西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 23日目(2021.8.12) 41番~43番札所 宇和島第一ホテル~「西予市役所前」バス停

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43番明石寺

前日から引き続いて、この日も一日中雨が降りつづきます。しかしタイトな予定ですので、雨だからと言って立ち止まるわけにはいきません。久しぶりの複数札所を無事に打つことができるのか、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、23日目のレポートです!

歩き遍路 23日目 宇和島第一ホテルから「西予市役所前」バス停まで

歩き遍路23日目、8月12日(木)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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この日は14日目、8月3日以来の3か寺を打つ1日です。歩く距離はそれほど長いわけではありませんが、雨の中ということもあり、なかなか大変な1日となりそうです。

この日も5時に起床して、前日にファミリーマートで購入した朝食を食べました。出発時にはバスに乗らない行程でしたので、7時ちょうどに出発できるように準備を整えます。

しかし、困ったことに天気予報はこの日以降雨の予報が続いています。何でも前線が停滞しているということで、幸い私はすでに通り過ぎましたが、愛南町の方は警報級の大雨とのことでした。

宇和島第一ホテルから41番札所龍光寺まで

7時に宇和島第一ホテルを出発して、41番札所龍光寺には9時37分ごろに到着しました。雨中の強行軍だったことを考えると、Googleマップより遅くなっても仕方がないですよね。

7時に宇和島第一ホテルを出発します。フロントでカギを預かってもらいました。そこでアメニティのことを聞かれたので、タオル等を交換して欲しい旨を伝えました。この辺のサービスはいいですね。

まずは「宇和島駅」の南側にあるローソン宇和島錦町店に行き、飲み物等を購入しました。そしてお腹の調子が悪いことからウィダーインゼリーをやめ、たまたま目に留まったミレービスケットを購入します。これ以後、このようなビスケット系お菓子を買うようになりましたが、お腹に悪影響を与えないため重宝しました。

国道320号線を渡り、「宇和島駅」を目指します。この段階では傘を差していたのですが、この日は大雨の予報です。カッパなしでは歩きは無理でしょう。カッパを装着するために、駅に行ってベンチを探そうと思いました。

ところが、そこはやはり土地勘がないということもあり、どこから駅舎に入るのか分かりません。パフィオうわじまという駅ビルのテナント前には来ましたが、時間が早いからか開いていませんでした。

仕方なく、小雨が降るなか外のベンチでカッパを装備します。カッパを着たら、いよいよ本格的にスタートです。Googleマップを見ながら、進んでいきました。

パフィオうわじまから少し進んだところに、駅の入口がありました。まあ、もうカッパを着ていますので寄る必要はありません。セブンイレブンやホテルの前を過ぎ、線路沿いに100メートルほど北東方向に進みました。

すると、踏切がありましたので渡ります。すでに7時25分になっていました。

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※和霊踏切

そこから250メートルほど北西方向に進むと、国道56号線にぶち当たりました。ちなみに、踏切を渡って1筋目のところに四国の道の道標がありましたが、完全に無視しました。四国遍路聖地巡礼のマップ*1でも、そちらは遍路道にはなっていません。

ただし、この時の私は遍路マップも道標も無視して我が道を行っています。

国道に出たら、しばらくは道なりに北上します。650メートルほど進んだら、小さな橋を渡って、高串川の東側の道に出ました。橋を渡ってすぐはフジグランの入口になっています。この後は、そこを北上していきます。

ただ、高串川の東側にも西側にも小さな道があって、正直に言うとどちらを通ったかは正確に憶えていません。東側にはガソリンスタンドがあり、そこの従業員の方が営業準備をしている姿を見たことは憶えているのですが……。

このまま北上すると、高串川の東の道は県道57号線に突き当たります。ここからは、この県道57号線をひたすら進んでいくことになります。6kmくらいです。

県道56号線は光満川沿いの道で、山ではありませんが集落の中でもありません。人家はありますが、山道に近い感覚でした。

それにしても、雨ですので完全な苦行の旅になります。このレポートを書くに当たってGoogleマップのストリートビューでこの道を見直していますが、本当にこの道を通ったのか?と疑いたくなるくらい、まったく見覚えがないです。ストリートビューは本当に快晴の中を走っていて、私が見た景色とは全然違っているのです。

