお得かもしれません。隣はウェルプラザ洋寿荘という特別養護老人ホームになっているのですが、この建物の西側の軒先がやはりお遍路さん休憩所として開放されています。しかも、飲み物のサーバーまでついていました。

さらに進むと、右側にファミリーマート芸西店があります。その向かい側には、「実のなる木のお接待木」というものがありました。すでに12時18分です。

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※実のなる木のお接待木

桃の絵が描いてあるということは、桃の木なんでしょう。桃が生っていたら自由に採って食べていいということなんでしょうか。

この辺はかなりお遍路さんを歓迎してくれていますね。ありがたいことです。

自転車道はしばらく国道55号線に並行して走っていましたが、この後また少し離れていきます。そして、この辺の自転車道はとてもいい雰囲気の道でした。

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※香南市に入ってからの自転車道

上の写真で12時31分です。

いい雰囲気なのですが、誰も通っていないのでトンネルはちょっと怖いです。

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※自転車道のトンネル

このトンネルの上の道は、リゾートホテル海辺の果樹園に向かう道となっています。

このまま自転車道を通っていくと、漁村のような街並みに入っていきました。そして、遠くには橋のようなものがせり上がっているのが見えます。ここで12時43分です。

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※手結港可動橋

これは可動橋と言って、手結てい港の中を横断する道路を建設した際、船が通れるように橋がせり上がるように建設されたものなんですね。いやあ、面白いものを見せてもらいました。

また、この辺を歩いていた際、自転車に乗っていた小学校高学年くらいの少年から「こんにちは。頑張ってください」と挨拶をもらいました。いやあ、こっちは好きで勝手にやっていることなのに、応援までしてくれるなんて……。無私の心で他人を応援できるこの少年の未来は、きっと明るい希望に満ちたものになっているでしょう。

そこから夜須川を渡ると、すぐに道の駅やすです。道の駅なので、食事くらいはできるでしょう。すでに時刻も13時近くですから、空いているんじゃないかと思っていました。

ところが行ってみると、何ということでしょう! コロナなどはどこ吹く風で、ものすごい数の人でにぎわっています。とてもレストランでご飯を食べるどころではありません。仕方なくトイレだけお借りして、出発することにしました。確かここのトイレはトイレの建物の入口にドアがあったと思います。

国道55号線に戻り、大日寺を目指します。途中食べられるところがあれば食べようと思い、左右のお店の様子を見ながら進みました。しかしなかなか一人で入りやすいお店は見つかりません。

土佐くろしお鉄道の「香我美駅」を過ぎたころ、1台の軽自動車が北側の脇道に入っていくのが見えました。見ると、長平社中手打ちそば乃なかというお店があります。これも縁だと思い、そちらに向かうことにしました。

乃なかは本当に普通の一軒家のような感じで、玄関で靴を脱いで中に入っていきます。食券を券売機で購入するというシステムでした。時間は13時半ごろだというのに、狭い店内にそこそこお客さんがいらっしゃいます。きっと地元で評判のお店なのでしょう。

脱サラしたんだろうな、と想像される少し頑固そうな大将でしたが、何とリンゴジュースをお接待してくださいました。ありがたくいただきます。頼んだのは豚しゃぶせいろで、880円です。豚肉はタンパク質とビタミンが豊富で、暑いなか歩いているお遍路に最適な食べ物です。せいろとなっていますが、まあざるそばのようなものですね。とてもおいしかったです。

30分ほど滞在して、出発です。ここからは国道を離れて、乃なかの北側を通っている遍路道の方を歩くことにしました。

香宗川を渡り、西へ進みます。この橋の付近で、一人の女性に話しかけられました。どうやら創価学会のようです。

他の方のブログで、歩き遍路は創価学会員の勧誘に結構声をかけられる、ということを知っていました。ですから、怪しむ気持ちよりも少しうれしい気持ちの方が強かったです。しかし、私は信仰を強制するということが嫌いですので、丁重にお断りしました。

橋を渡ったところは歴史的景観の残っている地区のようでした。多くの説明板が立っています。まずは江見町馬車立場です。時刻は14時9分でした。

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※江見町馬車立場の説明板

ここから、私が午前中に通ってきた和食まで馬車が通っていたそうです。1日3往復ということですから、それなりの需要があったのでしょう。

歴史的景観とは直接関係ありませんが、個人的に気になったのが炭火焼鳥香宗我部です。

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※炭火焼鳥香宗我部

何が気になるかと言うと、土佐の戦国大名長宗我部元親を支えたのが、弟で香宗我部氏を継いだ香宗我部親泰だったからです。私にとっては長宗我部氏とともに、ザ・土佐という苗字なんですよね。

