いよいよ5日後に結願というスケジュールで、札所最高峰の雲辺寺に挑みます。カウントダウンが始まるなか、この日ようやく香川県に突入! 果たしてスケジュールどおりに進むのか、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、34日目のレポートです!
歩き遍路 34日目 「白地」バス停からかんぽの宿 観音寺まで
歩き遍路34日目、8月23日(月)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。
結願けちがん5日前にして、ようやく香川県に入ります。この日を入れて6日で香川県を攻略するというスケジュールですね。ただ、地図で見ていても香川県はかなり小さいです。実際、香川県の面積は高知県の4分の1くらい、愛媛県の3分の1くらいです。札所も集中しているので、一気に数を打つことができます。
この日は札所最高峰の雲辺寺に登るということで、張り切って4時45分に起床しました。前日にセブンイレブンで購入した朝食を食べます。トイレなどもないところを歩くことが長くなりそうなので、念入りにトイレに行っておきました。
「白地」バス停から66番札所雲辺寺まで
7時25分に「白地」バス停を出発して、66番札所雲辺寺に到着したのは9時56分でした。さすが山に強い私、Googleマップよりも16分も速く到着しています。
6時50分ごろ、阿波池田駅前ホテル イレブンを出発して、まずは「阿波池田駅」にあるセブンイレブンキヨスク阿波池田駅店に行きました。飲み物やパンなどを購入するためです。クーラーバッグは大きな荷物でこの日の宿に送ってしまっていたので、都度都度で飲み物を購入する必要があります。万全を期すため最初から多めに買っておきました。
必要なものを購入したら、前日にリサーチしていた「阿波池田駅」バス停に向かいます。ホテルの向かいになるので、戻っていく感じでした。
※「阿波池田駅」バス停
バス停から、ホテルが見えます。
※阿波池田駅前ホテル イレブン
外観はそれほどでもありませんが、中はとてもキレイなホテルです。おすすめです。
※「阿波池田駅」
バスを待っている間に、駅の写真も撮っていました。ご覧のとおり小さな駅ですが、一通り特急が停まる駅です。電光掲示板に、岡山行きや高知行きの特急が掲示されていたのがちょっと驚きでした。
バスを待っていると定刻よりも先にバスがやって来ました。「白地はくち」に行きますかと聞くと、違うとのことでした。どうやら三好市の市営バスだったようです。
「白地」行のバスは定刻どおり、7時8分にやって来ました。早速乗り込みます。誰も乗っていなかったように思います。
ここからは前日と逆方向を通って、池田ダムの上を走り、「白地」まで向かいます。雨は降っていませんでしたが、ダム湖の辺りでは霧がものすごく深くて、幻想的な風景でした。ダムを渡ってからの道路は明らかに狭く、離合できないところが何か所もあります。前日は日曜日の18時過ぎで車通りもなかったのですが、この日はさすがに月曜日の朝です。時々、苦労して離合していました。
7時25分、「白地」バス停に到着しました。「白地」で降りますということ以外は何もお話していなかったのですが、運転手さんが「お気をつけて」と言ってくださいました。こういう風にお遍路さんに優しく接しようという文化があるのが、すばらしいですね。
※「白地」バス停遠景
本当に何もないバス停だということが、お分かりいただけると思います。
さあ、出発です。Googleマップを見て、ここから西に向けて歩き始めました。いきなり坂です。
ところが、歩きだしてからGoogleマップをよく見てみると、どうももう1本北側の道を進むように指示しているようでした。おかしいな?と思い、戻って北側の道に回ります。
しかし、こちらにも違和感がありました。他の方のブログで、白地から雲辺寺を目指した記事を読み直してみます。やはり、元の道が正解でした。
ということで5分近く無駄にしていまいましたが、当初のとおり、「白地」バス停から西に向けて歩き始めました。いきなりそこそこの傾斜の坂道になっています。
