西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 21日目(2021.8.10) 40番札所 「寺山口」バス停~「菊川」バス停

f:id:nanbo-takayama:20211224082246j:plain

40番観自在寺

幸いなことに台風の影響も大きくはならず、前々日、前日ともにほぼ予定どおりに日程を消化してきました。ついに愛媛県に入り後半戦に突入する、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、21日目のレポートです!

歩き遍路 21日目 「寺山口」バス停から「菊川」バス停まで

歩き遍路21日目、8月10日(火)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

f:id:nanbo-takayama:20211224083020j:plain

前日は出発時間など、台風の影響を受けて予定変更を余儀なくされましたが、何とかリカバリーして予定していた行程を済ませることができました。この日は朝から予定どおりの行軍です。そしてついに、12泊した高知県を離れ、愛媛県に入ることになります。

6時台のバスに乗るということと、荷物をコンビニから発送することを見越して、この日は4時30分に起床しました。朝食は、ホテルでもらったどん兵衛のカップ麺と、あと何かお菓子をつまんだと思います。まあ前日の記事でランドリーに関して厳しいことも書きましたが、その件以外に関しては、ホテルアバン宿毛はいいホテルだったと思います。キレイでしたし。

「寺山口」バス停から40番札所観自在寺まで

7時15分ごろに「寺山口」バス停を出発して、40番札所観自在寺に到着したのは13時9分でした。5時間54分かかっていますので、Googleマップよりも30分多く時間がかかっています。しかし山を越えて26km以上歩いているのですから、むしろ速いのではないでしょうか。

6時15分にホテルをチェックアウトし、まずはファミリーマート宿毛バイパス店で荷物を送る手配をしました。さらに、必要な物資を購入します。ただ、ここでは欲しいものがすべてそろわず、ここから北西に160メートルほどのところにあるローソン宿毛バイパス店にも寄りました。ローソンの方がバス停には近く、バス停まで西に170メートルほどです。

私がローソンから出てくると、おじさんのお遍路さんが歩いておられました。お互いに挨拶をしましたが、お話する間もなく行ってしまわれます。おじさんは東に向かって歩いていかれましたので、逆打ちのお遍路さんだったのかもしれません。

寺山口」に向かうバスでこの方を私は追い越し、そして歩き始めてからまた遭遇したのですが、遭遇したときには何となく別人だったような気がしました。しかし、逆打ち遍路の人がそんなにたくさんいるとは思えませんので、おそらく同じ方だったのだと思いますが。

6時38分には、「幡多信宿毛西支店前」バス停に到着しました。バス到着まではまだ20分もあります。ぼーっと待っていますと、犬の散歩をしておられるおばさんがいらっしゃいました。犬を見ていると心が癒されます。世の中には犬好きの方と猫好きの方とがいらっしゃいますが、私は断然、犬派です。

6時58分、バスがやって来ました。乗り込みます。2~3名乗っておられたでしょうか。バスは15分ほどで「寺山口」バス停に到着しました。

寺山口」バス停の東向きは、西向きのバス停よりも50メートルほど東にあります。ということは、この日の行程は50メートル余計に歩かないといけない、ということですね。バス停を降りて西に向かい始めると、すぐに39番札所延光寺への登り口が出てきました。

f:id:nanbo-takayama:20211225094204j:plain

※延光寺への登り口

ここで7時13分でした。荷物を整理し、出発します。国道56号線をとりあえず宿毛方面に戻っていく形です。歩道は北側にあるので、北側を西に向けて歩いていきました。

ところが、「東押ノ川」バス停辺りで歩道がなくなってしまいました。その後数十メートルは何もないところを歩くことになりました。程なく北側にグリーンベルトが現れましたが、まあ何もないよりはマシという程度です。

7時28分、押ノ川神社の前を通過します。

f:id:nanbo-takayama:20211225094908j:plain

※押ノ川神社鳥居

神社から500メートルほど進むと、「聖ヶ丘病院前」バス停です。ベンチがあったので、そこでタオルや首に巻くスカーフのようなものを冷水に濡らしました。これがあるのとないのとでは、全然違います。

おそらくこの後だったと思いますが、出発前にローソンの前でお会いした逆打ちお遍路さんとすれ違いました。この方、野宿お遍路さんのようで、結構な荷物をお持ちです。歩くのもかなり速かったですね。

