西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 36日目(2021.8.25) 76番~79番札所 善通寺 いろは会館~「県立総合プール」バス停

f:id:nanbo-takayama:20220206184519j:plain

79番天皇寺

香川県に入って3日目、この日も札所ラッシュがつづきます。残るはこの日を入れて4日、まだ13か寺残っていますが無事に結願できるのか、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、36日目のレポートです!

歩き遍路 36日目 善通寺 いろは会館から「県立総合プール」バス停まで

歩き遍路36日目、8月25日(水)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

f:id:nanbo-takayama:20220205093930j:plain

人生初の宿坊泊まりの朝を迎えたこの日は、朝のお勤めに参加します。これも初体験なので、ドキドキと緊張していました。

ということでこの日はいつもどおり5時に起床しましたが、朝食はお勤めの後に回します。身支度を整え、5時半からのお勤めに参加できるように準備を整えました。

75番札所善通寺 朝の勤行

前日にチェックインした際に朝のお勤めの案内をされていましたが、いざ参加するとなると緊張します。宿坊の案内標識に従って廊下を移動していくと、お勤めは何と御影堂大師堂)にて行うようです。これはスゴイですね。

f:id:nanbo-takayama:20220205095431j:plain

※善通寺御影堂(大師堂) 前日に撮影

5時半から開始と聞いていたので、5時20分ごろには御影堂に到着しました。お若い尼さんが案内してくださったので、ちょっと驚きました。

正座が大変だからでしょう、椅子を使っていいそうです。1脚いただきました。座る場所ですが、私の他にはどなたもいらっしゃいません。あまり前過ぎてもとは思いましたが、他の信者さんが来られる場合もあるかと思い、邪魔にならないように前の方に座らせてもらいました。

5時半からと聞いていましたが、5時30分になっても始まりませんでした。若いお坊さまが何人か準備をされています。

5時35分くらいだったでしょうか、40分にはなっていなかったと思います。僧正?らしきお坊さまがやって来られ、お坊さまたちが一列に並ばれました。7人いらっしゃいます。

僧正らしき他とは衣も違うお坊さまがお一人。それに次ぎそうなベテランの方がお一人。40歳前後の中堅らしきお坊さまがお二人。ベテランの尼さんがお一人。先程の若手の尼さんがお一人。見習いと思われる小僧さんがお一人でした。

だいたい法事などでもお坊さまはお一人、多くて3人くらいだと思いますが、今回は男女合わせて7人もいらっしゃいます。それゆえ、読経の迫力が違います。経本をめくりながら皆さんお経を唱えられますが、それが意外とキレイなハーモニーを奏でており、大変不謹慎ですが音楽としても聴きごたえがありました。

ただ、こちらには経本もないためどんなお経を唱えておられるかちょっと分かりません。また、30分くらいと聞いていた割には6時を過ぎても続いていました。

一段落したところでベテランのお坊さまがこちらを向かれ、「この後般若心経を唱えますのでご一緒に読経してください」とおっしゃられました。

これはうれしかったですね。ずっと見ていることしかできなかったお勤めに、私も参加できるわけです。般若心経は前々任校でも毎月唱えていましたし、この巡礼生活を始めてから幾度となく唱えてきました。結構自信があります。

私を含めて8人での読経が始まりました。この一体感はなかなか体験できないと思います。私の人生においても、貴重な経験となりました。

こうして、ようやく6時15分ごろにお勤めが終わりました。お坊さまたちはまた一列になり、退場されます。

皆さんが退場された後、中堅のお坊さまお一人がやって来られ、「この後ぜひ戒壇めぐりをご体験ください」とおっしゃられました。コロナ禍で、戒壇めぐりを休止されているお寺もあると思いますが、善通寺では体験できるのですね。

私もぜひ体験したいと思い、入口まで案内していただきました。中堅のお坊さまは、「真っ暗ですので、壁に手を当ててお進みください。途中で、弘法大師さまのお声を聞いていただくことができます」と教えてくださいました。

そんなに暗いのかな?と不安になりながら、中に降りていきます。戒壇めぐり御影堂の建物の下に設けられているのです。

初めは、入口からの光が残っているので、思ったほどは暗くありませんでした。これくらいならば大丈夫だな、と思いながら進んでいきます。

ところが行き止まりで左に曲がると一変します。完全に真っ暗になってしまいました。何も見えない、漆黒の闇です。さすがに怖くなります。般若心経を唱えながら進んでいきました。

すると途中でボヤーッと明るいところが出てきました。祭壇のようなものが設けられています。ここで弘法大師さまの肉声が聞けるのですね。

「肉声」と言いましたが、正しくは「骨声」というのが適切でしょうか。頭蓋骨からお顔の形を復元し、それを元に声を造っているのです。また、同じ要領で造ったホログラム映像も拝むことができました。弘法大師さまが生きておられたら、このようなお姿だったのでしょう。

数分でしたが、講話のようなものを聞くことができました。真新しい話ではありませんでしたが、誰もがうなずける人生訓だったと思います。

この薄明るいところから先へ進むと、また真っ暗になります。般若心経を唱えながら進み、出口の明かりが見えたときには心底ほっとしました。

戒壇めぐりがこのような闇の中を歩いていくのは、「死と再生」と意味しているからだと思います。人間にとって「死」というものは、完全な闇の中に落ちてしまうことです。もはや何も見えませんし、何も聞こえません。人間は一度死んでまた生き返るということはできませんが、こうした戒壇めぐりによって「死と再生」を疑似体験することができるのです。そのことによって、これまでの罪を消したり、心新たに生まれ変わったりすることができるわけですね。

中堅のお坊さまに見送られて、御影堂を後にします。朝のお勤めといい、戒壇めぐりといい、本当に貴重な体験をさせていただきました。

善通寺 いろは会館から76番札所金倉寺まで

7時55分ごろに善通寺 いろは会館を出発して、76番金倉寺には8時46分に到着しました。Googleマップとそれほど変わらないペースで来ています。

朝のお勤めを終えて、部屋に戻りました。すでに6時半くらいになっていました。朝食を食べていなかったので、急いで食べる必要があります。朝のパンと一緒に飲むコーヒーがなかったので、ロビーのところの自動販売機まで買いに行きました。