※白地から登っていく道
写真だと傾斜が急に見えないのが残念です。
400メートルほど坂を登っていくと、T字路に出ました。雲辺寺への案内標識も出ています。ここで7時35分でした。
※雲辺寺への案内標識がある
昔は、雲辺寺まで車で登る際の正規ルートだったのかもしれません。今はもう少し西側に広い道が出来ています。この辺の前後で、庭におられたおじいさんとご挨拶したように思います。
T字路から400メートルほど進むとヘアピンカーブとなっていて、かなり急な坂になっています。すぐに戻りますが、一時的に2車線になっていました。
ヘアピンカーブから400メートルほど進むと、広い道に合流しました。県道268号野呂内三縄停車場線です。前年に車遍路した際は、国道192号線との交差点「池田町馬路」からこの道を登っていきました。この後6.6kmはこの道を歩き、その後違う道に入って雲辺寺を目指します。
合流してすぐのところにサントリーの自動販売機がありました。これがもしかすると最後かもしれないと思い、飲み物を買っておきます。横峰寺での経験が活きていますね。
おそらくこの辺を登っているときに撮ったのが次の写真です。7時42分でした。
※吉野川南岸の山々
この日は本当に霧が深い日でした。
合流地点から400メートルほど進んだところに、雲辺寺まで9kmの案内標識が出てきました。7時52分です。
※雲辺寺まで9kmの案内標識
結構車が登っていくので、雲辺寺参拝者多いなあと思っていたのですが、どうやらこの少し上にある池田福助という会社の工場で働く人たちだったようです。しかしこの工場付近でどれくらい標高があるのか分かりませんが、すでにかなり絶景が広がっていました。
この後、もう少し進んだところで家から出てこられたおじいさんとご挨拶しました。おじいさんは「あと8kmちょっと」と教えてくださいました。また、昔はここが遍路道として使われていて、通る人も多かったと教えてくださいました。確かに、白地にも宿は何軒かあるようですし、自動車の道が作られるということは、かつてメインストリートだったということなのでしょう。
池田福助の工場のところから急な傾斜のヘアピンカーブをいくつも過ぎて、2.4kmほど登っていきました。すると、道路脇に落裏大師堂が出てきました。8時29分になっています。
※落裏大師堂
このような大師堂があるというのも、昔遍路道だったということを裏づけてくれるように思います。
この道は舗装されていて歩きやすいのですが、ここまでの長雨つづきの影響か、白い変な虫がいっぱい飛んでいました。やたらとまとわりついてくるので、走って離脱することもしばしばです。上り坂でインターバルトレーニングをやっている感じですね。アホなお遍路です。
9時ちょうど、見晴らしのいいところで撮った写真です。
※四国山地の山々?
9分後、何だかよく分からない石造物のところに出ました。
※石造物
落裏大師堂から3.1kmほど進んだところです。道が分岐していて、右には農地開発事業池田地区の案内標識が出ています。雲辺寺には直進です。
3分後には、雲辺寺まであと2kmの案内標識が出てきました。何と山道の7kmを1時間20分で来ています。
※雲辺寺まで2kmの案内標識
おそらく虫がイヤだったので、速いスピードで歩いていたのだと思います。
石造物の分岐点から500メートルで、また右側に分岐点が出てきました。車で大興寺まで向かう道です。ここで9時15分でした。
※大興寺への分岐点
右側が県道268号線になっていて、67番札所の大興寺方面に向かう道です。ただ細い道らしく、車遍路のガイドブックでは推奨していませんでした。ですから私は前年度に車遍路した際には、国道32号線まで東進してから、国道を北上していきました。この段階では、歩いてここを通る可能性もあるな、と思っていました。
雲辺寺まではここも直進です。分岐点の袂には、石の道標がありました。
※石の道標
大興寺は小松尾山不動光院大興寺と号しているので、古くは小松尾寺と呼ばれたそうです。この道標でも、「大興寺」ではなく「小松尾寺」と書いてあります。