聖ヶ丘病院前」バス停から1.3kmほど進んだところに「小森」というバス停がありますが、この東向きバス停のちょっと手前に左に入っていく道があります。Googleマップを俯瞰して見ていると、こちらに行く方がショートカットできそうだと思い、そちらに進むことにしました。

左に入って70~80メートルほど進むと、宿毛市立墓地公園を示す案内標識が出てきます。案内標識に従って、右に進みましょう。

ところがここは道は細いし登っていくしで、ちょっと失敗でした。4トンくらいのトラックが来たので、端っこに寄って行き過ぎるのを待たないといけないくらい細い道です。

この後、道は緩やかに下っていき、沖沢商店のところで国道56号線に合流しました。ここで北側に渡ります。せっかく合流したのに、150メートルほど歩くと再度国道56号線を離れることになります。

おそらく旧道だと思うのですが、県道4号宿毛津島線に入ります。1kmほど歩き、宿毛大橋の手前に出ました。8時19分です。

f:id:nanbo-takayama:20211225101123j:plain

※宿毛大橋の手前

上の写真だと左の電柱にある案内標識が、林邸は右というように書いてありますが、橋を渡ってから右が正解だと思います。ちょっと紛らわしいですね。

f:id:nanbo-takayama:20211225101317j:plain

※宿毛大橋から下流を望む

奥に見えているのは、国道56号線宿毛バイパスの橋です。

f:id:nanbo-takayama:20211225101452j:plain

※宿毛大橋から上流を望む

奥に見えるのは、松田川河戸堰です。水位を調節する水門なのでしょう。

Googleマップだと橋を渡ってすぐの交差点にはお遍路休憩所がありますが、私は気づかずに通り過ぎてしまったようです。

この後、県道4号線はJA関係の施設が並んでいる付近で大きくカーブを描き、北西方向へと針路を変えます。そして、この辺から高校生らしき男女の姿がちらほら見られるようになりました。

途中、ローソン宿毛中央七丁目店でトイレをお借りしました。飲み物も購入したと思います。

ローソンから450メートルほど進んだところに、聖神社がありました。ここで8時41分です。

f:id:nanbo-takayama:20211225102235j:plain

※聖神社

隣のピンクの建物は美容院で、その手前が高知県立宿毛高等学校でした。途中で見た高校生はみな、ここの生徒だったのですね。

聖神社から500メートルほどで、再び国道56号線に合流しました。この日は基本的にこの国道56号線に沿って進んでいくことになります。

国道56号線に合流して500メートルほど進むと、宿毛トンネルが現れました。

f:id:nanbo-takayama:20211225102736j:plain

※宿毛トンネル

宿毛トンネルは1971年11月の完成で、長さは256.7メートルあります。上の写真の案内標識とはちょっと数値が異なっていますね。歩道は極狭で、交通量も多いので危険なトンネルです。

なお、私はこうして国道56号線を通っていますが、四国遍路聖地巡礼のマップ*1によれば、私が立ち寄ったローソン宿毛中央七丁目店から西に進み、松尾峠を越えていくのが正しいルートのようです。ただ、一本松の町はずれで結局国道56号線と合流しますので、そんなに気にしなくてもいいかもしれません。

2日後に42番札所佛木寺で出会うKさんは、この松尾峠を越えてきたとおっしゃってましたが、結構道が荒れていたそうです。台風の影響もありますし、お遍路が少ないので整備が行き届いていないというのもありますし、山道をできるだけ避けたのはやはり正解だったようです。

9時5分、野地の集落の外れにある神社前を通過しました。野地神社だと思うのですが、鳥居の扁額の一文字目がちょっと読めないので、確証はありません。

f:id:nanbo-takayama:20211225104733j:plain

※野地神社?