この道沿いのカトリック教会も歴史が古いらしく、説明板が立てられています。

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※カトリック赤岡教会

現在の建物は昭和の末期に改築されたそうですが、オリジナルは昭和7(1932)年に建築された、とのことです。

少し進んだところの駐車場の袂には、伊能忠敬の測量跡がありました。

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※伊能忠敬測量地点

北緯33度33分の地点とのことで、後年帝国陸軍が測量して再確認されたそうです。

他にも歴史的な建築物があります。

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※寺尾木材店跡

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※おっこう屋

このお店はお客さんの出入りがあり、結構流行っているようでした。看板がレトロです。

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※西川屋

西川屋はまだ営業しておられると思います。

西川屋の前を北に向かって進みます。赤岡橋を渡って、この歴史的な赤岡地区ともお別れです。

橋を渡ってから100メートルほど進むと、道が二又になっています。ここは遍路にとっては重要な場所のようです。

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※一本松とヘンロの腰掛け石

ここが町の外れに当たるようで、松は目印になっていたそうです。残念ながら度々枯れてしまい、今の松は何代目かで、まだまだ若手の松のようで目印になるほど大きくはありません。ここで14時23分です。

この後、どちらを進んだらいいのかよく分からなかったのですが、とりあえず右側を通って北上しました。載せているGoogleマップの地図とは違う道になってしまっています。

400メートルほど進むと、また説明板がありました。14時31分です。

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※ヘンド石とその説明板

ヘンド石となっていますが、遍路石がなまったもののようです。要するに、道標ですね。石には、「従是大日寺四十丁 寛政八年橋本重吉建之」と書かれています。寛政8年というと、西暦1796年のことですね。フランスではナポレオンがイタリア遠征の総司令官に任命されて権力の階梯を昇りはじめる年です。大日寺まで、残るは4.1kmくらいです。

ここから道標のとおりに左へ曲がり、国道55号線に合流しました。またしばらく国道を歩いていきます。合流してすぐのところに、立山神社一の鳥居がありました。14時36分です。

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※立山神社一の鳥居

鳥居から6分ほど歩くと、また距離の案内標識がありました。高知までついに18km、指呼の距離となってきました。

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※高知まで18kmの案内標識

あと37km地点から考えると、19kmを約5時間半かかって歩いてきたようです。ずっと国道を歩いていたわけではありませんので、実際にはそれよりも多く歩いていると思います。

割と立派な旅館かとりを見ながら、ひたすら国道を歩きます。トータル1.4kmほど国道を歩くと、右側にファミリーマート野市東野店がありました。トイレをお借りし、飲み物を補充しました。

そこから国道を外れ、県道22号線に入っていきます。烏川を渡って150メートルほど進んだところの十字路で右に曲がり、香南市役所の方に向かいます。

すると、焼鳥香宗我部の最上級が出てきました。手羽先長宗我部です。

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※手羽先長宗我部

さすが、土佐の戦国大名です。今に名跡をきちんと伝えていたようです。

香南市役所の前には警備員の方が立っておられ、車と歩行者の誘導を行っておられました。しかし、挨拶しても返事はありませんでした。少し寂しい気持ちになります。

実はこの市役所前の道は、曲がった後も県道22号線だったのですが、そのまま北へ進んでいきます。前には小山があり、どうやら遍路道はそちらを通っていくようでした。

しかし、私は県道の方を歩きました。大日寺はこの県道から少し上がっただけのところなので、わざわざ山道に入ってもそれほど距離は変わらないと思ったからです。

右の山にはのいち動物公園があり、さらにその奥に何か建物が見えました。西洋のお城のような建築です。

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※三宝山展望台

これは実際にシャトー三宝というそうで、展望台になっているそうです。

15時35分、ようやく大日寺の麓のバス駐車場に到着しました。車はもう少し北の入口から登っていくことができますが、バスはここまでのようです。

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※大日寺バス専用駐車場

駐車場の奥を見ると、どうやらここから大日寺まで上がっていけるようでした。

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※バス駐車場の奥

ここからの山道、石段は短いですが傾斜が急でキツイです。バスで行かれる年配の団体さんもここを登られるのですよね。ご注意ください。

石段を登り切ると、最後は車道に出ます。

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※車道との合流地点
上の写真で奥に見えるカーブを曲がると商店があり、その向かいが山門になります。