ここから先はもう雲辺寺専用道のような感じです。傾斜も結構キツくなってきました。しかしその分、素晴らしい景色に癒されます。
※素晴らしい景色1
※素晴らしい景色2
大興寺までの分岐点から1.5kmほど登っていったところが、民宿岡田のある佐野の集落から登ってくるところとの合流点となっていました。9時38分です。四国の道の案内板があります。
※四国の道の案内板
※佐野への登山道の分岐点
上の写真でいくと、県道8号線と書いてある方が佐野への登山道です。国道32号線と書いてある方が私の通ってきた道ですね。
そして目の前には、雲辺寺参道がつづいていました。
※雲辺寺参道入口
ここから先はアスファルトではなくコンクリートで舗装されていますが、車はそのまま上がっていくことができます。「お願い」と書いてある白い看板には、参道補修協力費という名目で「普通車 五百円」などの駐車料金が書いてあります。
私は、自分の足で登っていきます。補修協力費を払う必要はありません。
ここから遍路道の案内標識に従うと、ちょくちょく舗装された道を外れて山道に案内されます。私は基本的には舗装された道を歩いていきました。上から見ていたかぎりでは、山道は歩きにくそうなところが結構あったように思います。
途中、「四国霊場めぐり」と題した説明板がありました。
※「四国霊場めぐり」説明板
説明文の最後に、「昔も今も、歩いてめぐる遍路の功徳を尊ぶ風がある」と書いてあります。これのおかげで、私はいろいろと助けられているわけですね。
「四国霊場めぐり」の説明板から6分後、9時49分、雲辺寺の駐車場に到着しました。
※駐車場
台数は10台もないです。前年に車遍路をした際には停めることができず、少し下の道に縦列駐車したと思います。まあ、基本的にはロープウェイで参拝される方が多いので、それほど台数は必要ないのでしょう。
ここからは車も通れない、木々の中を通る山道になります。ただ、コンクリートの舗装はつづいているので、救急時などは車が通るのかもしれません。
入ってすぐに「森のめぐみ」と題した説明板がありました。9時50分です。
※「森のめぐみ」説明板
また、亀山院の陵墓もあります。ここでは9時53分でした。
※亀山院櫻岡之陵
ちょっと由来までは分かりませんでした。
1分後、いよいよ雲辺寺目前のようです。「ようこそ雲辺寺へ」と書かれた看板が出てきました。
※阿波池田ライオンズクラブ設置の看板
ちなみに、奥の石がゴロゴロしているところが、昔山門があったところらしいです。これは前年に車遍路をした際、参道補修協力費を集めておられる係の方に教えていただきました。
ここですね。
※旧山門のあったと教えていただいたところ
二丁の丁石もありました。
※二丁の丁石
夫婦杉です。結構いろんなところにありますね。
※夫婦杉
9時56分、境内の入口に到着しました。
※境内入口の補修協力費の徴収所
駐車場からここまで7分かかっています。この小さなボックスが参道補修協力費の徴収所です。前年に車遍路した際には係の方がいらっしゃり、協力費500円をお支払いしました。代わりというわけではないでしょうがお箸をいただけたので、それはそれでよかったと思います。
ただ、この日はどなたもいらっしゃいませんでした。納経所で申告するやり方になったようです。参拝者が少ないからでしょうか。
※協力費のことが書いてある案内板
仁王門はここからさらに進んだところにあります。
※境内案内図
境内案内図がありましたので、載せておきます。ただし、この図の方が古いらしく、仁王門が図中に描かれていません。境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*1をご覧ください。
まずはトイレに行き、仁王門を9時58分にくぐりました。
※仁王門
仁王門をくぐって石段を登ると、大師堂の方が先に出てきてしまいます。大師堂のところでは、ロープウェイから来たと思われる老夫婦が、とても丁寧に参拝しておられました。
私は左に下っていき、本堂へと向かいます。
※本堂