途中、ヘンロ小屋・光満・第21号もあるのですが、これも憶えていないですね。

最後はちょっとした丘を登っていきます。「務田」というバス停の手前に案内標識がありました。大きな道路標識では、次の交差点を左に行けば道の駅みまに行けるようです。そして、その標識のポールには小さな案内標識があり、やはり左折すれば龍光寺仏木寺に行けると書いてあります。

Googleマップでは直進だったのですが、次の「務田交差点」で標識どおりに左折しました。実は車用の標識だったので、最短ルートとしては直進の脇道に入っていく方が正解です。ストリートビューにも、大きく「へんろ道」と書いてあります。やはり雨で視界が悪かったので、それには気づかなかったのでしょう。

というわけで左へ進みます。トイレにも行きたくなっていたので、道の駅みまを目指しました。

左折して500メートルほどで、今度は右折します。すると、道の駅みまに到着しました。外にあるトイレをお借りします。カッパを着ながら入れるのはありがたいですね。

道の駅みまから400メートルほど県道31号線を北上します。この県道31号線を直進すると、42番札所の仏木寺に行ってしまいますので、右に曲がって41番札所龍光寺を目指します。

利近池の南側の、県道283号線を東進します。この辺は完全にGoogleマップ頼りです。「森ヶ鼻」というバス停を過ぎると道は細くなりますが、さらに東進しました。

バス停から170メートルほど進んだところで、今度は北側に折れます。ここで久しぶりに写真を撮っていました。9時26分です。

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※龍光寺への道標

道標は左を指しており、そちらが龍光寺のある北方向になっています。MIKEというたこ焼き屋さんの前を北上していきましょう。

600メートルほど北上すると、龍光寺の下、稲荷神社石の鳥居のところに出ます。ここで左に曲がり、鳥居をくぐりましょう。9時34分です。

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※稲荷神社石の鳥居

せっかく札所が近づいてきたのに、写真で見ても分かるくらいの大雨になってきました。

ちなみに龍光寺には山門がありません。昔は神仏習合していましたので、この鳥居山門の代わりだったのでしょう。

この鳥居から奥は、車1台が通るのもやっとなほどの細い道となります。対向車が来たら The end、という道です。

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※龍光寺参道

駐車場は参道の終わり、石段の下を左折して登ったところです。10台程度停められます。

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※龍光寺石段下 駐車場は電柱手前を左へ上がる

雨の中ですが、熟年のご夫婦がいらっしゃいました。また、その後にはお一人だけのおばあさんも来られました。

雨でベンチに座るということもできませんので、ここでは笈摺輪袈裟などは装備せず、着の身着のままで参拝をさせていただきます。

まずは本堂納経します。

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※本堂

大雨なので、キレイに撮れていませんね。

つづいて、大師堂納経をしました。

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※大師堂

大師堂本堂の屋根の下から撮ったので、きちんと撮れていますがちょっと小さいですね。

本堂大師堂の間には、稲荷神社への登り口があります。

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※稲荷神社

明治時代以前はこの稲荷神社本殿が札所だったそうです。すべては神仏分離のせいでややこしくなったんですよね。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*2をご覧ください。

納経所では建物の中に入らないといけませんでした。ですから、濡らさないように外の杖立てにお杖を立て、その上に菅笠を置いてからカッパを脱いで引っ掛けておきます。落ちないようにするのが大変で、少し手間取りました。

納経所は若いお坊さんでした。お一人で来ておられたおばあさん一緒になり、雨で大変ですね、といったような会話をしたように思います。

確かこのお寺だったと思いますが、次の仏木寺へのルートの英語の案内マップのようなものがありました。ただ、それは山道を通っていく道だったので、私は気にしないことにしました。

出発前にトイレに行っておこうかと思ったのですが、見当たらなかったのでやめました。どうやら駐車場にあったらしいです。

さあ、次の42番札所仏木寺を目指しましょう。

41番札所龍光寺から42番札所仏木寺まで

41番札所龍光寺を9時58分ごろに出発し、42番札所仏木寺には10時41分に到着しました。Googleマップよりも速いペースで歩いていますね。まあここは道が分かりやすいのと、雨で写真を撮る余裕がないので一心不乱に歩いていったのでしょう。