「野」ではなく「埜」の可能性もありますが、ちょっと分からないですね。まあ、野地の集落にあるので、野地神社でいいと思います。

この後、3.7kmほど国道56号線を進んでいきます。国道は篠川に沿って無駄に蛇行していきますので、歩き遍路にとってはただ距離が延びることになります。「小川」というバス停を過ぎてすぐのところに、小川番所跡という石碑がありました。9時53分でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225105645j:plain

※小川番所跡の石碑

写真を撮ろうか撮るまいか悩んだ末に撮りましたので、中途半端な変な写真になっています。

あと1km足らずで県境、つまり昔の国境となりますので、それで番所が建てられていたのでしょう。いよいよ伊予の国、愛媛県が近づいてきました。洒落ではなく。

10時4分、正木トンネルの手前で愛媛県に入ります。ようやく半分終わったなあ、というところでしょうか。

f:id:nanbo-takayama:20211225105934j:plain

※正木トンネル

正木トンネルは2006年3月の完成で、長さは226メートルあります。歩道の幅は広く、柵はありませんが安全に通行できます。

正木トンネルを抜けて200メートルほど進むと、すぐに次のトンネルです。一本松ずい道です。ここで10時10分でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225140840j:plain

※一本松ずい道

一本松ずい道は1972年3月の完成で、長さは395メートルあります。歩道は極狭で、危険なトンネルです。

トンネルを出てから1.7kmほど進んだところで、道がおかしくなっています。いや、正確には道ではなくGoogleマップがおかしいのです。

Googleマップでは分岐点の左に進む道を国道56号線としていますが、実際にはそちらにはまだ道はありませんでした。工事をしていたのかもしれませんが、ちょっと記憶が定かではありません。

それではっきりしていることは、私がそのまま分岐点の右を進み、「増田」というバス停に10時25分ごろにたどり着いたということです。「壊れかけのRadio」ならぬ壊れかけのBenchがあったので休憩させてもらいました。冷水でタオルやスカーフを濡らします。

この辺のバス停はすべて宇和島自動車のバス停で、宇和島と宿毛の間を往復する便が走っています。宇和島・宿毛間は鉄道も存在しないため、バスの本数はそこそこあります。快速のような便もあり、この辺の人々がかなり利用されているようです。

バス停の向かいには、武田商店という昔ながらの万よろず屋的店舗が建っていました。元祖和製コンビニエンスストアですね。お昼を買いに来ていた方もいらっしゃったように思います。

10分弱休憩して出発しました。「増田」バス停から1.5kmほど進んだところで、一本松の集落の中心部に近づいてきました。また分岐点があり、右が国道、左が旧道になっています。国道は住宅地を避けて迂回するような形になっているので、ここは旧道を直進しました。若干登って下ったように思います。

1kmくらいで国道56号線に再合流しました。合流地点から450メートルほどで、また分岐点があります。右が国道56号線ですが、左の旧道のような道を通ることもできます。距離的には、国道の方が短そうでした。

f:id:nanbo-takayama:20211225143316j:plain

※国道との分岐点

ここは楽をすることを考えて、直進しました。距離は短いにこしたことはないですからね。上の写真で11時23分です。

四国遍路聖地巡礼のマップ*2でも、この辺は国道56号線が遍路道の一つになっています。もう1本の道は、県道299号線を通るルートですが、かなり蛇行しているのでおそらく距離が長いでしょう。

ということで、やはり国道56号線をひたすら進む感じですね。

12時6分、宇和島まで47kmの案内標識が出てきました。

f:id:nanbo-takayama:20211225152836j:plain

※宇和島まで47kmの案内標識

それにしても、松山まではまだ140kmですか……。さすがに遠いですね。

上の写真から700メートルほど進むと、蓮乗寺トンネルです。12時15分でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225153013j:plain

※蓮乗寺トンネル

蓮乗寺トンネルは1986年1月の完成で、長さは604メートルもあります。歩道はありますが、幅が狭めなので安全と言い切ることはできません。

トンネルを抜けて600メートルほど進むと、今度は右側に分岐が出てきます。直進は国道56号線、右は県道46号線です。右を通るのが観自在寺への最短距離だと思われますので、右の県道46号線に入りました。

ここでまたまた、お腹の調子が悪くなってきました。前日は何ともなかったのに、イヤな感じです。トイレのあるところまでとにかく頑張るしかないですね。

県道46号線は500メートルほど先で右に曲がっています。道なりの直進はそこから県道297号線となりました。

297号線に入って200メートルほど進むと、宇和島自動車の城辺営業所が出てきました。ちょっとしたバスターミナルのようになっていますから、トイレもあるでしょう。行ってみることにしました。

ところが、近づいてみると建物の中に結構お客さんが入っておられることが分かりました。お遍路さんがのこのことトイレだけ借りに入り、しかもなかなかトイレから出てこなかったらちょっと気まずいですよね。というわけで、ぐっとこらえて前進することにします。