本堂は2009年に建てられたばかりで、新しいです。前年に車遍路で来た際には中に入ってご本尊を拝顔することができたのですが、このときは中に入れませんでした。
仕方なく、外で納経をします。
本堂の近くには、おたのみなすという縁起のよいオブジェクトがあります。
※おたのみなす
つづいて、大師堂へと戻ります。何とも面倒なことに、納経所はこの本堂の近くにありますので、仁王門から入った場合、大師堂へアップ、本堂へダウン、大師堂へアップ、納経所へダウンとなかなかの運動量になります。こだわりがない方は、大師堂から参拝されるか、仁王門を無視されるかしたらよいと思います。
大師堂へと上がっていきます。この本堂と大師堂の間の参道は結構いい雰囲気の道です。私は好きですね。
大師堂のレベルへと戻ってきました。ここは少し広いスペースです。大師堂の他にも、サヌカイトや厄除不動があります。
※サヌカイト
※厄除不動
大師堂で納経をします。
※大師堂
私は大師堂の前で納経していたのですが、裏手の方から納経している声が聞こえてきていました。しばらくして出てこられましたが、先達さんらしき方が初心者の方に手解きしておられる感じでした。大師堂の裏で納経しておられたようです。
私が大師堂周辺にいたころに、爆音で境内を上がっていく車が1台いました。関係者なのかもしれないですが、大きな音を立てる車はこの雲辺寺には似つかわしくないですね。何しろ「四国高野」と称される霊地ですからね。
納経所に戻ります。納経所には、四国霊場の標高比べの案内板がありました。
※雲辺寺
雲辺寺が標高900メートルで焼山寺が800メートルですから、焼山寺が大したことないように思えます。しかし、実際に歩いた感覚としては焼山寺が一番キツかったですね。これは藤井寺から歩いていったからだと思いますが、山道を4時間半歩くというのはなかなかの厳しさですよね。
横峰寺も山道に入ってからは1時間くらいでしたし、やはり最も厳しいのは焼山寺でしょうか。
納経所で記帳・押印していただきます。私の前後にやってもらっていた方は、協力費(※実質的には駐車場代)を払っていました。私のときは、納経所のおじさんが「歩きですか?」と聞いてくださいました。そうそう、この一言がうれしいんですよね。
歩きアピールのために?次の大興寺への道を教えてもらいました。他の方のブログにも書いてありましたが、五百羅漢の方から下っていくルートが大興寺への遍路道になります。
しかしこれでようやく88ヶ所中の66番まで打ったわけですね。ようやく4分の3です。あと5日で結願するわけですが、ラストスパートが半端ないです。
納経所からまた戻り、大師堂から下って仁王門を出ました。朝も早かったですし、山道を歩いてきたので、お腹が空いています。ベンチに座り、スナックパンを食べました。
念のため、トイレにも行っておきます。トイレはキレイで洋式ですが、いわゆるボットン便所です。
さあ、これでやるべきことはやりました。雲辺寺から次の大興寺へと向かいましょう。
66番札所雲辺寺から67番札所大興寺まで
10時52分に66番札所雲辺寺を出発して、67番札所大興寺には13時49分に到着しました。Googleマップよりも1時間半ほど早く到着しています。ただし、実際のルートは1枚目の地図ではなく、また2枚目の地図も途中からの地図となります。雲辺寺から山道を抜けたところまでは、Googleマップでは表記されないので、ご容赦ください。
雲辺寺から大興寺への遍路道は、トイレからロープウェイ方面に歩いていくところにあります。せっかく納経所の方に教えていただいたので、ある程度考えていた1枚目の地図ではなく、遍路道を歩くことにしました。10時52分出発です。
※大興寺への遍路道スタート地点
五百羅漢の間を通っていく形になります。
※五百羅漢
本当にいろいろな姿をしているので、じっくりと見ていたら楽しいと思います。まあ歩き遍路にはそのような時間はありません。先に進みます。
しばらくは写真のようにコンクリートで舗装された道がつづきます。歩きやすいですね。
しかし11時1分、山道との分岐点に到着しました。
※山道との分岐点