龍光寺を出発して、まずは石段を下り、また石の鳥居をくぐりました。

最初は来た道を少し戻ります。200メートルほど進むと、右への案内標識が出てきました。車用かもしれませんが、車も人間もここは同じルートで行けます。

右折して350メートルほど進むと、利近池の北東端に出ます。ここを右折です。案内標識もあります。

右に曲がってから180メートルほど歩くと、県道31号線に突き当たります。この後は、県道31号線を北上するだけです。

この辺も一応宇和島市のようですが、郊外になっているのでのどかです。雨さえ降っていなければ、最高の気分で歩けたと思います。途中、まったく写真を撮る余裕もなかったのと分岐点等もなかったことから、もう一気に仏木寺です。

仏木寺の駐車場と山門が見えてきました。ここで10時40分です。

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※仏木寺が見える

駐車場の前でも写真を撮りました。

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※佛木寺駐車場

上の看板では「佛木寺」と書いてあります。一応、四国八十八ヶ所霊場会のホームページ*3や四国遍路聖地巡礼のマップ*4では「仏木寺」と書いてありますので、これまでは「仏木寺」と表記させてもらっていました。ただ、お寺の方では「佛木寺」と表記しておられるようです。

もちろん、これは旧字体「佛」と新字体「仏」の違いに過ぎないのですが、お寺がどのように表記しておられるかは結構重要なことだと思いますので、ここからは「佛木寺」と表記させていただきます。

10時41分、佛木寺山門前に到着です。

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※山門

山門をくぐり、上へ上がっていきます。何十段も上がっていくわけではありません。

石段を少し上がると、右手奥に鐘楼が見えてきました。工事をしているのは本坊でしょうかね。

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※鐘楼

茅葺きの鐘楼は四国八十八ヶ所でもここだけだそうです。しかも元禄年間(1688~1704)に再建されたものということで、300年以上の歴史があります。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*5をご覧ください。

本堂は、上の写真から左を向いた一番奥にあります。

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※本堂

小ぢんまりしていますが、白壁の美しい本堂ですね。ここでも笈摺を着るのは断念して、そのままの格好で納経をしました。

隣の建物が大師堂です。

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※大師堂

納経時は屋根の下に潜り込むこともあって、なかなかいい感じの写真が撮れていませんでした。

境内には、不動堂聖徳太子堂の他、家畜堂残木堂など珍しいお堂もありました。

納経所不動堂の向かいになります。建物の中には入らないタイプです。若いお坊さんが、窓口で記帳・押印をしてくださいました。

トイレは鐘楼の横を、駐車場の方に降りていくところにありました。古いトイレですので、逆にカッパを着たまま気兼ねなく入ることができました。まあ、男性の小だからこその芸当ですが。

駐車場のところに自動販売機があったので、飲み物を購入します。しかし、雨天ということもあって消費量は伸びず、この時購入した飲み物はホテルまで持って帰ることになりました。

さあ、次の43番明石寺を目指しましょう。

42番札所佛木寺から43番札所明石寺まで

42番札所佛木寺を11時10分ごろに出発し、43番札所明石寺には14時53分に到着しました。Googleマップより大幅に時間がかかっています。理由は、この後の記事を読めばお分かりいただけると思います。

ところで、マップが2枚に分かれてしまっていますが、Googleマップではなぜか歯長隧道を通ってくれないのでこのようになってしまいました。佛木寺から明石寺までのルート検索をすると、国道56号線を通る道が一択で出てくるのです。

出発に備えて山門前の四阿あずまやで荷物の整理をしていると、一人の男性がこちらに歩いて来られました。どうやら歩き遍路のようです。

方角的に明石寺の方から来られたので、「逆打ちですか?」と尋ねました。すると、ちょっと前に佛木寺を出発したが、歯長峠を通る遍路道が通行止めになっていて、戻ってきたとのことでした。

この方がKさんで、この後、明石寺までの道をご一緒することになりました。

普通、お遍路さんはへんろみち保存協力会の黄色いマップを持って旅をします。私はあえてそれを使っていないのですが、Kさんはその黄色いマップの英語版を持っておられました。日本語版とは微妙に情報が異なるそうです。