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※山門

15時39分、28番札所大日寺に到着です。3か寺ある大日寺の最後のお寺になります。山門からまた石段を登っていくと伽藍の中心部の広いところに出ます。手水舎の近くに休憩所のようなものがあり、そこで服装を整えました。

境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*1をご覧ください。

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※本堂

私が境内に入ったときは、どなたもおられませんでした。静かに参拝できます。

まずは本堂納経しました。この後、40歳前後の眼鏡の女性が参拝に来られました。本堂内陣に入れるのですが、中で正座してかなり熱心に参拝しておられました。

私は脇にある大師堂へ行きます。

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※大師堂

大師堂でも納経しました。

納経所は少し離れており、中門をくぐっていかなければなりません。

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※写真の左側に納経所がある

納経所はおばさんでした。そして、先程の眼鏡の女性は納経所を回ってからまた本堂へ行かれました。何か護符などを購入されたのかもしれません。

この後、私は100メートル先にあるという奥の院に行ってみました。歩き遍路の旅ですからちょっとでも歩きたくないのですが、100メートルくらいならば行ってみようか、と思ったのです。でも、実際に歩くと100メートルは結構遠いです。

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※奥の院

弘法大師が爪で彫ったとされる爪彫薬師が祀られています。首から上の病気などにご利益があるということで、参拝者も多いそうです。

さあ、これでこの日の参拝は終了です。宿に向かいましょう。

28番札所大日寺から「野市龍河洞通」バス停まで

16時20分ごろに28番札所大日寺を出発し、「野市龍河洞通」バス停に到着したのは16時53分でした。かなりバテていたのか、Googleマップより時間がかかっています。

奥の院からは直接山門前の道路につながっています。そちらを下っていきました。ちなみに駐車場は、山門前にあります。駐車場のところにある建物はトイレのように見えるのですが、トイレではありません。トイレは納経所の隣にあります。私も奥の院に向かう前にお借りしました。

今度は石段を下らず、車道を下っていくことにしました。下りは楽なものです。県道22号線に合流するところは、かなり鋭角な入口となっています。

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※大日寺への登り口

南から来ると、右に150度くらい回転しないと登っていけません。上の写真は南から撮っています。ここで16時25分でした。

ここからはひたすら県道22号線を南下します。来たときと同じ道を通ります。ちょうどバス駐車場の向かい側、道路の西側に29番札所国分寺までの遍路道入口がありました。

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※遍路道入口

3.9kmのように見えますが、8.9kmです。「8」の数字がかすれているだけですので、ぬか喜びしないようにしましょう。

この後、歩道を歩いていてちょっと気になったので写真を撮りました。

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※宙に浮くラバーポール

ここまでが歩道でここからが溝だよ、ということを教えてくれているラバーポールですが、なぜか溝側に立っています。というか宙に浮いています。歩道の幅を最大限確保するためにこうなっているのだと思いますが、かえってギリギリすぎて危なくないんでしょうか。

また、のいち動物公園の方だと思いますが、謎の塔が建っています。

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※山上に建つ謎の塔

16時43分、創造広場アクトランド前を通過します。

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※アクトランド

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※アクトランド入口

こんな時間なのに、高校生ぐらいの息子とその母親らしき2人連れが入っていったのがいろいろと気になりました。

そこから200メートルくらい歩くと、22号線を外れて細い道を直進します。県道364号線まで南下する形です。そこまでの途中、右側にあった看板です。16時50分になっていました。

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※名倉銃砲火薬店の看板

狩猟用の銃や火薬を扱っているお店のようです。そう言えば、どこら辺だったかは忘れましたが、山の近くの田園地帯を歩いているときに時々銃砲が聞こえました。これは畑に動物が近づかないようにする威嚇射撃らしいんですが、何となく誤射されないか心配だったことを憶えています。

ようやくバス通りになっている県道364号線に出ます。例によって、「バス停どこ~」状態です。程なく、100メートルほど西側、土佐くろしお鉄道の「のいち駅」の近くに「野市龍河洞通」バス停がありました。16時53分の到着です。