このまま直進していくと、北嶺展望台に行けるようです。私は四国の道の道標に従って、9.9km先の大興寺を目指します。
※山道への入口
写真で見るかぎりでは山道は鬱蒼としていますね。60番札所横峰寺から61番札所香園寺への山道ですべった経験から、ここでもカッパを着ていました。カッパは防護服代わりにもなりますからね。では、山道に入りましょう。
※山道の様子
山道に入って思ったのは、道が広くて整備されているな、ということです。高知県や愛媛県の遍路道の山道は相当荒れていましたが、さすがに香川県は財政的余裕があるのか、お遍路愛のある方が多いのか、かなり山道の整備が行き届いていました。上の写真は山道に入って5分後に撮っています。
ここの丁石には二丁と書いてありました。雲辺寺から二丁来た、ということでしょう。
※二丁の丁石と古い道標
この後、道は下りになっていきます。下りの傾斜はかなり急で、階段のようなところが延々とつづいていきました。下りだからマシですが、登りはこれ相当キツイと思います。この道を登っていくとすると、下手したら焼山寺以上にキツイかもしれませんね。
途中で、逆打ちのお遍路さんとすれ違いました。私がカッパを着ているので、山上は雨が降っているのか聞かれます。そこで、防御用ですと答えておきました。
山道に入って30分ほど過ぎた11時37分、ベンチなどがあるところに出ました。「へんろみち」の説明板など、いろいろあります。
※へんろみちの説明板
※十二丁の丁石
こういう説明板やベンチは結構随所にあり、遍路道の保存に力を入れてくださっていることが分かります。
12時1分に撮った説明板です。
※へんろみちの説明板その2
6分ほど歩くと、今度は「鰻渕の伝説」の説明板がありました。
※鰻渕の伝説の説明板
何でも、大和の国から来た別所平内という人物の2人の息子が、干ばつで苦しむ人々のために祈ったところ、大鰻が現れて雨を降らせてくれた、ということのようです。「おうなぎさん」と呼ばれて親しまれているということからも、何らかの霊験があったということがうかがえます。
この地点で大興寺まで6.1kmとなっています。1時間6分で3.8km歩いてきたわけですね。やはり下りの山道はペースが落ちます。
この後、肝心なところで写真を撮っていなかったのですが、粟井ダムから少し下ったところ、上の2枚目の写真の出発点に降りてきました。ここで舗装された道に変わります。歩きやすくなりました。12時40分ごろだったと思います。
なお、出てきたところからまた山道に入っていくところがありますが、私は無視して舗装された道を100メートルほど下りました。すると十字路に出ますので、右に曲がります。
右に曲がって130メートルほど進むと、先程の山道の方が合流してきます。ここには、四国の道の道標もあります。
さらに50メートルほど進むとT字路になるので、そこを左に曲がりました。
左に曲がってから400メートルほど進むと、民宿青空屋が右手に出てきました。敷地の外れにベンチがあったので、ちょっとカッパを脱がせてもらうことにします。山道も暑かったのですが、山道を出るとさらに暑くなってきていました。これだけ暑い!と思うのは実際のところ久しぶりです。しばらくは雨つづきで涼しいくらいでしたから。
菅笠もちょっと点検しました。案の定、小さな毛虫がついています。外側に1匹、内側に1匹いました。指で弾いて飛ばしましたが、内側にまで入ってきていたとは危ないところでした。しかし、我ながら自分が冷静だったことに驚きます。キイヤーという声を挙げたりすることはありませんでしたので。
青空屋から450メートルほど進むと、県道240号粟井観音寺線と合流します。この合流地点にも四国の道の道標があるので、道に迷うことはありません。大興寺までの道はかなり親切に道標や案内標識が設置してありました。
それにしても、山を抜けてから全然写真を撮っておらず、申し訳ありません。安心しきって気が抜けていたようです。
この後、県道240号線を2.4kmほど進んでいきます。左側に出てきた岩鍋池を過ぎて少し進んだところに、右へ入っていく分岐点が出てきます。そこを右に入りましょう。古い道標と、遍路道の案内標識があります。なお、古い道標には「右 古まつをでら」と書いてあります。大興寺は、古くは小松尾寺と称されることがありました。