自動販売機の横には大きなゴミ箱が何個かあり、ゴミを分別できるようになっています。なるほど、部屋のゴミ箱に捨てておくのではなくここまで捨てに来た方がいいんだな、と思いました。

これまではホテル泊まりでしたので、ゴミはゴミ箱に突っ込んでおけば何も問題ありませんでした。ただし、それでも私はペットボトルはきちんと軽く水洗いして、分別できるようにゴミ箱の周りに別に置いていましたけどね。

部屋に戻り、前日にマルナカ善通寺店で購入したパンを食べます。パンを食べたら、荷物の整理、布団をたたむ、トイレに行くなど、手早くやっていきます。また、ゴミはロビーのゴミ箱に捨てに行きました。青少年の家などで宿泊した際に身に着けた、「来たときよりも美しく」の精神ですね。

何だかんだで結局、出発は7時55分になってしまいました。フロントにはどなたもいらっしゃらなかったので、事務室を覗いて声をおかけします。前日に大浴場でご一緒したと思われる男性もいらっしゃいました。

せっかくなので、境内を通っていきます。平日の朝ですので、人影はまばらです。西院から東院に出て、東院の東側の赤門を出ました。

f:id:nanbo-takayama:20220205111913j:plain

※赤門 前日に撮影

ここから真っ直ぐ進む通りは赤門筋、左や右に進む道はあいあいロードと言います。実は記憶が定かではありませんが、おそらく左に曲がってあいあいロードを北上したと思います。

76番金倉寺までの道も四国遍路 聖地巡礼のマップ*1には従わず、Googleマップに従って進んでいました。なぜかスタート時の記憶がはっきりしていません。

300メートルほど進むと、県道48号善通寺詫間線に突き当たりました。ここで右折します。前日に、マルナカ善通寺店スーパードラッグひまわり善通寺店に行った際に通った道です。

500メートルほどで、ひまわりの前を通過しました。

この後も直進していきます。700メートルほど進むと、JR土讃線にぶち当たりました。吉田踏切を渡ります。いつもは踏切の写真を撮っているのに、このときは撮っていませんでした。

踏切を渡ってから140メートルほどで、「上吉田町」交差点に出ました。ここを左折です。

左折した先の道は県道25号善通寺多度津線で、この後は基本的にこの道を進んでいくだけです。1.4kmほど、ひたすら進みました。途中、ファミリーマート善通寺稲木店に寄ったと思います。

Googleマップを見ていたかぎりでは、合同会社ウッドベルという会社のところを右に入り、県道25号線の1本東の道を北上すれば金倉寺山門前にドンピシャで着くはずでした。それでそのウッドベルを探しながら県道を歩いたのですが、残念ながら見つかりません。結局、県道に入ってから1.4kmのところにある右折ポイントを見逃してしまいました。

この後、280メートルほど県道を進むと金倉寺が右だと示す案内標識が出てきました。何だ、問題ないなと思いその案内標識に従います。

右に曲がると今度はまた左に曲がるように示す案内標識が出てきました。そこで、110メートルほど進んでから左に曲がります。これが失敗でした。

実はこの案内標識、車用のものなのですね。ですから、右に曲がってからそのまま直進していれば山門前に出れたのですが、わざわざ境内西側の駐車場の方に進んでしまったというわけです。

f:id:nanbo-takayama:20220205114004j:plain

※駐車場

ここで8時44分でした。境内を突っ切って、山門前まで行きます。

8時46分、正式に金倉寺に到着しました。

f:id:nanbo-takayama:20220205114121j:plain

※山門

本堂の脇に休憩所のようなところがあるので、そこで参拝の準備をしました。私が準備をしていると、ピンクの白衣びゃくえを着たおばあさんが熱心に読経を始められました。全体的な様子は、上品な感じではありませんが。

私もつづいて、本堂納経をします。

f:id:nanbo-takayama:20220205125429j:plain

※本堂

次に、大師堂へ行きます。大師堂本堂の左側になります。本堂大師堂の間には、訶利帝堂かりていどうがありました。

f:id:nanbo-takayama:20220205125808j:plain

※訶利帝堂

訶利帝堂とは訶利帝母尊、つまり鬼子母神を祀るお堂のことです。鬼子母神は、500人の子どもを持っていながら人の子をさらって食べていたという悪鬼でしたが、改心して仏となったとされます。弘法大師の甥で金倉寺で生まれた智証大師円珍が5歳のとき、目の前に訶利帝母尊が現れて大師の守護を約束したとされ、それゆえこのお寺では訶利帝堂が立てられたのです。

境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*2をご覧ください。

大師堂でも納経を済ませました。

f:id:nanbo-takayama:20220205130348j:plain

※大師堂

例のピンクおばあさんは、境内のあらゆる尊像の前で読経しておられました。1か寺参拝するのに、かなり時間がかかるでしょう。

納経所本堂の右側にあります。独立した建物で、中に入ることができます。おじさんに記帳・押印していただきました。

私より後にやって来た方がまたユニークで、洋服は派手で髪はシルバー、爪にいろいろ付け過ぎの女性でした。やはり金倉寺というゴールデンな響きが派手目の人をこのお寺に集めるのでしょうか、ちなみに夫と思われる方はいたって普通の格好でした。

私は荷物の整理をしてから出発したので彼らの方が先に出ていきましたが、一応くぐり戸を抜けるときにはその派手女性も一礼しておられました。そういうところはきちんとしているんですね。