城辺営業所から150メートルほど進むと、諏訪神社がありました。まだ写真を撮る余裕はあったようです。時刻は12時44分でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225154659j:plain

※諏訪神社鳥居

この辺には飲食店やフジというスーパーもありましたが、もうお寺まで一気に行ってしまうことにしました。観自在寺は山寺ではないので、トイレもそれなりのものがあるでしょう。

山寺の場合は、トイレが本当に大変なところもあります。この旅で一番ヤバイと思ったのは71番札所の弥谷寺のトイレでした。水の問題があるからか、意外と香川県のお寺のトイレがイマイチでしたね。それについてはまた後日ふれましょう。

愛媛県立南宇和高等学校の南側を通り、西へと進みます。高校から600メートルほどで、右折ポイントに到着しました。

実はこの右折ポイント、観自在寺駐車場入口と書いてあるので私も曲がったのですが、人間だけの場合、もう1本奥の道を右折すると、山門前にドンピシャで出ます。

右折して歩いていると、おばさんが挨拶をしてくれました。この辺りも皆さんフレンドリーです。

右折ポイントから100メートルほど進むと、今度は左折ポイントです。13時7分でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225155306j:plain

※観自在寺駐車場左折ポイント

左に入るとすぐに砂利道の駐車場に出ます。駐車場の奥、右側が山門でした。

f:id:nanbo-takayama:20211225155733j:plain

※山門

13時9分、観自在寺に到着です。急いでトイレを目指します。

トイレは仁王門(※山門をくぐって右の奥の方にあります。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*3をご覧ください。

トイレの外にはベンチもあり、荷物を置くことができました。また、個室も結構広めだったうえにキレイだったので、助かりました。

さて、重荷を降ろすこともできたので、参拝します。準備を整え、まずは本堂へと向かいます。境内にはいろいろ見所がありますが、その一つがこの「栄さかえかえる」でしょう。

f:id:nanbo-takayama:20211226103928j:plain

※栄かえる

由来は分かりませんが、なかなか面白いですね。

本堂は中に入ることができます。納経所も中にあるので、大師堂を参拝した後、また戻ってこないといけません。

f:id:nanbo-takayama:20211226104312j:plain

※本堂

本堂は1964年に再建されたそうですから、比較的新しい建物ですね。

大師堂は、本堂の右の奥にあります。

f:id:nanbo-takayama:20211226104443j:plain

※大師堂

大師堂回廊には、四国八十八ヶ所の霊場の砂が敷きつめられているそうです。いわゆるお砂踏みができるということですね。私はそのことを知らなかったので、納経だけ済ませて本堂に戻りました。

境内には私が来てからずっと参拝者がいませんでした。納経所は若いお坊さんでしたが、次に待っている方がいらっしゃらなかったので、ちょっと足のことを相談することにしました。

実は長らく右足の中指の爪の中が黒ずんでいて、内出血なのかカビなのか分からない状態だったのです。ずっとではないのですが、寝ている間もズキズキすることがあり、かなり心配になってきていたのですね。

この観自在寺は1番札所の霊山寺から一番遠いお寺ということですので、距離的にようやく半分を過ぎたところです。後半戦に備えて、足の状態を確認しておく必要がありました。

足のことを相談するといっても、お坊さんに相談したのは近くに外科があるかどうかです。いい外科をご存知だったら教えてもらおうと思ったわけです。

Googleマップで私も事前にいくつか調べていましたが、これといった決め手がない状態でした。見つけたところも遍路のルートを外れるところで、ちょっと躊躇していたわけです。

お坊さんは「師匠に聞いてみます」とのことで、ご住職らしき方に電話してくださったのですが、あいにく電話は通じませんでした。若いお坊さんが唯一ご存知だったのが、かんクリニックです。

お坊さんのお話ではここから西に行ったところにある八幡神社の近くにある、ということでした。Googleマップで場所を調べますと、ちょうど私の進行方向にあります。

丁重にお礼を言って、納経所を後にしました。ベンチに戻り、かんクリニックに電話をしてみます。コロナ禍で医療機関が大変な折、歩き遍路が突然行って診てもらえるかどうか分からないので、確認しようと思ったわけです。

すると、やや年齢の高そうなおじさんが電話に出られました。おそらく院長なのでしょう。事情を話すと診てもらえるということでした。一安心です。つづけて午後の診療開始時間を聞くと、14時からとのことでした。この段階で13時40分くらいでしたから、移動時間等を考慮してもちょうどいい具合ですね。