この道を650メートルほど進むと、少し大きな道に出ます。真っ直ぐ進む道はやや左側にあるので、そちらに入りましょう。ここにも古い道標がありますが、四国の道の道標もあります。
墓地や田んぼの間を抜けて350メートルほど進むと、右側にコンクリートで舗装された丘が出てきます。その丘を登って、下っていきます。
下っていくと十字路に出ます。手前には四国の道の道標、向こう側には古い道標がありますので、直進しました。
300メートルほど進むと、また十字路に出ます。その十字路に出る手前に、個人で設置されたと思われる休憩所のようなものがありました。
※休憩所の様子
※休憩所の様子その2
何というか、ご厚意でやってくださっているのでとかく言えた義理ではありませんが……。パラソルの代わりに普通のビニール傘が立ててあったり、椅子の木にキノコが生えていたり、ちょっと突っ込みどころがいろいろあります。
それに、ここからですともう数分でお寺ですので、休憩する必要はないと思います。
十字路に出たところには四国の道の道標や案内標識などいろいろあります。それらに従い、右に曲がりました。
ほんの50メートルほど先で今度は左折になります。
※大興寺手前の左折ポイント
左に曲がると、少し登ってから後半はかなり下っていきました。この道はまったく見覚えがない道なので、ちょっと不安になります。
しかし、下っていくと直接駐車場に到着しました。
※駐車場
上の写真の右手前にはトイレがあったので、お借りしました。右奥に見えているのが山門です。右側から、駐車場を出て山門へと歩いていきました。
13時49分、山門に到着です。
※山門
今までのやり方だとトップの写真にはこの大興寺の山門を使うべきところですが、なぜか雲辺寺の写真を使っていましたね。まあ、雲辺寺は記念すべき香川県最初の札所ですしいいでしょう。
仁王門を守る金剛力士像は、鎌倉時代の高名な仏師である運慶の作とされ、四国のお寺の中では最大の3メートルの大きさを誇っているそうです。ただ、残念なことに金剛力士像の頭部は江戸時代に挿げ替えられたということです。
境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*2をご覧ください。
※阿形
※吽形
伽藍の中枢は、石段を上がっていったところです。
※本堂などへとつづく石段
境内の上のレベルで参拝の準備をします。しかし、日陰のあるところにベンチがなく、仕方なく日向で準備をしました。暑いです。急に夏が戻ってきたように感じます。
駐車場に2台ほど車が停まっていましたが、境内にはどなたもいらっしゃいませんでした。
まずは、本堂で納経をします。
※本堂
つづいて、大師堂へ行きました。
※大師堂
大師堂でも、納経を済ませました。納経所は本堂の建物に付随しています。ご住職と思われる方が記帳・押印してくださいました。
ご住職は親切な方らしく、次の68番札所神恵院までの道が分かるかどうか聞いてくださいました。私はもうこの日はかんぽの宿 観音寺に向かう予定だったので、その旨をお伝えします。すると、「かんぽの宿は休みのこともあるよ」と教えてくださいました。予約していることを伝えると、道が分かるかどうかまた聞いてくださいました。
Googleマップで調べるので大丈夫です、とお答えしたのですが、せっかくのご親切を無駄にしてしまったなと後から反省しました。ここのご住職は相当お遍路愛にあふれておられ、歩き遍路の方の手助けをしたくて仕方がないのでしょう。地図を下さろうとしていたと思うのですが、よほどの自信作なのかもしれません。
これでこの日の参拝は終了しました。この日の宿、かんぽの宿 観音寺に向かいましょう。
67番札所大興寺からかんぽの宿 観音寺まで
14時10分ごろに67番札所大興寺を出発して、かんぽの宿 観音寺には15時20分ごろに到着しました。Googleマップより少し時間がかかっています。
