西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 17日目(2021.8.6) 美馬旅館はなれ 木のホテル~「入野駅」バス停

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「入野駅」バス停

この日からまた2日間、札所のないただの移動日となります。高知県はとにかく横に長く、札所間の距離が長いところが多いです。「修行の道場」に入ってから9日目、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、17日目のレポートです!

歩き遍路 17日目 美馬旅館はなれ 木のホテルから「入野駅」バス停まで

歩き遍路17日目、8月6日(金)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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ここまではほとんど雨が降らず、天気には恵まれた旅でしたが、この日は午後から天気が崩れるという予報でした。しかも札所のない移動日ですので、変化もないうえに雨とは、何ともイヤな感じです。

とりあえず少しでも早くゴールに着こうということで、いつもどおりに5時に起床します。前日にみやたエイト窪川店で購入した朝食を食べ、準備を整えました。

美馬旅館はなれ 木のホテルから「入野駅」バス停まで

美馬旅館はなれ 木のホテルを7時ごろに出発し、「入野駅」バス停には15時15分に到着しました。Googleマップより50分ほど時間がかかっていますが、37kmだと普通は9時間かかる距離です。8時間ちょっとで到達しているというのは、なかなか速いペースだと思います。

7時にチェックアウトしようと、荷物を持って美馬旅館の方にあるフロントに行きました。木のホテルの食堂がありますので、中に入ると朝食を食べておられる方もいらっしゃいました。私も係の女性から「朝食ですか?」と聞かれましたが、チェックアウトである旨を伝えます。すると、前日にチェックインしたときに対応してくださった女性が出てこられ、手続きをしてくださいました。

また、荷物の発送の手続きをやっていただきました。朝の忙しい時間帯に申し訳ないです。私の荷物は、100センチと120センチの微妙な大きさなのですが、ここでは100センチと計測してくださいました。これで料金が220円変わってきますので、ありがたいです。

実は午後から雨模様ということもあり、カッパ(※レインポンチョ)をリュックの中に入れており、代わりにクーラーバッグを発送する荷物に入れていました。予報では気温も低めだったので、クーラーバッグなしで過ごすことにしたのですが、どうなることでしょう。

さて、無事にチェックアウトの手続きも終え、出発します。まずは美馬旅館本館の前を通る国道381号線を東に向かいました。350メートルほど進んだところにJAエナジー高知窪川給油所があります。その交差点を南に折れました。

すぐに南東に向かう道に出るので、左に曲がります。そこから国道56号線まで直進です。この道沿いに、前日に37番札所岩本寺で見たポップアートと同じタッチのストリートアートを見つけました。7時11分です。

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※SHIMASAKIの倉庫

作者はSHETAという方です。前日にはご紹介しなかったのですが、ここでちょっとSHETAさんのことを紹介しておきましょう。

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※SHETA氏の紹介パネル

SHETAさんは湘南出身のアーティストで、FILAやCOACHといった世界的なブランドや、STAR WARSとのコラボ作品なども手掛けておられるそうです。上の倉庫のような壁面を彩るミューラルアートの作品も多数作られたそうです。

実は岩本寺山門にもSHETAさんの作品が描かれていました。

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※岩本寺山門(右側)

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※岩本寺山門(左側)

また、ベンチにも描かれていました。

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※岩本寺のベンチ

ちなみに私がこの日宿泊したのは、このベンチを提供している新ロイヤルホテル四万十でした。

こういう作品をお寺に置くというのは、賛否両論あるように思います。伝統あるお寺に、あのようなポップな作品を描くとは怪しからんという方もいらっしゃるでしょう。実際、私も前日に訪れてみて戸惑いを覚えたことも事実です。しかし、お寺の歴史を考えてみてもつねに新しい様式、新しい造形を取り入れてきていたわけですから、現代アートを入れることを一概に間違いとすることはできないと思います。