足の状況と伺う旨をお伝えして、電話を切りました。病院で診てもらうことで、足の状態について何らかの診断が下ることでしょう。場合によっては、お遍路を継続できるか中止すべきかの判断を仰ぐことになるかもしれません。あと半分というところまで来ていますので、できるならば無理をしてでも完走したいところでした。

40番札所観自在寺からホテルサンパールまで

40番札所観自在寺を13時48分ごろに出発して、ホテルサンパールには15時5分ごろに到着しました。1時間以上かかっていますが、かんクリニックで診療してもらい、ジョイフル愛媛御荘店で昼食を食べていましたので、これは仕方がないでしょう。

荷物を整理して、13時48分ごろ、出発です。山門を出て真南に進み、バス通りまで戻りました。

そこから西に500メートルほど進むと、目印で教えていただいた八幡神社がありました。ここで13時56分です。

f:id:nanbo-takayama:20211226110059j:plain

※八幡神社

この神社のところは「八幡神社前交差点」で、私が歩いてきた道と国道56号線の合流地点となっています。ここまで来ると、かんクリニックの看板が見えます。高い茶色の建物には菅外科医院と書いてありますが、奥の白い建物のところにかんクリニックと書いてあります。看板は比較的新しいです。

思うに、先代が菅外科医院を立ち上げられ、現在はかんクリニックとして他の診療も併設しているのだと思います。

ほぼ14時ちょうどにかんクリニックに到着しました。受付で電話していた件をお伝えし、保険証などをお渡しします。また、お薬手帳も見せて欲しいとのことでしたので、お薬手帳をお渡しします。リスク分散のためにお薬手帳にクレジットカードをはさんでいたので、それを取るのに少し手間取ってしまいました。最悪財布を失くしてもクレジットカードがあれば何とかなるだろうということで、そのようにしていたわけですね。

すでに何人か診察待ちの方もいらっしゃいましたが、程なく呼ばれました。診察室に入ります。電話とは違う、若い先生でした。

洗っていない臭いであろう足を診ていただきます。触診しておられましたが、触られてもとくに痛くはないことを伝えると、ただの内出血で大丈夫だ、とのことでした。

実は私は最悪のケースを想像しておりまして、骨にまで毒が回っているのではないかと心配していたのです。だから、ズキズキと痛むのではないかと。もしそうならば手術して右足の中指を切断する必要があるのではないかと、そこまで覚悟していました。そして、猶予があるならばあと20日、手術を待ってもらって何とかお遍路を完走したいと考えていたのです。

しかし、お医者さんの診立てではまったく大したことがない、ということでしたので、本当にほっとしました。これで安心してお遍路をつづけられそうです。

痛み止めのロキソニンはすでに毎日飲んでいましたので、とくにお薬が処方されることもありません。お会計もスムーズで、14時20分にはかんクリニックを後にすることができました。この後の予定にも、大きく影響せずに済みそうでした。ありがとう、かんクリニック

安心したので、お腹が減ってきました。かんクリニックからすぐのところにジョイフル愛媛御荘店がありましたので、入ります。このころはお腹の調子が悪かったこともあり朝にサラダを食べていませんでしたので、豚肉とキャベツのポン酢かけ定食というちょっと野菜を意識した定食を食べることにしました。豚肉でタンパク質も補うことができます。

サクッと食べ終わり、この後の予定について考えます。実はホテルはここから350メートル西に行ったところです。15時にはチェックインが可能ですから、先にチェックインして荷物を減らしてから歩きをつづけることができます。

というわけで、15時まで休憩してホテルサンパールに向かいます。ホテルは高さがない、横に長い造りです。

実は公式ホームページでもうたっていますが、エレベーターがないんですよね。お遍路メッセージギャラリーもあってお遍路さん向けをうたっているにもかかわらず、エレベーターがないのはちょっと……。3階建てとはいえ、お遍路さん泣かせだと思います。

15時5分にホテルに入り、フロントへ行きましたが、どなたもいらっしゃいません。あまつさえ「チェックインは15時からとなります」といった紙が置かれたままになっています。ベルがあったので鳴らすと、女性が出てこられ、紙を片付けられました。