14時10分ごろに山門を出ると、遍路道の案内標識が左を指していました。Googleマップでもそちらを示していたので、まずは左に進みました。
300メートルほど北上すると、十字路のようなところに出ますので、左に曲がります。ここには四国の道の道標がありました。
左に曲がると少し登りながら道は右に曲がっていきます。やがて北西方向へと進むようになりました。
この道を北西方向に500メートルほど進むと、登っていって最後は2車線の道に合流します。ここで、右に曲がりました。
40メートルほど進むと、左に細い道が分岐しています。遍路道の案内標識があったので、そちらに進みました。
途中、小さなお堂の横を通りながら、細い道を200メートルほど進むと、国道377号線に出ました。トラックなど、交通量がかなり多い道です。
左に曲がり、国道を下っていきました。右側に民宿四国路が出てきますが、私は無視して先へ進みます。
国道377号線を1.5kmほど進みます。方角的には、西南西に進むような感じです。左側に増穂池という溜め池を過ぎると、道路が青と赤で塗られている十字路に出ました。ここを右に入ります。
入った先の道は最初は1車線で、途中から2車線になります。しかし、交通量はあまりありませんでした。
右に入ってから600メートルほど進むと、通ってきた道よりも少し広い、交通量の多い道に合流しました。さらに、合流した道を600メートルほど進みます。左側にかんぽの宿の看板が出てきますので、左の道を上がっていきました。
この道をしばらく進むと右側が観音寺市総合運動公園になります。左側がかんぽの宿のある山ですが、そちらにはミニ四国八十八ヶ所巡礼がありました。
※母神山ミニ四国八十八ヶ所入口
※何番?
柱のようなものに「おんころころせんだりまとうぎそわか」というご真言が書いてありますので、どうやら薬師如来をご本尊としているお寺のようです。薬師如来をご本尊としているお寺はざっと数えても22か寺ありますので、そのどれかだと思います。
この後、もう少し進んだところを左に上がっていき、かんぽの宿 観音寺の敷地に入っていきました。
駐車場から玄関まで歩いていると、外に出てこられていた女性従業員の方が「まあまあ暑いなか大変だったでしょう。温泉で汗を流してください」とねぎらってくださいました。いいお宿だなと思います。
15時20分ごろ、かんぽの宿 観音寺に到着しました。
歩きを終えて
事前に電話をしたときに聞いていたのですが、宿はちょっとした山の上にあります。最寄りのコンビニも歩いて15分くらいと聞いていましたが、ちょっとまた出かけようという気にはなりませんでした。
そこで、チェックインの手続きをしていただきながら、夕食をレストランで食べることができるかうかがいます。すると大丈夫です、とのことでしたので、ホテルで食べることにしました。メニューは後で決めるとして、時間は18時でお願いしました。
ここは山の上で敷地も広いのか、一般的なホテルと違って縦ではなく横に広い形となっています。しっかりとした売店もあり、いわゆる温泉宿のような雰囲気です。
部屋は宿泊棟の1階でした。荷物も無事に受け取り、部屋に入ります。部屋は広く、ベッドのある部屋と奥に和室もありました。ただ、和室の畳の上に髪の毛が少々落ちていたのが残念でした。
まずはゆっくりとトイレに行きました。
やはりコンビニまで出ていく気にはとてもなりません。売店もあったので、朝食になるものが売っているかもしれませんし、後でのぞいてみることにしました。また、荷物の発送はゆうパックで売店にお願いしないといけない、とのことでした。
実は私はゆうパックというものを最初誤解していて、段ボールでしか発送できないと思っていました。ですので、ここからもゆうパックではなくクロネコヤマトの宅急便で荷物を送ろうと思っていたのです。しかし、ここはかんぽの宿です。当然のことながら商売敵であるクロネコを入れているわけがなく、ゆうパックしか取り扱っていませんでした。
しかし、フロントの方が、キャリーバッグもゆうパックで送れるとおっしゃるではありませんか。発送の伝票等は売店で扱っているとのことだったので、いずれにしろ売店には行く必要がありました。