ただ、個人的な感想としてはお寺に「侘び」「寂び」を求めているので、ちょっと違和感を覚えます。賛成、反対、どちらの立場もあっていいのです。押しつけない限りは。

さて、話がだいぶ逸れてしまいましたが、旅の方に戻りましょう。この道を450メートルほど進むと国道56号線に合流するのですが、その手前に水車がありました。

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※謎の水車

これは上の写真の電柱に書いてあるとおり、四万十郷 水車亭というお菓子屋さんのモニュメントでした。

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※道標

また、この水車亭の敷地の端には四国八十八ヶ所の道標もありました。弘法大師像も建てられています。ここで7時17分でした。

ここからほどなく、国道56号線に合流です。前日につづきこの日も基本的に国道56号線をひたすら歩いていくことになります。

歩道は最初右側にありましたが、やがて左側に変わりました。そして例によって案内標識が登場しました。7時41分です。

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※松山まで225kmの案内標識

前日の同じ時刻のころには松山まで256kmのところを歩いていました。岩本寺へ行くために少し国道を外れたとはいえ、31km進んできたことになります。

19分後、「峰ノ上峠」というバス停前を通過します。

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※「峰ノ上峠」バス停

四万十交通というバス会社ですね。このバス停から登山道に入っていけるようです。

1分後、国道における峠に到着しました。

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※峰ノ上

標高290メートルということですが、そもそも窪川は標高230メートルの高南台地に位置しています*1ので、めちゃくちゃ登ってきた、というわけではありません。前日の七子峠のときはかなり登ってきたなあ、という感じでしたが。

さらに進むこと9分、お馴染みの歩き遍路の案内標識も出てきました。しかし、気をつかっているのか距離は表示されていませんでした。

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※金剛福寺への案内標識 左の黒いものは私の指

38番札所金剛福寺までは、まだ80kmくらいあるはずです。

8時14分、次の「峰ノ上」バス停に到着です。ここで左側に渡らないといけないようです。

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※「峰ノ上」バス停

まったく憶えていないのですが、写真をよく見ると信号機は死んでいますね。電気が来ていないのでしょうか。

2分ほど歩いていくと前で道がカーブしています。どうやらこの先、右側の歩道がなくなるようです。左側に渡っておいて正解でした。

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※「峰ノ上」バス停からしばらく歩いた国道56号線

ところが、左側も歩道はなくなり、歩道の代わりのグリーンベルトになってしまいました。まあ、何もないよりはマシですが。ちなみに上の温度表示が、28℃になっています。涼しいですねえ。少し標高があるということと、天気が曇っているということの相乗効果でしょう。

8時20分、松山まで222km、四万十まで40kmの案内標識が出てきました。

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※松山まで222kmの案内標識

2分後、カーブの先にユニークな交通標語の看板が出てきました。

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※交通標語の看板

「活かせブレーキ 殺せスピード」と書いてあります。うーん、「活かせブレーキ」はともかくとして、「殺せ」というのはちょっといただけませんね。もうちょっと穏当な表現の方がいいと思います。

ここから道は大きく東へと蛇行し、2km以上進む必要があります。山越えでも直線ルートがあれば相当距離は縮まると思うのですが、残念ながらそのようなルートは見つけられませんでした。

しかし、四国遍路聖地巡礼のマップ*2だと山越えらしき直線ルートが通っていますので、どうやら私が見つけられなかっただけのようです。

マップをよく見ると、そもそもここまでのルートもどうやら異なっているようです。窪川運動場の辺りから国道56号線の1本東の道を通るのが正しい遍路道のようでした。

まあ、私は我が道を行き、国道をひたすら進みます。ここからは、トンネル3連発です。まずは片坂第一トンネルです。8時28分でした。

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※片坂第一トンネル

片坂第一トンネルに関しては正確な開通情報が分かりませんが、長さは80メートルあります。歩道の幅は極狭で危険なトンネルですが、距離が短いだけ助かります。

つづけて片坂第二トンネルです。8時30分でした。

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※片坂第二トンネル

片坂第二トンネルに関しても正確な開通情報が分かりませんが、長さは130メートルあります。歩道の幅はやはり極狭で距離も長くなり、第一トンネルよりも危険なトンネルです。

第二トンネルから600メートルほど空けて、片坂第三トンネルです。時刻は8時39分でした。

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※片坂第三トンネル

片坂第三トンネルは1971年2月の開通で、長さは62メートルあります。歩道の幅はやはり極狭ですが、距離が最も短いので、三つのトンネルのなかでは一番安全なトンネルです。

片坂第三トンネルを抜けると、道はヘアピンカーブを描いて、西の方へ戻っていきます。やがて市野瀬の集落に到着しますが、私はとにかくこのまま国道56号線を進んでいきました。