素泊まりだったので、レストランが利用可能かうかがいます。すると、レストランは営業していない、とのことでした。コロナ禍でレストランの営業を控えているところも結構多いので、まあ仕方がないことでしょう。どうやら、夕食もジョイフルになりそうです。

部屋は2階でしたので、大階段を上がって部屋に向かいます。まだ清掃スタッフが廊下にちらほらおられて、挨拶をしてくださいました。

またトイレに行きたくなったので、トイレに入ります。まあ、古びたホテルですので、水回りもイマイチですね。もちろん、清掃はキレイにしてくださっているのですが、老朽化は否めません。

ホテルサンパールから「菊川」バス停まで

15時30分ごろホテルサンパールを出発し、「菊川」のバス停には16時41分ごろに到着しました。ジワジワと登っていく感じだったのですが、荷物を減らしたこともあり、健闘していると思います。

トイレを済ませて荷物を整理し、15時30分ごろに再度出発しました。この日は「菊川」のバス停まで進む予定でした。移動の道中にホテルがあると荷物を減らすことができるので、結構いいですね。この感じなら、もっと先まで行けるのではないかと思いながら張り切って出発です。

ひたすら国道56号線を北上していきます。この辺りは四国遍路聖地巡礼のマップ*4でも、国道56号線が遍路道になっていました。

一つずつバス停を確認しながら進んでいきます。左右には工場のような建物も多いですね。「八百坂峠」のバス停のところには、休憩小屋のようなものもありました。私は、休憩せずに進んでいきます。

しかし今見返してみると、この後まったくと言っていいほど写真を撮っていませんでした。うーん、怠けてますねえ。

菊川の集落の手前に、厳島神社がありました。ここだけ写真に撮っています。

f:id:nanbo-takayama:20211226131237j:plain

※厳島神社

ここですでに16時25分でした。1時間くらい歩いてきたことになります。

次のバス停は「菊川小学校前」で、これは集落のちょうど真ん中にあると言っていいでしょうか。当初の目的である「菊川」は、集落の北の外れです。さらに進むかどうかは時間との兼ね合いになりそうでした。

菊川」からバスに乗る場合、事前に調べていた次のバスの時間が17時5分発です。さらに次のバス停まで進むこともできるとは思いますが、時間的に厳しくなってきそうです。

とりあえず、「菊川」バス停まで進んでから考えることにしました。

16時41分、「菊川」バス停に到着です。

f:id:nanbo-takayama:20211226131827j:plain

※「菊川」バス停

そうそう、この宇和島自動車のバス停って結構高いんですよね。運転手さんが遠くからでも分かりやすいようにしているのでしょう。

時刻表を確認すると、やはり次の便は17時5分です。20分以上待つことになりますが……。次のバス停がちょっと遠くて850メートル先になります。10分ほど時間がかかりますよね。ここで無理をしてもしょうがないと思い、この日の歩きはここで打ち止めということにしました。

歩きを終えて

菊川」バス停もベンチがなかったので、立ったままバスを待ちます。すると、ご近所さんらしきおじさんが歩いてこられ、「どこから来たの?」と話しかけてこられました。

また後日のレポートで詳しく書きますが、このころコロナの感染者がかなり多くなってきていました。「大阪から」と答えるとイヤな顔をされる可能性もあったので、私はだいたいこの手の質問をされるとその日のスタート地点を言うようにしていました。

ということで、「宿毛から来ました」と答えました。するとおじさんは、「ご出身はどこなの?」と聞いてこられました。とくに意地悪してやろうとかそんな感じではなく、気さくな感じで聞いてくださっていたので、正直に「大阪です」と答えます。すると「昔は大阪からの人も多かったねえ」といった昔話になりました。やはり悪い人ではないようです。

ただ、「大阪です」と言った後に必ず「〇日目です」ということを付言するようにはしていました。ここでは「21日目です」と答えたわけでした。そうすれば、少しは安心してもらえるように思っていたのです。

少しだけ会話をした後、おじさんは歩いていかれました。私はさらにバスを待ちます。

17時5分、定刻にバスはやって来ました。乗り込みます。実はこの段階では気づいていなかったのですが、「菊川」で乗って大正解だったのです。

どういうことかと言うと、宿毛と松山を結ぶ区間の宇和島自動車のバスは、特急という種類のバスを走らせているのです。その特急が停まるのが、この辺りではこの「菊川」だけだったのですね。「菊川」の前後のバス停で歩きを終えていたら、翌日に乗るバスの選択肢が狭まってしまうところでした。軽い奇跡です。