Kさんはこれまでも、なるべく忠実に遍路道を歩いてこられたようでした。高知と愛媛の県境も、私は国道56号線を通ってきましたが、Kさんは松尾峠という峠道を通ってこられたそうです。

それで、この佛木寺からも歯長峠を通って明石寺を目指されたそうなのですが、途中で通行止めだったということでした。いろんな方のブログを拝見したところ、どうやらかなり長期間にわたり通行止めが続いているようです。ただ、2021年12月29日現在も通行止めが続いているかどうかは、未確認です。

明石寺にはどのようなルートで行くつもりか聞かれたので、私の計画をお伝えしました。私は、もともと山道である遍路道を避けて、県道31号線を通って山を越えるルートを予定していました。山道はただでさえハチや熊で危ないのに、大雨でどうなっているか分からないですからね。

Kさんが一緒に行っていっていいかとおっしゃったので、ここからは2人で一緒に歩いていくことになりました。誰かと一緒に歩くのは、4日目以来のことです。ちょっとうれしいし心強いですね。

まずは県道31号線を北の山の方へと登っていきます。

ちなみに車遍路の場合、これから私が通るルートは難所として推奨されていないルートです。道が細くカーブも多いので、山道の運転に慣れていない人は危険だからでしょう。

実際私も前年に車遍路をした際には、いったん道の駅みま近くのみまICまで戻り、そこから松山自動車道に乗って西予宇和ICで降りるルートを使いました。この区間の松山自動車道は無料ですので、気軽に使うことができます。

ただ、車では難所とは言っても、舗装されている道ですから、歩きにとっては難所ではないでしょう。雨の中歩くのにも、舗装されている方が歩きやすいですからね。

というわけで、私とKさんは県道31号線を北上していきました。

道はうねうねと蛇行し、どんどん登っていきます。11時59分には、歯長峠という説明板のあるところまで来ました。

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※歯長峠説明板

四国のみちの説明板もあります。

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※四国の道説明板とマップ

歯長峠は標高500メートルもあるそうですから、遍路道を歩いた場合は、結構難所ですよね。

ここから10分ほど歩いて、ようやく歯長隧道に到着しました。先を歩いているのがKさんです。

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※歯長隧道

入口の脇には、謎の「景子」というイタズラ書きがあります。

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※「景子」というイタズラ書き

こういうのはだいたい男子がやると思うんですよね。おそらく、景子さんのことが好きな男子が書いたのだと思うのですが、これによってむしろ全国の景子さんは大変恥ずかしい思いをすることになってしまっているわけです。結果として、かえって景子さんには嫌われてしまうという、もう何のためにやってるのか意味不明なことになってしまいますね。

歯長隧道は1970年3月の完成で、長さは422.6メートルあります。歩道はなく、中央線すらないトンネルですので、交通量にもよりますが大変危険です。

ただ、幸いなことに私たち2人が歩いていた時には、まったく車は通りませんでした。Kさんがライトを取り出して照らしてくれたのでよかったのですが、このトンネル、かなり暗いです。しかも長さも結構あるので、一人だったらちょっと通るのが怖いでしょうね。走っていたかもしれません。

幸い、Kさんと一緒だったので、お話しながら進んでいきました。

Kさんは年齢が50代で、福井県の大野から来られたそうでした。お仕事の話はあまりはっきりとはされませんでしたが、休職しておられるか何かで、お遍路の通し打ちに来られたそうです。

確かご出発は私より1週間くらい早かったですかね。この年の四国は梅雨明けが遅く、7月19日ごろということで私の出発前日だったのですが、それゆえ序盤はかなり涼しく歩けたそうです。

ところが、その後は急激に暑くなり、一緒に歩いていた大学生くらいの若者が足摺岬で熱中症にかかって倒れてしまった、とのことでした。民宿で休ませてもらったそうですが、結局若者はそのまま寝込んでご両親に迎えに来てもらい、帰ることになったということですから、熱中症対策はやはり命を守るうえで重要だということですね。私は熱中症対策に力を入れていたので、ここまではまったく問題なくやって来れました。