私も彼らにつづいて駐車場につながるくぐり戸を抜けていきます。トイレも行っておきました。

さあ、次の道隆寺を目指しましょう。

76番札所金倉寺から77番札所道隆寺まで

9時10分ごろに76番札所金倉寺を出発し、77番札所道隆寺には10時1分に到着しました。だいたいGoogleマップと同じくらいのペースですね。

金倉寺の駐車場側から西の道路に出ました。道路に出たら、右に曲がります。

曲がってすぐに道隆寺への案内標識が出てきますが、これもやはり車用ですね。次の大きな道を左に曲がるように示していました。

私もとりあえず90メートルほど北上して、県道33号高松善通寺線に出ました。遍路道の案内シールは左に行くように示していますが、Googleマップだと右に行く方が近いように思われます。そこで、右に進みました。

なお、この県道33号線に出たところには、釜あげうどん長田 in 香の香というおいしそうなうどん店があります。時間が時間なので、今回もパスです。実は前回の車遍路の際も、混んでいたのであきらめたのでした。

160メートルほど東に進むと、信号のある少し大きな交差点に出ました。この角には四国の道の道標もあります。そうすると、あながち適当な道というわけでもなさそうです。

ここで、左折しました。

800メートルほど北上すると、国道11号線に出ました。さすがに4車線の大きな道です。横断してさらに北上します。

200メートルほど進むと、道が工事をしているのか少しややこしくなっています。道なりに右に進むこともできますが、歩道がなくなっています。そこで、左に入ることにしました。

140メートルほど進み、今度は右に曲がります。また北上をつづけることになります。北上しながら撮ったのが下の写真です。9時27分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220205134340j:plain

※道の様子

350メートルほどで道はT字路に出るので、ここも右折します。さらに240メートルほど進むと、左側に分岐する道がでてきますが、その道が二又になっています。左側の二又の道のうち、右側に入りました。

500メートルほど北上すると、また大きな道にぶち当たりました。県道205号線です。ここからは、直進する道もきちんとした2車線の道路になります。歩道も、左右にありました。

この道を北上し始めてから450メートルほど行ったところに、ファミリーマート多度津南鴨店がありました。確かここで飲み物を購入したように思います。

ファミリーマートから300メートルほど進むと、左側にイオンタウン多度津が出てきます。それは無視して進み、イオンタウンの北側の角を左に入りました。また細い農道のような道になります。

この道を450メートルほど進みます。最後は右折すると、四国の道の道標も出てきました。遠目に、道隆寺山門が見えます。

10時1分、道隆寺に到着しました。

f:id:nanbo-takayama:20220205135311j:plain

※道隆寺

山門の左側が駐車場になっています。前年に車遍路で来た際には、北からアクセスする形になり、ここまで入って来ずに北の車道に面した駐車場に車を停めました。

中に入ります。境内には大量のハトがいました。なかには地面に完全にお腹をつけて座っているものもあり、野生動物としてちょっと警戒感なさ過ぎではないかと思いました。

初めはベンチがあることが分からず、大師堂の建物にリュックを降ろして準備をします。私が準備をしていると、熟年夫婦も来られました。また、子ども連れのご家族もやって来られました。

まずは本堂納経をします。

f:id:nanbo-takayama:20220205140007j:plain

※本堂

つづいて、大師堂納経しました。

f:id:nanbo-takayama:20220205140050j:plain

※大師堂

大師堂江戸時代前期の寛永7(1630)年に建立されたそうです。また、大師堂の奥には多宝塔もありました。

f:id:nanbo-takayama:20220205140605j:plain

※多宝塔

境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*3をご覧ください。

それにしても、お天気がいいと写真もキレイですね。とてつもなく暑くはありますが。

納経所では、おじさんに記帳・押印していただきました。納経所前にベンチがあったので、そこで荷物の整理をします。

ついでにトイレにも行っておきました。トイレは納経所の横、粟島堂の奥にあります。なお、写真手前のキレイな建物は納骨堂だったと思います。

f:id:nanbo-takayama:20220205140923j:plain

※粟島堂

トイレは男性の小専用のものがなく、またすべてボットンでした。町中のお寺でこれでは、ちょっとどうかなと思いますね。

ただ、香川県はよく節水制限や断水のニュースなどをやっていますので、あまり水事情がよくないんですよね。もしかすると、そうした事情も影響しているのかもしれません。香川県の札所でトイレがとてもキレイだった、という印象があまりありませんので。

さあ、これで四国八十八ヶ所のうち、8分の7まで参拝しました。日程的には9割消化してしまっています。長い道のりでしたねえ。

ということで、ラストスパート! 次の78番札所郷照寺を目指しましょう。

77番札所道隆寺から78番札所郷照寺まで

10時33分に77番札所道隆寺を出発し、78番札所郷照寺には12時6分に到着しました。ここもほぼGoogleマップと同じペースで歩いています。

道隆寺から、北門を出て2車線の少し大きな道路に出ました。基本的にはこの道をひたすら北東方向に進めば、郷照寺に到着します。

f:id:nanbo-takayama:20220205151407j:plain

※道隆寺北門

450メートルほど歩いたところにあるセブンイレブン多度津町北鴨店で、飲み物を購入したと思います。

セブンイレブンから150メートルほど進んだところに、中務茂兵衛の碑がまたありました。そこからすぐのところを、右に入っていくように遍路道の案内シールが貼ってあります。まあいいか、と思い右に入りました。

右に入るとすぐにまた左です。細い道を400メートルほど進み、金倉川の手前で元の道に合流しました。地図で見ると少し遠回りになってしまったわけですが、元の道には最初歩道がなかったので、脇道に入って正解だったと思います。

元の道に戻って橋を渡ると、また右側に脇道が出てきました。ここから先の道には歩道もありましたが、例の案内標識もあったので、そちらに進むことにします。

脇道を600メートルほど進み、また元の道に合流しました。

合流してから140メートルほど歩いていくと、左側に天満天神社が出てきました。10時57分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205152518j:plain

※天満天神社

300メートルほど進むと、今度は右側に櫂堀の井戸なるものが出てきました。11時2分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205152809j:plain