私が1時間以上かけて歩いた距離を、バスはたったの13分ほどで戻ってきました。17時18分、「南レク御荘公園前」バス停に到着です。ホテルは斜め向かいになります。

まずは80メートル西にあるローソン愛南町御荘平城店に行きます。翌日の朝食などを購入しました。中1日で、ローソンが復活です。

ローソンの向かいがホテルになっており、横断歩道もそこにしかありません。横断歩道を渡り、無事にホテルに到着しました。ホテルの西隣は南レクロッジという宿泊施設になっているのですが、家族連れが入っていかれました。

ホテルサンパールの方は、高校の運動部の合宿で泊まっている方もいるようでした。

18時を過ぎたので、またジョイフルに行くことにしました。他にも大介うどんといううどん屋さんもあったのですが、やはりタンパク質を摂ろうと思うと、洋食の方がいいような気がします。2食連続のジョイフルです。

昼はコスパがとてもよい豚肉とキャベツのポン酢かけ定食614円でした。夕食ということになるわけですが、メニューを見ているかぎりではモーニングメニューも注文できるようです。これのハンバーグプレート658円にとても心魅かれてしまい、それを頼みます。ただ、これだけでは足りないので、たっぷりお肉のミートソース(スパゲティ)も頼みました。ミートソースが614円でしたので、合わせて1,272円です。効率がよくない頼み方ですね。

なお、ジョイフルは結構混んでいて、どうやら同じホテルに泊まっている女子の運動部の皆さんが利用しておられたようでした。とてもにぎやかで元気がありました。

ホテルに戻る際、翌日乗るバスの時間を調べるためバス停に寄ってみました。

f:id:nanbo-takayama:20211226160018j:plain

※「南レク御荘公園前」バス停時刻表

翌日は7時28分のバスが妥当なところでしょうか。

ホテルに戻って、入浴です。ここは大浴場があります。さらに言うと、一応温泉になっているようです。これはありがたいですね。しかし上述のとおり、水回りの老朽化は否めませんので、キレイというわけではありません。また、大浴場といいつつ10人は同時に入れないくらいの大きさです。

私が入っていると、小学生くらいの男子とその父親が入ってきました。しかし、私よりも早く出ていきました。私も長湯するわけではなく、どちらかと言うと早い方ですが、彼らはそれ以上でした。

そして、このホテルの最大に萎えるポイントを入浴後に発見しました。大浴場の前にトイレがあったんですね。まあこれは普通だと思うのですが、トイレのところに「洗濯機あり」というような紙が貼ってあったのです。事前の調べではこのホテルにはランドリー設備がない、と思っていたので、何だあるのか?と思いのぞいてみたのですが……。

何と、トイレの中にそのまま洗濯機と乾燥機が置かれているではありませんか! 奥には和式の大便器があり、扉が開いていたので丸見え状態でした。ということは、和式便器の水が洗濯機の方にも蒸発してきているわけです。そんなところで洗濯をしようという気持ちになるでしょうか……。私はなりません!

ということで、老朽化やエレベーターがないのはまあそれほど大きな問題ではないとしても、トイレに洗濯機を置くというセンスには最大にげんなりしたわけでした。

まあこの日は洗濯をしない予定でしたので、目撃したものを頭から振り払い、翌日の予習をして就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:1か寺

納経代:300円

大師納経代:300円

宿情報

ホテルサンパール

ツインルーム(喫煙)

宿泊費:6,600円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉

洗濯機・乾燥機あり(台数不明。浴場のトイレの中)

洗濯・乾燥代不明

アクセス:「南レク御荘公園前」バス停から徒歩1分

コンビニ:徒歩約1分

ホテル全体の老朽化のため、水回りに不満が残る。最大の萎えポイントは、ランドリーがトイレの中にあるということ。スタッフの対応は親切

バス情報

行き:高知西南交通バス 「幡多信宿毛西支店前」~「寺山口」 400円

帰り:宇和島自動車バス 「菊川」~「南レク御荘公園前」 260円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:4,588kcal

距離  :33.4km

歩数  :48,193歩

スマホアプリ

歩数  :54,774歩

 

歩き遍路 20日目 ◁ 歩き遍路 21日目 ▷ 歩き遍路 22日目

最終更新:2021.12.28