上橘川」というバス停の近くに、個人でやっておられるお遍路お接待所がありました。中からお父さんが声をかけてくださったので、休ませていただくことにしました。9時10分ごろでした。

この辺は国道56号線が遍路道になっているようです。お父さんのお話では、前日も2人歩き遍路の方が通ったそうです。

お接待用の冷蔵庫を外に置いておられ、好きなものを飲んでいいよと言ってくださいました。麦茶を取り出し、あわせてテーブルの上にあったビスケットもいただきました。これらはすべて個人のお金で出しておられるそうです。ありがたさに頭が下がります。

あんまり山道を歩きたくない、という話をしていると、やはり危険であるということを教えてくださいました。私が「熊よりも蜂の方が怖い」と言うと、熊は剣山より東側にしかいないから大丈夫な一方で、この時期はすでに蜂のシーズンに入っている、とのことでした。

やはり日本の野生動物で人間にとって最も怖ろしい動物は、スズメバチであるようです。とにかく安全第一で進むことにしました。

お宿のことを聞かれたので、はばかられましたが新ロイヤルホテル四万十に泊まることを伝えました。いいホテルなので、貴族遍路みたいに思われそうでちょっと言いにくかったですね。

「あそこは小さなモンベルがあるよね」とお父さんがおっしゃってくださいましたが、それは私にとっても狙いの一つだったのです。

実はこの旅でかなり悩んだ末に半ズボンを持ってこなかったのですが、ホテルの寝間着が作務衣ではなく浴衣の場合、お腹が冷えて調子が悪くなる原因になっていました。そこで、浴衣の下にはける半ズボンでいいのがあれば買おうと思っていたのです。モンベルなら、薄手でかさばらない半ズボンが売ってそうです。

10分ほど休ませていただき、お別れを言って出発しました。私も老後は、このお父さんのように人の役に立つことをやりたいものです。

ここからもひたすら国道56号線を進んでいきます。2.4kmほど先で国道56号線と高知自動車道が交わるところがあります。いったん高速道路はここまでで、さらに西に行くと四万十市の中心部中村と宿毛市を結ぶ中村宿毛道路がありますが、まだそこまでつながっていません。将来的にはそこまでつながるのでしょうが、まだ間が30km以上空いています。

この黒潮拳ノ川ICのところに、ヘンロ小屋や土佐佐賀温泉こぶしのさとがありました。9時44分です。

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※黒潮拳ノ川IC

写真の右側がヘンロ小屋などがあるエリアです。この辺りは工事を行っていて、ガードマンの人がいらっしゃいました。

国道はこの後も伊与木川に沿って蛇行しながら南下していきます。1.8kmほど先には文殊堂というお堂がありました。10時11分です。

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※文殊堂説明板

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※文殊堂

上に見えるのが文殊堂なのでしょう。建物の手前に絵馬らしきものがいっぱい掲げられています。試験の合格などを祈っているのでしょう。

残念ながら歩き遍路の私にはそこまで登っていく余力はありません。先へ進みます。

10時36分には、四万十まで30kmの案内標識が出てきました。10kmを2時間16分で進んでいます。なかなかのペースですね。

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※四万十まで30kmの案内標識

12分後、さらに1km進みました。

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※四万十まで29kmの案内標識

上の写真の辺りではほぼ西に向かっていた国道56号線は、この後大きく曲がって南に向かっていきます。650メートルほど進むと、熊野権現橋を渡っていったん伊与木川を横断することになります。

熊野権現橋の手前には、熊野神社がありました。11時ちょうどになっています。

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※熊野神社鳥居

石碑には「伊與喜郷総鎮守 熊野神社」と書いてありました。熊野信仰はこの辺にもあるんですね。

熊野権現橋を渡ってしばらく歩くと、蛇行している伊与木川をもう一度渡ることになります。海棠かいどうを渡ります。その手前に、黒潮町の高い看板がありました。

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※黒潮町の看板

「カツオのまち きのこのさと」と書いてあります。「きのこの山」と書くといろいろまずいので、「きのこのさと」となっているのでしょう。しかしカツオという豪華食材とのギャップがすごいですね。

海棠橋を渡ってから500メートルほど進むと、国道の左側に何基か固まってお墓がありました。そこでお墓参りをしていたらしきおばさんが、「お遍路さーん、待ってくださーい」と声をかけてくださいました。何と、わざわざ走って道路を渡ってこられ、ぶどうジュースの缶をくださったのです。いやあ、本当にいろんな方にお世話になりました!