また、イノシシの話もうかがいました。場所はどこか忘れましたが、おじさんお遍路の方が、遍路道を歩いていてイノシシ5頭に囲まれてしまったそうです。イノシシのパワーはすごいうえに威嚇までされたということですから、相当怖かったでしょうね。

この辺のところは、やはりお遍路さんが少ないことに起因していると思われます。歩き遍路が多かったら、まず道はしっかりと整備されているでしょうし、イノシシが幅を利かすこともないでしょう。また、熱中症の問題も誰か注意してくれる人がいるでしょうから、大事になる前に何とかなったのではないでしょうか。

歯長隧道を抜けたところに四阿あずまやがあったので、そこで休憩しました。私はほとんど休憩しないスタイルなので休憩に気乗りしなかったのですが、Kさんはやせていてパワーが長続きしないから、ちょいちょいエネルギーの補給をしなければならない、とのことでした。

私はお腹の調子が悪くなることの方が心配だったので、あまり食べ物を食べる気になりませんでした。しかしハンガーノックが怖いよ、とKさんがおっしゃったこともあり、ミレービスケットを少しかじりました。これは消化もよさそうですし、そのままエネルギーになる感じがしていいですね。

10分ほど休憩して、出発します。ここからは、山を下っていく感じになります。ものすごく蛇行しながら県道は進んでいきました。

ちょうどこの下っていくところには、牧場があります。やっぱり臭うねと言いながら、2人で歩いていきました。大分下っていくと、トラックも通るようになってきました。道も工事をしています。

しかし、工事をしているので土がむき出しになっています。雨で流されている感じでした。危ないなあと言いながら進んでいきます。

肱川の手前に歯長東屋という休憩所があったので、そこでまた休憩します。屋根のあるところはちょっとでもカッパを脱げるので助かりますね。ここでも10分くらい休憩しました。

ここから歯長橋を渡り、県道29号線に突き当たって左に曲がります。しばらくは県道29号線を北西方向へ進んでいくことになります。

私はこだわらずに進むのですが、Kさんは遍路道の案内標識を見るとそれに従って通ろうとされます。ということで、私もそれについていきました。

西予市立皆田小学校付近は、県道の一つ内側の道を通っていきました。

この道は1.3kmほどで終わり、また県道29号線に合流します。民宿みやこの前を通り過ぎると、また遍路道の分岐点です。右上に登っていくところが出てきました。

ところが、ここの電柱にある遍路道の案内標識は、右も直進もどちらも指しています。Kさんが右へ行こうとおっしゃったので、右に進むことにしました。

この後がちょっとややこしかったです。右に進んでからは、案内標識がなくなってしまったんですね。Kさんは「標識がなかったら直進でしょう」とおっしゃいますが、Googleマップだとどうも遠回りになってしまいそうな感じだったんですよね。

そこで、稲生多目的集会所のところでGoogleマップをよく調べました。1本南側の道を北西方向に進んでいくのがよさそうでした。

実際、Googleマップによると先程の両方進める分岐点から280メートルほど進むと、県道29号線から右に分かれていく道があり、そこにはきちんと案内標識があるようです。そして、四国遍路聖地巡礼のマップ((((四国遍路聖地巡礼「愛媛編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『42番札所仏木寺』」2021.12.29閲覧))))でもそちらが正しい遍路道になっているようでした。

ということで、我々もその正しいルートに合流します。ただ、この後も我々は間違っていて、西予宇和ICの高架下をくぐった後、本来の遍路道はすぐに右に曲がって清水葬儀社の前を北に向かっていくようなのですが、岩瀬川を渡ってすぐの砂利道を北上してしまいました。案内シールはあったようですが、見落としてしまったようです。

そして、砂利道を抜けた後もそのまま北上し、愛媛南部ヤクルト販売株式会社本店の横を通っていきました。このヤクルトより北は、正しい遍路道に合流しています。

ちなみに、山の中の県道31号線を歩いていた際、ヤクルトの車が1台追い越して行ったのですが、途中の道路脇に停車していたんですね。どうやら休憩していたようですが、もしかするとサボっていたのかもしれないなあ、という話になりました。いつどこで誰に見られているか分かりませんので、くれぐれもサボらないようにしてください。

ここまで来ると、奥に左に向かって山へと登っていく道が見えました。明石寺は山腹にあるお寺ですから、おそらくそちらに向かっていくのでしょう。もう一安心ですね。

前年にもここに来ていますが、車だったのでどれくらい登ったのか記憶がなかったのですが、とりあえず登り始めます。

すると、上から欧米人の親子が降りてきました。もしかすると子どもはハーフかもしれません。おそらく歩いてお寺に行かれたのだと思うのですが、半ズボンにサンダルという格好でした。どこから歩いてきたのでしょう?