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※「野市龍河洞通」バス停

次のバスは17時14分です。事前に調べていたダイヤの1番早いバスに乗れそうです。

歩きを終えて

この後、バスに乗って高知市の中心部はりまや橋周辺まで行きます。ただ、ちょっと気になったのが県道22号線に「大日寺」というバス停があったことです。もしかしてバスで大日寺まで行けたのでしょうか。

そのような疑問を抱き、すぐ近くにある「のいち駅」に行ってみました。どうやら、②北部循環線というのが「のいち駅」から「大日寺」バス停まで行っているようです。

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※「のいち駅」バス時刻表

しかし、翌日のスケジュールを考えると、私が乗ることはなさそうです。遍路道を歩くなら、ここからバスに乗り換えて大日寺方面へ戻ってもよいと思ったのですが、時間が合わないんですね。電車からバスに乗り換えて大日寺に向かわれる方はご参考にしてください。

17時17分、3分遅れでバスが来ました。バスはしばらく県道364号線を走り、とさでん交通電車軌道の「後免町駅」やJA高知病院を経由してはりまや橋まで向かいます。たっぷり、40分以上乗車しました。

また、高知東部交通のバスが「はりまや交差点」で左折するため、はりまや橋の東側のバス停に停まります。私の泊まる天然温泉 紺碧の湯 ドーミーイン高知ははりまや橋から西側にあるので、意外と距離がありました。

17時59分、「はりまや橋」バス停で下車してホテルに向かいます。一般社団法人プレスマンユニオンの「ニッポン旅マガジン」*2によれば日本三大がっかり名所の一つであるはりまや橋の横を通り、すぐ近くにあったファミリーマート高知はりまや町一丁目店で翌日のパンなどを購入しました。水も買ったので、そこそこ重たい袋を持って、さらに400メートルほど歩きます。

18時15分、この日の宿天然温泉 紺碧の湯 ドーミーイン高知に到着しました。この日から3連泊することになります。着いたときに気がついたのですが、ホテルの1階もファミリーマートでした。

1階のロビーは結構混雑していました。チェックインの手続きを済ませ、入湯料だけ別にお支払いします。確か1泊150円だったと思います。

すぐに部屋に荷物を置き、食事に出発しました。時間が遅くなればなるほどどこも混んできますので、早めに行動するに越したことはありません。

悩むのも面倒なので、ホテルのすぐ南にあったラーメン屋にしました。製麺処 蔵木です。セットはランチにしかないようだったので、単品で中華そば690円とやきめし(中)500円を頼みました。散々歩いた後は、中華の塩加減がめちゃくちゃおいしく感じます。あっという間に完食しました。

ドーミーインは温泉がついています。ラッキーなことに、19時ごろは温泉が空いていました。ここの温泉は洗い場も割と多く、内湯と半露天風呂もあっていいですね。しかも、風呂上がりに棒アイスを無料で食べることができます。

また、ランドリーコーナーが2フロアに分かれていて、10階は女性専用になっています。これは女性客にはうれしい配慮ではないでしょうか。

私の部屋は9階で、ありがたいことに男性が使えるランドリーコーナーは9階にありました。連泊だったのでそういう配慮をしてくださっているのかもしれません。

洗濯を済ませ、翌日の予習をします。この2日間は札所1か寺ずつでしたが、翌日は4か寺打つ予定でした。ハードな1日になりそうです。

ということで、やることを終えるとすぐに就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:1か寺

納経代:300円

大師納経代:300円

宿情報

天然温泉 紺碧の湯 ドーミーイン高知

禁煙ウィークリーシングルルーム(※連泊割)

宿泊費:5,391円

室内に冷蔵庫・シャワー・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉

洗濯機・乾燥機あり(7台。うち3台は女性専用)

洗濯機無料。乾燥機300円(20分100円)

アクセス:バス停から約2分

コンビニ:1階に併設

フロントの対応は普通。設備は整っているが、料金はやや高めか

バス情報

行き:高知東部交通バス 「安芸市役所前」~「大山岬」 400円

帰り:高知東部交通バス 「野市龍河洞通」~「はりまや橋」 540円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:5,172kcal

距離  :37.6km

歩数  :54,324歩

スマホアプリ

歩数  :55,122歩

 

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最終更新:2021.11.3