※法然上人櫂堀の井戸

おそらく浄土宗の法然上人が掘られたのでしょう。説明が少なくてちょっとよく分かりません。

さらに240メートルほど進みます。西汐入川に出ました。漢字が分からないのですが、しおやばしを渡ります。橋の上から見ていると、カメが何匹も泳いでいるのが分かりました。11時5分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205160316j:plain

※西汐入川

5~6匹泳いでいるように思います。

橋を渡ると道が二又に分かれていました。右側を進みます。550メートルほど進むと、T字路に突き当たりました。右に曲がります。

すると右側に、村上学園高等学校という学校が出てきました。先生らしき人物が下校指導のようなことをしておられます。おお、同業者!と思いながら通り過ぎました。

すぐに県道21号丸亀詫間豊浜線に出ます。ここは4車線の立派な道です。左折して、東北東方向に進んでいきました。

左折してすぐに、ヘンロ小屋が出てきました。11時14分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205161009j:plain

※ヘンロ小屋・第18号・丸亀城乾

ほとんど休憩しないスタイルの私は、無視して進みます。それにしても、この手のヘンロ小屋で休んだことってこの旅でありましたかね? もしかしたらないかもしれません。

ヘンロ小屋から600メートルほど進んでいきます。この辺は丸亀の中心街らしく、かなり栄えていました。ふと右側、南側を見てみると何と丸亀城が見えました。11時22分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205161223j:plain

※丸亀城

丸亀城はいわゆる現存12天守の一つで、江戸時代に建てられた天守閣が残っている全国12の城のうちの一つですね。

四国には現存12天守のうち4つが集中していて、香川県の丸亀城、愛媛県の松山城宇和島城、高知県の高知城がそれです。私が行ったことないのがこの丸亀城だけなんですね。余裕があれば行こうと思っていましたが、やはり歩き遍路には厳しいですね。先へ進みます。

さらに300メートルほど進んでいくと、丸亀城の外堀跡というものが出てきました。11時26分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205161909j:plain

※丸亀城外堀跡の石碑

今は小さな用水のようになっていますが、往時は立派なものだったのでしょうか。

また、ここには歩道橋があり、歩道橋に郷照寺への案内標識が付いていました。あと3kmということです。まあ車用の案内標識ですが。

ここからは道が少し登っていきます。土器川の堤防の高さへと上がっていくためです。土器川にかかる、蓬莱橋を渡りました。

「讃岐富士」と呼ばれる飯野山がキレイに見えます。ここで11時30分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220205162425j:plain

※蓬莱橋から見る飯野山

飯野山の高さは400メートルちょっとしかないそうですが、稜線の美しさから「讃岐富士」と呼ばれているわけですね。それにしても、全国に「〇〇富士」はどれくらいあるのでしょうか。

ちなみに下流はこんな感じで、上流と比べると景色の美しさでは負けますね。

f:id:nanbo-takayama:20220205163115j:plain

※蓬莱橋から下流を望む

橋を渡ってすぐのところでまた右に道が分岐しています。遍路道の案内シールが右を指していましたので、そちらに進みました。

右側の道を1kmほど進みます。するとまた突き当たるので、そこを左に曲がりました。20メートルほどで元の県道33号線に合流です。

合流してから500メートルほど進むと、右側に岸落地蔵院が出てきました。11時52分になっています。

f:id:nanbo-takayama:20220205164031j:plain

※岸落地蔵院

この岸落地蔵院から350メートルほど先は、高架の道がクロスして走っていました。高架をくぐります。

すぐ右側に、六地蔵という小さなお堂があったのですが、ここでちょうど逆打ちのお遍路さんと遭遇しました。

おじいさんと言ってもいい年齢の方だったのですが、濃紺の作務衣を着ておられたので、もしかするとお坊さまかもしれません。歩き遍路について少し話をします。「もう少しやね」と言っていただきました。「あとキツイのは白峯だけかな」ともおっしゃられたので、かなり先が見えてきたように思います。後はちょっと訛りが強かったので、「ちょっと何言ってるか分からない」感じでした。失礼な言い方ですが、サンドウィッチマンのギャグを真似して書いていますので、ご容赦ください。

歩き遍路に出会ったのが本当に数えるしかなかったので、お話できただけでかなり元気が出ます。郷照寺まで、あと少しです。

六地蔵からは内側の道に入り、宇夫階神社の正面に回っていきます。鳥居がめちゃくちゃ立派でした。ここで12時1分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205165050j:plain

※宇夫階神社 

宇夫階神社は西側ですが、南側には秋葉大権現もありました。

f:id:nanbo-takayama:20220205165342j:plain

※秋葉大権現

この辺からは案内標識もより詳しくなっていきます。それに従って進みます。少し参道のような雰囲気もありました。Googleマップでも、「古街」となっていて歴史ある町並みであることが分かります。

案内標識に従って東へ250メートルほど進みます。すると、また案内標識が出てきました。12時5分です。

f:id:nanbo-takayama:20220205165716j:plain

※郷照寺への案内標識

一つあれば十分だと思いますが、念入りに三つも用意してくださっています。

実はこの辺は結構道が入り組んでいて、前年に車遍路で訪れた際もナビに従っていたところ道に迷ってしまったほどでした。郷照寺の南東側の細い道に入ってしまったのです。

どうもこの記事を書くに当たってGoogleマップを見直してみると、県道33号線からの誘導がうまくできていないように思います。案内標識が設置されている場所が適切ではないですし、その案内標識に従って中の道に入ってからの誘導もきちんとできていません。関係者の方は一度確認された方がいいかもしれませんね。