歩いたのは舗装された山道ですが、それほど歩かなくても大丈夫でした。程なく、駐車場と常楽苑というお店のところまでやって来ました。

前年は常楽苑は営業していましたが、この時はやっていませんでした。お遍路が少ないからでしょうか。

Kさんはお遍路に必要なものを購入したかったそうなのですが、開いていなかったのでちょっと困っておられました。Kさんは、10kgは越えていると思われるものすごい荷物を背負っておられます。それなのに、何だったか忘れましたがお遍路の必需品がなくなってしまったそうです。

まあ、とりあえず参拝しましょう。

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※山門

14時54分、山門に到着です。常楽苑からは、少し石段を登っていかなければなりません。写っているのは坊主頭の男性で、Kさんではありません。確か龍光寺でもお見かけしたはずです。小ざっぱりしておられるので、歩きではなく車だと思います。

この明石寺も幽玄な山寺という感じで、好きなお寺の一つです。しかし、あいにくの天気で、参拝するのがやっとでまったく楽しむ余裕はありませんでした。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*6をご覧ください。

山門をくぐると、正面に本堂です。こちらに写っているのがKさんです。

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※本堂

私はこの日はカッパを着たまま参拝していましたが、Kさんは荷物を濡れないところに降ろし、きちんと装備を整えて参拝しておられました。

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※大師堂

大師堂での納経を終え、納経所に向かいます。納経所山門の外にあります。

納経所で記帳・押印をしていただきます。ここも窓口タイプだったと思います。中年のおじさんでした。ご住職なのでしょうか。

しばらく待っていると、Kさんも来られました。Kさんは荷物を本坊の前に置かれて、納経帳を必死で探しておられました。荷物が多いので、いろいろ大変なようです。

しかし本来の歩き遍路の方はKさんのように10kg以上の荷物を抱えて旅をしておられるわけですよね。それで毎日30km移動するというのは、相当大変でしょう。私は大きな荷物を宅急便で送る貴族遍路なので、その苦労を味わわずに済みました。

参拝を終えて、この後の予定について話をしました。Kさんは、第一ビジネスホテル松屋というところに泊まるそうです。私は「宇和島駅」の方まで戻りますが、乗るべきバス停「西予市役所前」は松屋よりも少し行ったところなので、一緒に向かうことになりました。

43番札所明石寺から「西予市役所前」バス停まで

43番札所明石寺を15時30分ごろに出発し、「西予市役所前」バス停には16時37分ごろに到着しました。Googleマップよりも倍近い時間がかかっていますが、西予市役所で30分近く休憩していましたので、妥当なペースでしょう。

15時30分ごろ、明石寺を出発して山を下っていきます。麓で右に曲がり、500メートルほど進むと、愛媛県立宇和高等学校にぶち当たりますので、左に曲がって県道237号線に合流します。

この辺もGoogleマップを参照していましたが、県道を350メートルほど進んだところを、右に曲がりました。その通りは文化の里商店街となっていて、松屋の看板もありました。

看板には500メートル先と書いてあったので、近いだろうと思いながら歩いていきました。ところが、思っていたよりは遠かったです。Googleマップだと650メートルありました。

15時50分ごろ、ビジネスホテル松屋に到着しました。ところが何と、チェックイン時間は16時からとなっています。お遍路さんの泊まる宿としては、ちょっと遅いと思います。ただ、すぐにオーナーが出てこられて、入れますよとのことでした。

ここで、Kさんとお別れです。私は名刺を渡し、電話番号を交換しました。また、ここでではありませんが十徳ナイフのようなものをいただきました。ただ、これは地味に重いので私は大きい荷物に入れて持ち歩きませんでしたが。