この日は朝からお接待がつづき、とてもうれしい気持ちで歩くことができました。1.7kmほどを元気よく歩き、道の駅 なぶら土佐佐賀に到着です。11時20分ごろだったでしょうか。

この道の駅は前年に車でお遍路をした際にも寄ったところです。確かアイスを食べたように思うのですが、今回はお腹の調子のことを考え、食べませんでした。しかし、15分ほど休憩しました。トイレもお借りします。

11時35分ごろ、出発しました。

出発してすぐの国道の左側に、昔話の説明板がありました。

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※「衰(水)神坂」の昔むかしのお話の説明板

ものすごくかいつまんで記しますと、悪い山伏を伊与木川右岸の住人修験者大先達の大谷某が懲らしめるというお話です。

600メートルほど歩くと、左手に「土佐佐賀駅」が見えてきました。

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※「土佐佐賀駅」遠景

実はJRではなく、土佐くろしお鉄道の路線なんですね。特急が停まる駅とは思えない寂しさですが、1時間に1本あるかないかですから、仕方がないですね。

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※「土佐佐賀駅」

私が歩いていたこの時は、駅に人影は見当たりませんでした。

土佐佐賀駅」から350メートルほど歩くと横浜トンネルです。トンネル情報の掲示板で工事中と書いてあったので通れるのかどうかちょっと不安でした。ここで11時50分です。

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※横浜トンネル

横浜トンネルは2002年4月の開通で、長さは624メートルもあります。歩道の幅は普通ですが、ラバーポールが立てられているので、安全に通行できます。

なお、このころ工事をしていたようですが、歩行者は問題なく通ることができました。

トンネルを抜けると左側にすぐ海が見えます。前日に安和海岸で海を見て以来の、久しぶりの海です。12時2分になっていました。

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※鹿島ヶ浦と鹿島

鹿島ヶ浦というちょっとした湾のようになっていて、鹿島かしまというかわいらしい島があります。左奥は漁港になっていて、手前は砂浜が広がっていました。天気がどんよりしているのが残念ですね。

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※鹿島自然環境保全地域標識

どうやら自然環境の保全地域にもなっているようです。

また、鹿島の方だけでなくここから南の海岸もキレイに整備されていました。

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※土佐西南大規模公園 佐賀地区

土佐西南大規模公園として整備されているようです。それにしても国民休暇村ならぬ国民休暇県とは、なかなかおしゃれなネーミングですね。

7分ほど歩いてもまだ公園はつづいていました。そして、四万十まで22kmとなりました。

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※四万十まで22kmの案内標識

交差点のすぐ右側が「佐賀公園駅」です。ここからもう少し先に、公園の敷地の終わりのまとまった園地がありました。

いよいよ足摺岬が見えてきたか?と思い、写真を撮りました。12時20分です。

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※足摺岬?

何となく違うようにも思いますが、真偽のほどは分かりません。

さらに30分ほど国道を進みます。白浜海岸を過ぎると国道は土佐くろしお鉄道と別れてしまいました。白浜海岸から1kmほど進んだところに、また案内標識がありました。

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※四万十まで19kmの案内標識

そしてこの辺でちょっと困ったことが起こっていました。実は飲み物が乏しくなっていたのですね。この日はクーラーバッグを持ってきていないので、飲み物は余分に持っていません。リュックの横のポケットに入れているペットボトルだけが頼りという状態でした。

そしてこの辺の道は、歩道が左側にあるにも関わらず、左側には自動販売機がまったく設置されていないのです。途中、右側には時々自動販売機が現れるのですが、ご覧のように安全のため歩道には柵がしてあります。また、交通量も結構多いので、とても右側に渡ることはできませんでした。

というわけで、飲み物が枯渇寸前になりながら歩いていきます。曇っていて気温が低いのがせめてもの幸いでした。

この後、国道56号線は井ノ岬の途中で西へと進路を変えます。そしてこのカーブの手前で歩道はなくなり、右側にグリーンベルトが出てきました。今まで散々自動販売機のない左側を歩かせておいて、急に無慈悲に右側を歩かせるわけです。