とりあえずまずは売店に行き、荷物の大きさを測ってもらいます。120サイズだと1,530円で、クロネコよりも90円安いです。ちょっとラッキーでした。伝票を書き、お金を支払っておきます。荷物自体は、翌朝フロントに預かってもらうという手筈になりました。
ただ、売店の売り物を物色したところ、朝食になりそうなパンなどはまったくありませんでした。お土産やおつまみになるようなものがメインです。まあそうだわな、と思いながら売店を後にしました。
さて、汗を流しましょう。この日から夏が一気に戻ってきました。相当汗をかいています。さすがに大浴場は立派ですね。母神はがみ温泉という、歴とした温泉です。
この日は宿についたのが早かったので、かなりゆっくりとくつろぐことができました。ただし、予定では翌日は7か寺打つ予定でしたので、予習に時間がかかります。早めに予習をスタートさせました。
18時、食事のためにレストランに行きます。夕食付の場合はきちんとした会席料理が出てくるのでしょうが、私は単品での注文になります。メバルの煮付1,500円とご飯200円、汁物200円にウーロン茶300円を注文しました。お腹のことを考えて煮魚を頼むことが多くなってきましたね。
私の場合は予約しておらず、注文してから煮付けるので、ちょっと時間がかかります。その間にも、予習を進めておきました。個人的に残念だったのは、味噌汁の具材がキノコだったことです。確かナメタケだったと思います。せっかく注文したのに、ほとんど残すことになってしまいました。食べ物にも申し訳ないですね。
昼食抜きでしたので、結構お腹が減っていました。ご飯のお替りを注文します。ただ、お会計のときにはこのお替り分のご飯代が入っていませんでした。ミスなのか、サービスなのかは謎です。
お腹もいっぱいになったので、次は洗濯です。ランドリーは2階にありました。確か洗濯機と乾燥機が5台ずつあり、さらに別の1台はスニーカー用の洗濯機だったと思います。隣が総合運動公園ですし、運動部の合宿需要もあるのでしょう。
なお、洗剤は売店で50円で買わなければなりません。洗濯機は200円、乾燥機は60分で200円です。
これでやるべきことはすべて終わりました。翌日は札所が7か寺、歩く距離も33.6kmの予定だったので、宿を6時に出発することにします。というわけで、早めに就寝しました。
歩き遍路振り返りデータ
歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。
札所情報
札所:2か寺
納経代:600円
大師納経代:600円
宿情報
かんぽの宿 観音寺
和洋室B(禁煙)
宿泊費:5,500円
室内に冷蔵庫・トイレあり(※バスなし)
WiFiあり
大浴場あり。温泉
洗濯機・乾燥機あり(5台ずつ?)
洗濯機200円、乾燥機200円(60分で200円)、洗剤50円(売店で販売)
アクセス:「運動公園正門」バス停から徒歩15分
コンビニ:徒歩10分
スタッフはみなさん親切。ホテルも広くゆったりしていて申し分ない。ただし、翌日のレポートで詳述するが、一部のスタッフの対応に問題があった。しかし一般の方はおそらく関わることがないスタッフなので、大きな問題ではないと思う
バス情報
行き:四国交通バス 「阿波池田駅」~「白地」 390円
帰り:なし
距離と歩数
ASUS VivoWatch BP(HC-A04)
カロリー:4,234kcal
距離 :30.8km
歩数 :44,465歩
※31日目からスマホアプリの記録なし
歩き遍路 33日目 ◁ 歩き遍路 34日目 ▷ 歩き遍路 35日目
最終更新:2022.2.4
*1:四国遍路 聖地巡礼「香川編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『66番札所雲辺寺』」2022.2.2閲覧
*2:四国遍路 聖地巡礼「香川編 | 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ『67番札所大興寺』」2022.2.2閲覧