最後の最後に三つも付けておくくらいなら、ここまでの案内をしっかりとした方がいいと思います。これはただ、車遍路に関しての話ですが。

三つの案内標識を右に曲がると、道は登りになります。正面に、大吉地蔵が出てきました。

f:id:nanbo-takayama:20220205170919j:plain

※大吉地蔵

ここで右を見ると、郷照寺山門です。

12時6分、郷照寺に到着しました。

f:id:nanbo-takayama:20220205171110j:plain

※山門

山門をくぐります。なお、駐車場もこの山門をくぐって上の方まで進んでいかないといけません。

参道を登っていくと、伽藍は左側に集まっています。石段を登ると鐘楼などがありますが、本堂などはさらに上のレベルです。境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*4をご覧ください。

鐘楼の脇にあった境内案内図も載せておきます。

f:id:nanbo-takayama:20220206090959j:plain

※境内案内図

このお寺もベンチが見当たらず、本堂の右手前にある庚申堂にリュックを置いて準備をさせてもらいました。境内は小高い丘の上にあって、風がよく通るため涼しいです。暑さが戻ってきていたので、これはありがたかったですね。

f:id:nanbo-takayama:20220206091256j:plain

※庚申堂

庚申信仰というのはいろいろな地域に見られ、庚申堂もあちこちにあります。人間の身体の中に三尸さんしという虫のような霊のようなものがおり、庚申の夜に、眠っている人の悪事を天帝に告げるという伝説がありました。そこで、庚申の夜は村人がみんな集まって、眠らずに語り明かしたと言われています。

まずは本堂納経をしました。

f:id:nanbo-takayama:20220206091950j:plain

※本堂

本堂向拝部分は、美しい格天井で飾られています。四季折々の花々ですね。

f:id:nanbo-takayama:20220206092132j:plain

※格天井

本堂には一遍上人の像も祀られているそうですが、寺運が衰退していたこのお寺を、一遍上人が中興されたそうです。それゆえ、このお寺は真言宗だけではなく時宗をも奉じているそうです。これは四国八十八ヶ所霊場中でここだけ、とのことです。

大師堂本堂の左側にある石段をさらに登っていきます。

f:id:nanbo-takayama:20220206092540j:plain

※大師堂

大師堂でも納経しました。

大師堂の脇には、地下に降りていく万躰観音洞がありました。おそらく永代供養に関係するかと思い、中には降りていきませんでした。

f:id:nanbo-takayama:20220206092805j:plain

※万躰観音洞

大師堂のさらに奥には、淡島大明神がありました。

f:id:nanbo-takayama:20220206092917j:plain

※淡島大明神

先の道隆寺には粟島堂がありましたが、何か関係があるのでしょうか。

私が参拝していると、後から30代くらいの女性がやって来られました。金髪で黒いノースリーブを着ており、本当に何も持たずに手ぶらで参拝しておられたので、格好いいなあと思いました。

納経所へと戻ります。納経所は、本堂と同じレベルで、下から上がってきたすぐ左側になります。私より少しお若いと思われるお姉さんが、記帳・押印してくださいました。

トイレは納経所から右奥になります。トイレ前にはベンチが何脚もありました。ここに集中しててもなあ~、と思います、

トイレを済ませて出発の準備をしていると、本坊から親子連れが出てこられました。普通の服を着ていたので、法事などではなさそうでしたが、ご住職らしき方と親し気に話しておられました。

さあこれで郷照寺での参拝は終了です。次の天皇寺を目指します。

78番札所郷照寺から79番札所天皇寺まで

12時37分ごろに78番札所郷照寺を出発して、79番札所天皇寺には14時27分に到着しました。Googleマップよりも30分近く時間がかかっていますが、途中でイオン坂出店に寄り、昼食を食べていたので、こんなものでしょう。

郷照寺山門から下っていき、公道に出たら右に曲がります。またこの古街を歩いていく形です。

300メートルほど歩いていくと、橋が見えてきました。大束川にかかる、新町橋です。12時43分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220206103321j:plain

※奥に新町橋が見える

右側の白い塀は西光寺のものです。

新町橋を渡るとすぐ左側には、料亭がありました。そこを抜けると、左側に豪邸が出てきました。12時45分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206103632j:plain

※古街沿いの豪邸

やはりこの道は歴史を感じさせるたたずまいですね。

この豪邸の前から400メートルほど進むと、JR予讃線の高架下に出てきました。ここには遍路道の案内シールが貼られています。高架をくぐりました。

高架をくぐるとすぐにT字路になっています。とくに案内もなかったのですが、右に進みました。

右に曲がってから140メートルほど進みます。道はだんだんと高くなっていき、県道33号線に合流しました。そのまま県道を東へ進みます。

この日はかなり暑かったこともあり、休憩がてら昼食をどこかで食べたいなと思っていました。Googleマップでは、ちょっと先にまんぷく亭というお店があったので、様子を見て寄るかどうか考えることにしました。

この後も県道はジワジワと登っていきます。右側に溜め池があり、四阿あずまやもありましたが、休憩せずに先へ進みました。

溜め池を過ぎてから110メートルほど進むと、まんぷく亭が出てきました。時刻は13時前後だったと思いますが、まだ結構混んでいる感じです。パスすることにしました。

まんぷく亭辺りから県道は下りにさしかかっていきます。少し先には瀬戸中央自動車道の高架がありますが、その手前で道が右に分岐しています。ここを右に入っていきました。遍路道の案内標識も出ていました。

右に入ってからも、遍路道の案内標識がつづいています。しかし、歩道を進んでいくべきなのか、田尾坂公園を突っ切っていくべきなのか、ちょっとどちらか分かりません。私は公園を突っ切っていきました。

公園を抜けると、真っ直ぐにつづく道が出てきます。本街道と呼ばれる道で、後は基本的にこの道を進んでいくと、天皇寺方面へと出られます。

本街道を1.1kmほど東に進みました。Googleマップでは「坂出市寿町2」と書いてありますが、ストリートビューで見るかぎりでは「坂出市本町1」と書いてある交差点を渡ります。ここからは、本街道はアーケードのある商店街となります。

アーケードは涼しくていいですね。500メートルほど進んでいきます。Googleマップでは「坂出市元町4」と書いてある交差点に出てきました。ちょうど、県道20号線駅前通りにぶち当たった形です。右側の奥には、JR「坂出駅」がありました。