いやあ、やはり一人で歩くよりも道連れがいた方が旅は楽しいですね。お話しながら歩いていたので、お腹の調子が悪くなることもなく、楽しい旅でした。

私は翌日は内子まで行き、翌々日に40km歩いて久万高原に入ることをお伝えしましたが、ちょっとKさんとはペースが合わなさそうでした。私は仕事の関係上40日でゴールしないといけなかったのでかなりの強行軍だったのですが、Kさんは時間がかかっても大丈夫なようでした。また、荷物の大きさも違いますしね。結局、この日のここで、Kさんとはお別れとなってしまいました。

ビジネスホテル松屋から国道56号線に面した「西予市役所前」バス停までは、わずか290メートルです。ちょっと休憩したかったのですが、すでに時刻は16時を回ってしまいました。最初はジョイフル愛媛宇和店に行こうかとも思っていたのですが、バスが16時44分ですので、お店に入るというほどの時間はありません。

仕方なく、バス停の向かいにある西予市役所に行くことにしました。市役所の建物ならば、誰でも出入りできるはずです。小ですがトイレにも行きたくなっていたので、ちょうどいいでしょう。

とても新しい建物です。最近建てたのでしょう。ありがたいことに軒下のスペースが広く、ベンチもあったので荷物を置かせてもらいました。カッパをたたみ、荷物にしまいます。

トイレは、建物の中にありました。業者の方も出入りされているので、まったく気兼ねなく入れます。市役所関係の建物はトイレを借りる際にありだな、ということが分かりました。

20分ほど外のベンチで休憩していたでしょうか。16時35分になったので、傘を差してバス停へと向かいます。バス停は、国道56号線の反対側になります。

2分後、バス停に到着です。1人のおじさんが大きな荷物を持って、待っておられました。時刻表を確認すると、「宇和島駅」まで行くバスの前に違うバスが来るようでした。

歩きを終えて

バスを待つ人がだんだんと増えてきました。この辺では、宇和島自動車のバス路線は主要な交通手段になっているようです。

16時48分、4分遅れで「宇和島駅前」行のバスがやって来ました。これも観光バスのようないいバスです。早速乗り込みます。それほど混んでいなかったので、ゆったりと座ることができました。

17時16分、「宇和島駅」のターミナルに到着です。翌日に乗るバス停を探します。見つけるのに少し苦労しました。

さあ、ホテルに戻りましょう。まずは、朝利用したローソン宇和島錦町店で翌日の朝食を購入しました。

17時30分ごろ、宇和島第一ホテルに到着です。

まずは夕食ですが、この日は日中お腹の調子が悪くならなかったので、きちんとしたものを食べに行くことにしました。コンビニご飯ばかりでは、体力が持たないですからね。

ホテルから程近い、どがいぞう うどんに行きました。

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※どがいぞう うどん 翌朝撮影

ちょっとメニューは忘れましたが、おそらくぶっかけうどん520円といなり寿司100円といったものを食べたのだと思います。

後は入浴と洗濯です。ここのお風呂は本当に気持ちいいです。しかし、ランドリーは面倒なことに敷地外の独立店舗です。雨がつづいているからか、一般のお客さんもちらほらいらっしゃいました。

洗濯を終えると荷物を整理し、翌日の予習を済ませて就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。ただ、この辺りでは雨天が続いており、1日3~4本の消費に減っていたと思います。

札所情報

札所:3か寺

納経代:900円

大師納経代:900円

宿情報

宇和島第一ホテル

シングルルーム(禁煙)

宿泊費:6,000円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり

洗濯機・乾燥機なし(敷地外にコインランドリーがある)

洗濯代600円(基本)、乾燥代600円

アクセス:JR「宇和島駅」から徒歩8分

コンビニ:徒歩3分

客室のユニットバスの老朽化は否めないが、大浴場は新しくてキレイ。ランドリーは実質的にない。スタッフの対応はとても親切で、宿泊費も割安でコストパフォーマンスはよい

バス情報

行き:なし

帰り:宇和島自動車バス 「西予市役所前」~「宇和島駅前」 490円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:4,724kcal

距離  :34.3km

歩数  :49,621歩

スマホアプリ

歩数  :52,204歩

 

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最終更新:2022.1.5