カーブから500メートルほど進むと、井の岬トンネルが出てきました。ここで13時13分です。

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※井の岬トンネル

井の岬トンネルは1969年3月の開通で、長さは320メートルあります。歩道の幅は極狭で柵もありませんので、危険なトンネルです。

トンネルを出ると国道は北西方向に向かって伸びていきます。1kmほど進むと、次の伊田トンネルです。時刻は13時30分になっていました。

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※伊田トンネル

伊田トンネルは1968年10月の開通で、長さは172メートルあります。やはり歩道は極狭で危険なトンネルですが、短い分だけ井の岬トンネルよりはマシです。

トンネルを抜けると、国道は蛇行しながらもおおむね西の方へと向かっていきます。伊田の集落、上川口の集落と過ぎていきました。左側に海を見ながら、進んでいく感じです。

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※奥に見えるのは今度こそ足摺岬か

奥にぼんやりと見えるのが足摺岬でしょうか。まだまだ遠いなあ、という感じですね。

14時12分、「海の王迎おうむかえ」の下を通過します。

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※「海の王迎駅」入口

とても立派な名前ですが、何でも後醍醐天皇の皇子である尊良親王が流刑されたことに因んでいるそうです。

入口のところの街灯の柱に、38番札所金剛福寺への案内標識がありました。

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※金剛福寺への案内標識

あと5.4kmだったらうれしいのですが、何とまだ54km残っています。遠っ!

この日は天気が結構荒れていて、海沿いはかなり風が強く、歩くのも大変でした。

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※海の様子

この後、正確な時間は分かりませんが、おそらく14時30分を過ぎてから道の駅ビオスおおがたに到着しました。トイレをお借りし、飲み物も補充します。おそらくここまでに1回は飲み物の補充をしていると思いますが、ちょっと憶えていません。

この道の駅からは国道を外れ、南西方向へと向かっていきます。そちらは土佐西南大規模公園 大方地区となっています。また、入野海岸の松原も広がっています。

まずは吹上川の北側を南西へと進みます。14時45分でした。

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※吹上川沿いの道

私が進んでいくとバッタがたくさん飛んで逃げるのですが、私の進行方向に逃げるので、何度も追い立てるような形になってしまいました。バッタくんよ、スマン。

上の写真で奥に見える橋を渡ると、入野松原です。最初の方はキャンプ場になっていて、結構キャンプをしている方がいらっしゃいました。野球場の北側を通って北西方面へと進みます。土佐くろしお鉄道の方へと向かっていく感じです。ここで15時2分でした。

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※入野松原の林道

意外と林が深かったですね。

この辺りでゴールが見えてきたので、バスのことを考え始めます。事前に調べていたダイヤでは、17時42分発がありました。しかし、このペースならば15時30分までには余裕で「入野駅」バス停に到着できそうです。15時台、もしくは16時台のバスに乗れたらラッキーですね。1分1秒でも早くホテルに着いた方が、あとあと楽になりますので。

この後、道路は土佐くろしお鉄道の線路を高架で越えていくのですが、私は線路を越えずに脇道に入ります。土佐くろしお鉄道の南東側を並走していく感じです。

450メートルほど進んだら右折して、今度は踏切を渡ります。15時12分でした。

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※入野踏切

渡ったらすぐに左に曲がり、「土佐入野駅」を目指します。160メートルほどで、「土佐入野駅」前のロータリーに到着しました。例によって、バス停を探します。

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※「土佐入野駅」前ロータリー

よく見ると、バス停がありました。時刻表もあります。現在15時15分ですが、15時台か16時台のバスはあるのでしょうか……。

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※「入野駅」バス停時刻表

ない!! というより、めちゃくちゃ偏ったダイヤです。14時台、15時台、16時台には1本もバスがありません! 昼食も食べずに休まずに来たのに、まったくの無駄でした!