東側、正面の少し先、右側にイオンが見えます。これはいいですね。万が一トイレに行きたくなってもイオンならばまあほどほどにキレイですし、昼食を食べるところもあるでしょう。ということで、イオン坂出店にお邪魔することにしました。

入口の場所が分からなかったので、信号を渡ってから駅前通りを駅の方に進み、小さな路地で左に曲がりました。どうやらイオンの裏口のようなところに来てしまったようです。自転車置き場の間をぬって、イオンに入りました。

中に入り、マップを見ます。イオンに多い、四六時中という和食のお店がありました。そこに向かいます。フードコートのようなものはありませんでした。このイオンも、それほど大きなイオンではありません。ここも昔はジャスコだったのかもしれませんね。

四六時中に入ります。13時25分ごろでした。株主カードを持っていれば、10%引きで食べられるのですが、この旅では持ってきていませんでした。メニューは悩みましたが、野菜などもバランスよく摂るため、天ざるそば880円を頼みました。確か水などはセルフサービスだったように思います。

天ぷらが揚げたてでおいしく、そばも冷たいそばでおいしかったです。冷たいものが食べたくなるというのも、かなり久しぶりのことでした。

お腹の調子が悪くならないか少し様子を見ましたが、この日はとくにそのようなことはありませんでした。お勘定を済ませ、小だけトイレに行っておきます。13時55分ごろ、イオンを出発しました。

イオンを出たらまた本街道に戻りました。ひたすら本街道を東へ東へと進んでいきます。

1.1kmほど進んだところに、ヘンロ小屋がありました。ヘンロ小屋坂出江尻・第46号です。ここで14時7分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220206110952j:plain

※ヘンロ小屋坂出江尻・第46号

先程休憩したばかりですし、相変わらずヘンロ小屋はスルーしていきます。

ヘンロ小屋からさらに300メートルほど進みます。途中、少し大きな道を横断しました。

300メートルほど進んだところで、右側に細い脇道が出てきました。ここを右に入っていきます。遍路道の案内シールしかありませんので、要注意です。

右側に墓地を2か所見ながら、東へ進みます。脇道に入ってから290メートルほどで、JR予讃線の踏切が出てきました。14時15分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206111621j:plain

※金山国道踏切

踏切を待ったのは、四国に来てから初めてだったかもしれません。

金山国道踏切を横断します。踏切を渡ってから160メートルほど進んだところに、元気が出る絵や言葉が書いてありました。14時18分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206111839j:plain

※若谷しゅうじはどうでもいい

アンパンマンの絵ですが、かなり上手ですよね。また「お疲れさま もうすぐ 第七十九番 天皇寺です」と書いてあります。いよいよラストスパートでしょう。

350メートルほど進んだところに、八十蘇場の清水というのが出てきました。14時23分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206112829j:plain

※八十蘇場の清水

第12代景行天皇の御代、南海に遠征して悪魚の毒に苦しんだ讃留霊皇子とその兵士八十八人が、童子が捧げたこの水によって蘇ったことから、八十蘇場の水と呼ばれているそうです。また、この地で崩御された崇徳上皇のご遺体を、この水に浸して腐敗を防いだともされます。

この右側に、八十八名物ところてんの清水屋がありました。時間もないので、ここもパスします。

ここで道が二又に分かれていますが、右を示す古い道標がありました。右側が上り坂になっています。

少し登ると、カーブミラーにも遍路道の案内標識が出ていました。さらに登っていきます。

前年に車遍路で来た道とは違うこともあり、距離感が分からないのでこの辺りの坂は結構キツかったです。あとどれくらいかが具体的に分かれば、もっと心理的に楽なのでしょうが。

80メートルほど登っていくと、また道が二又になっています。今度は左を指しています。そして、登りはどうやらここで終わりのようでした。

左に入ってから60メートルほど進むと、何と天皇寺ではなく白峰宮と呼ばれる神社の裏手の方に出てきました。14時25分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206113605j:plain

※白峰宮裏口

香園寺直前の悪夢がよぎります。面倒だなあと思いながら、白峰宮の中を下っていきました。

めちゃくちゃ立派な楠?があったので、写真に撮っておきました。

f:id:nanbo-takayama:20220206113816j:plain

※立派な楠

神社の敷地を下っていくと、三輪鳥居に出ました。14時27分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206114153j:plain

※白峰宮の三輪鳥居

お寺は奥に見える本殿までの参道の、左右に伽藍が存在しています。鳥居の右側に天皇寺の石碑が建っていますが、その右側から入ったところが、天皇寺の駐車場です。本坊納経所もそちらにあります。

境内案内図や見所については、四国遍路 聖地巡礼のホームページ*5をご覧ください。

この三輪鳥居のところで中年夫婦にお会いしました。輪袈裟笈摺おいずるなどを着用されていましたが、挨拶しても返事はありませんでした。逆にむしろ避けられている感じです。

f:id:nanbo-takayama:20220206114350j:plain

※鳥居の右側が天皇寺の入口?

一度境内から出て、駐車場の方へと進みました。納経所の前にベンチがあったので、そこで参拝の準備をします。まあ、リュックは置いておくことにしました。だんだん私も大胆になってきています。

駐車場の側からこの赤門をくぐって神社の境内へと入りました。

f:id:nanbo-takayama:20220206124853j:plain

※赤門

神社の参道を横切って奥に進むと、本堂大師堂があります。まずは本堂納経をしました。

f:id:nanbo-takayama:20220206125000j:plain

※本堂

つづいて、大師堂納経をします。

f:id:nanbo-takayama:20220206125325j:plain

※大師堂

よくうちの母親が、私が部屋の掃除を面倒くさがると「(小さな部屋で掃除機をかけるなんて)あっち向いてこっち向いたらしまいやないの」と言うのですが、ここの本堂大師堂の位置関係はまさにそんな感じですね。

納経が終わったので、赤門をくぐって納経所へと戻りました。

f:id:nanbo-takayama:20220206125821j:plain

※赤門(白峰宮側)

納経所は窓口タイプでしたが、どなたもいらっしゃらなかったので、大きなベルを押してお呼びします。おばあさんが出てこられました。

おばあさんはお経か何かを唱えながら記帳・押印してくださいました。大師納経は、これまでのお寺ではもともとすでに書いてあったものをいただきましたが、ここではその場で書いてくださいました。

「歩き遍路ですか」というところから、少しお話をしました。「歩いていたらやはり感謝の気持ちというものが出てくるのではないですか」とおっしゃられたのですが、これは本当にそのとおりだと思います。以前にも書きましたが、これだけ歩いて回ってこれたというのは、健康で丈夫な身体に生んで育ててくださった両親があってのことです。また、金銭的な面に関してはこれまで関わってくださったすべての皆さんのおかげです。

おばあさんのお話はちょっと長かったのですが、やはり大勢のお遍路さんを見てこられたからでしょう、含蓄がありました。「日記か何かに残しておくとよいですよ」とのことでしたが、こうしてブログとして残させていただいています。

最後に「道は分かりますか?」と聞かれたのですが、「大丈夫です」と答えてしまいました。ここでも、素直に聞いておくということができない私でした。

窓口が閉まっておばあさんが奥に戻られ、私も出発の準備を整えます。ここでちょっと問題がありました。この段階で15時ちょっと前だったのですが、この日乗るバス停はここ天皇寺から10.3km先にあるのです。

16時36分のバスはとうてい間に合わないので、次の17時46分のバスに乗ろうと思います。しかし、そのバスに乗るためには、途中にある80番札所國分寺に参拝する時間が確保できなさそうでした。

もし國分寺に寄るとすれば、もう1本後の18時36分のバスに乗らなければなりません。そうするとホテルに到着するのは19時を過ぎてしまい、食事や入浴、洗濯などいろいろな面で後手後手に回ることになってしまいます。

悩むところです。ただ、翌日の81番札所白峯寺に行くには、80番札所國分寺の近くから山に入っていく道が正しい遍路道のようでした。

だったら、80番札所國分寺は、翌日に回すことができるわけです。ということで、この日は國分寺をあきらめ、もう一気にバス停を目指すことにしました。

15時ごろ天皇寺を出発し、「県立総合プール」バス停に向けて出発します。

79番札所天皇寺から「県立総合プール」バス停まで

15時ごろに79番札所天皇寺を出発して、「県立総合プール」バス停には17時9分に到着しました。ほぼGoogleマップと同じ速さです。これなら國分寺にも寄れたな、とも思いますが、途中で何かトラブルが起こったら17時46分のバスには間に合わなかったかもしれませんからね。まあ、これでいいでしょう。

15時ちょっと前だったと思いますが、天皇寺を出発しました。三輪鳥居から真っ直ぐ下っていったところに、普通の鳥居があります。

f:id:nanbo-takayama:20220206132538j:plain

※白峰宮鳥居

ここから100メートルほど下ると、道はJR予讃線と並行して走るようになります。200メートルほど歩くと目の前に国道11号線坂出丸亀バイパスの高架が出てきますので、そこを左に曲がりました。別宮踏切を渡ります。

なお、遍路道の案内標識は直進を指していましたが、私はGoogleマップに従って進むことにしました。

踏切を渡るとすぐに県道33号線に出るので、そこを右折です。県道を進んでいきました。

1.6kmほど県道を進んでいきます。右側にJR「鴨川駅」が出てくるので、そこで左に曲がりました。綾川にかかる綾川橋を渡ります。

綾川橋を渡るとすぐに右折して、川沿いの堤防の道を歩いていきました。

1.1kmほど歩いたと思います。だんだんこの道と国道11号線が近づいてくるので、エネオスが見えたところで左折して国道に出ました。今度は国道を南東へ進んでいきます。

すぐに山下うどんの看板が出てきました。15時40分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206133727j:plain

※山下うどんの看板

実は先程の道を直進すると、山下うどんの前を通ることができたのです。国道からならば、この看板のところを右に入れば大丈夫です。

前年に車遍路をした際には、この看板に釣られて右折し、山下うどんに寄らせていただきました。お遍路界では超有名なお店だと思います。

この後、南東に向かっていた国道は少し丘を登るような形になり、緩やかにカーブを描いて東を目指し始めました。丘を下っていくと、左手に池が出てきます。16時10分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220206134211j:plain

※関の池

この関の池の横を通る国道の南側には、フットバスのバスターミナルがありました。大阪や神戸までの高速バスを出している会社です。こんな高松市の中心部から外れたところからでも大阪に行けるんだな、とちょっと感心しました。

この後もひたすら国道11号線を歩いていきます。フットバスから2.4kmほど歩いたところの北側に、ローソン高松国分寺バイパス店があったので、トイレをお借りしました。飲み物もついでに購入しておきます。

ローソンから850メートルほど進んだところにファッションセンターしまむらがありましたが、その近くに徳島まで84kmの案内標識がありました。16時55分です。

f:id:nanbo-takayama:20220206134532j:plain

※徳島まで84kmの案内標識

3日あれば余裕で着けてしまう距離ですね。頑張れば2日で行けます。もうちょっと距離感覚がおかしくなっていますよね。

17時2分、県立総合プールらしき建物が見えてきました。

f:id:nanbo-takayama:20220206135054j:plain

※県立総合プール?