軽く絶望を覚えながらベンチに腰掛けます。35kmを超える道のりを、せっかく15時台に到着したのに……。あとはバスさえあれば……。とにかく、頭と気持ちの整理も必要なので、少し休憩することにしました。

歩きを終えて

休憩し始めてから割とすぐに、雨が降り始めました。まあそういう意味では、急いでやって来て正解だったわけです。しかしこの後2時間半もバスを待たなければいけません。

とりあえず16時までは休憩することにしました。雨は強くなる一方です。

16時を過ぎて体力が回復したので、昼食を食べることにしました。お店はちょこちょこあるのですが、16時という中途半端な時間です。開いてないところが多そうでした。

仕方なく、コンビニで済ませることにします。折りたたみ傘を取り出し、駅から200メートルほどのところにある、ローソン黒潮入野店を目指します。

とその前に、ほぼ同じ敷地にあるmac黒潮店でトイレに行っておきます。また、お腹の調子が悪くなることが多いので、ストッパを購入しておきました。

2時間後くらいには夕食を食べることになることも考え、昼食は軽めのオムソバにしておきました。店内のイートインスペースで食べれるのですが、ゲームをやっているだけの女子中学生が席を占拠していて、端っこのトイレに近いところで食べる羽目になってしまいました。

さて、腹ごしらえも済んだのでバス停に戻ります。バス停の裏側に、ちょっと気になるものがあったので写真に撮っておきました。

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※白いポスト

「子どもたちに見せたくない(?)やビデオ(?)DVDなどを入れてください」と書いてあります。要するに、18禁のものを入れてください、ということなのでしょう。入れた後はどうなるのでしょう? 少年補導育成センターで有効利用してくださる、ということなのでしょうか。

この後、雨風が強くなってきたので、駅の方に避難しました。駅舎には改札などがないため、誰でも中に入ることができます。一応、トイレもあります。

それにしても、2時間半も待つのは大変じゃないか、と思っていたのですが、意外と何やかやで、時間は過ぎていきました。ちゃんと座ることができる環境だったので、助かりました。今まではベンチのないバス停で待つことも結構多かったですからね。

ということで17時42分、無事にバスが到着しました。私より後にやって来られたおばあさんがおられ、私より先に乗り込まれました。

バスは30分ほどかけて、中村の市街地へと向かっていきます。私が泊まる新ロイヤルホテル四万十は四万十市役所より西側にあるので、運転手さんに市役所に一番近いバス停を尋ねました。すると、やはり事前に私がリサーチしていた「大橋通六丁目」バス停が一番近いようです。そこで降りました。

ただ、バス停からホテルまでは歩いて650メートルほど距離があります。雨の中、18時30分ごろようやく新ロイヤルホテル四万十に到着しました。

チェックインを済ませ、部屋へと向かいます。1階に、行ってみようと思っていたモンベルの小さなお店があります。何時までかな~と気にしつつも、とりあえずまずは部屋に入りました。

部屋で少し荷物の整理などをし、まずは食事の心配です。前年にこのホテルに泊まった際は、1階のレストランで四万十ポークカツレツのようなものを食べたように思うのですが、昼食も遅かったこの日はそこまでの気持ちにはなれませんでした。しかも、その時ウェイター側の対応が悪くてドリンク(※ホットコーヒーなどがついている)を飲み損ねていたんですよね。ということで、レストランはパスです。

で結局、商店街にあるローソン中村天神橋店で買うことになりました。ちょっと何を買ったのか憶えていないうえにメモもないのですが、肉が食べられるお弁当を食べたのだと思います。

その後は、お風呂です。確かお風呂は時間制になっていて、何時から何時が男性、何時から何時は女性というようになっていました。それゆえ、もしかするとお風呂に入ってから夕食を食べたのかもしれません。とにかく、慌ただしい時間でした。

そして、気がついたときにはすでにモンベルは閉まっていました! うーん、残念ですが仕方ありません。

新ロイヤルホテル四万十にはコインランドリーはありませんので、この日は洗濯・乾燥はなしです。その点はちょっと楽だったのですが、グレードの高いホテルにはやはりコインランドリーはありませんね。

翌朝は「入野駅」に行くバスの始発が8時23分です。そんなに早く起きなくても大丈夫ですが、まあやることもそんなにないので早めに就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:なし

納経代:0円

大師納経代:0円

宿情報

新ロイヤルホテル四万十

シングル(禁煙)

宿泊費:7,100円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉。男女別時間制

洗濯機・乾燥機なし

アクセス:「大橋通六丁目」バス停から徒歩8分

コンビニ:徒歩2分

フロントの対応は普通。立派なホテルだが、大浴場が時間制というのがいただけない

バス情報

行き:なし

帰り:高知西南交通バス 「入野駅」~「大橋通六丁目」 400円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:5,364kcal

距離  :39.0km

歩数  :56,322歩

スマホアプリ

歩数  :57,995歩

 

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最終更新:2021.12.12