しまむらから750メートルほど進んだ交差点が、「御厩町県営プール前」交差点です。そこを左折して、中に入っていきました。

左折して140メートルほど歩くと、本津川に出ます。橋を渡るとすぐ左側が、県立総合プールです。

県立なのか県営なのかちょっと呼称が混乱していますが、Googleマップによると香川県総合水泳プールとなっています。ストリートビューで見ると、入口のところに「香川県立総合水泳プール」と書いてありました。これが正式名称ですね。

バス停を探します。プールの敷地内にあるのかと思ったのですが、そうではありませんでした。ちょっと東側の木々が生い茂ったところに、バス停らしきものが立っていました。

17時9分、「香川県立総合プール前」バス停に到着です。

f:id:nanbo-takayama:20220206135918j:plain

※「香川県立総合プール前」バス停

このバス停の名前もちょっと混乱がありますが、ことでんバスの路線図*6には「県立総合プール」と書いてありますので、ここでもその呼称を使わせてもらいます。

f:id:nanbo-takayama:20220206140354j:plain

※「県立総合プール」バス停時刻表

やはり次の便は17時46分ですね。40分近くここで待たなければなりません。

歩きを終えて

県立総合プール」バス停にはベンチもなかったので、香川県立総合水泳プールの方で待つことにしました。水泳教室に通っていると思われる子どもたちと、その母親が何組かいました。母親同士は立ち話をしていて、子どもたちは鬼ごっこのようなことをして遊んでいます。

しかし、こちらも外側にはベンチはありませんでした。仕方がないので、花壇の縁のようなところに腰掛けます。自動販売機はあったので、飲み物は購入しました。

20分も経っていなかったと思いますが、ことでんバスが1台やって来ました。ここに来るということは、ここから出発するのでしょう。しかし、バス停からちょっと外れたところで待機しているようでした。

さすがに10分前になったので心配になり、バスに近づいて運転手さんに窓越しに話かけます。「このバスは17時46分に出るバスですか?」と聞きますと、そうです、とのことでした。何でも、バス停のところは道が細くて長時間停まっていると迷惑になるため、こちらに停めて待っているとのことでした。「乗りますか?」と聞かれたので、乗せていただきました。きちんとした椅子に座れるのはありがたいです。また、お金も両替しておきました。「私は「中新町なかしんまち」で降りたいです」と伝えたのですが、なぜか話が通じませんでした。しばらくして運転手さんが「「中新町なかじんちょう」じゃないですか」と聞いてこられたので、読み方が間違っていることが分かりました。

いやしかし、「なかしんまち」でも話は通じると思うのですが……。

小銭を両替してから気がついたのですが、ICカードが使えるようです。その後、車内の広告などをよくよく見てみると、どうやらモバイルSuicaも使えるようでした。四国に来て、モバイルSuicaが使えるバスは初めて乗ります。

17時46分、定刻どおりにバスは出発しました。この路線はバス停の数は少ないのですが、ラッシュの時間と重なっていたこともあり、目的地まで結構時間がかかりました。40分以上かかって、「中新町」バス停に到着です。

最後は国道32号線を南から来て、「中新町交差点」を右折してバス停に停まったため、ホテルがどこなのかまったく方向すら分かりませんでした。とりあえず、交差点まで戻ります。

また、翌朝乗るバス停も探しておかなければなりません。交差点には横断歩道が存在せず、自転車も歩行者も一度地下へ降りていく必要がありました。

国道32号線の南側へと回ってみると、無事にバス停を発見することができました。すでに18時31分でした。

f:id:nanbo-takayama:20220206142347j:plain

※「中新町」バス停

この日80番札所國分寺を回れなかったこともあり、翌日は6時45分発のバスに乗ることにしました。

さあ、ホテルを目指しましょう。

この日泊まるホテルは、ここから400メートルほど北に進んだところにある、天然温泉玉藻の湯 ドーミーイン高松中央公園前です。また地下の交差点にもぐってから、北西側に出て、北上していきました。

18時45分ごろ、天然温泉玉藻の湯 ドーミーイン高松中央公園前に到着です。遅くなりました。

早速チェックインをします。高知市でもドーミーインに泊まったこともあり、勝手はよく分かっています。事前に精算していますが、入湯税だけここで払わないといけません。

部屋に戻り、夕食のことを考えます。お店に行っていると時間がかかるので、この日は向かいにあったファミリーマート高松亀井町店で購入することにしました。ビーフハンバーグ弁当598円と、海老ピラフおにぎり138円です。翌朝のパンも購入しておきました。

部屋に戻ってから、先にお風呂に行くことにします。大浴場は時間が遅くなると混んでくるので、早めに入っておくに越したことはないからです。ここはランドリー設備も大浴場に併設されているので、洗濯もついでに始めることにしました。

脱いだものもそのまま洗濯機に突っ込みます。その間に、ゆっくりと温泉に浸かりました。半露天風呂もあり、広さも高知のドーミーインよりも広いように思いました。

お風呂から上がり、洗濯物を今度は洗濯機にぶち込みます。部屋に戻り、夕食を食べました。その後、また大浴場に戻って洗濯物を回収します。宿に着いたのが遅かったので、慌ただしくなってしまいました。

翌日は4か寺打つことになったので、手早く予習を済ませます。4時半に起床するため、早めに就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:4か寺

納経代:1,200円

大師納経代:1,200円

宿情報

天然温泉玉藻の湯 ドーミーイン高松中央公園前

禁煙ダブルシングルユース(※連泊割) 

宿泊費:9,600円

室内に冷蔵庫・シャワー・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉

洗濯機・乾燥機あり(4台ずつ? 女性用は不明)

洗濯機無料、乾燥機300円(20分で100円)

アクセス:琴電「瓦町駅」から徒歩5分

コンビニ:徒歩2分

スタッフの対応は丁寧でよい。大浴場が広くてとても快適である。また、飲み物やアイスバーなどのサービスもよい。ただ、3日目の宿泊費が異常に高かったのがいただけない

バス情報

行き:なし

帰り:ことでんバス 「県立総合プール」~「中新町」 460円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:4,966kcal

距離  :36.1km

歩数  :52,157歩

※31日目からスマホアプリの記録なし

 

歩き遍路 35日目  ◁ 歩き遍路 36日目 ▷ 歩き遍路 37日目

最終更新:2022.2.8