先日完結した四国八十八ヶ所 歩き遍路の旅に関するレポートですが、今後歩き遍路に挑戦される方のためにいくつかまとめ記事を作成しておきたいと思います。
まとめ記事2 40日間の宿のすべて
第2回目は、「40日間の宿のすべて」です。
まずは、次の一覧表をご覧ください。
上の表のとおり、40泊41日の旅程において、総宿泊費は297,903円、1日平均7,448円となりました。もっと高いかと思っていましたが、意外と安く済んで驚いています。
一般的な遍路宿ですと、6,500円前後の宿泊費で夕食・昼食が付きますが、私の場合はすべて素泊まりでした。ですから、素泊まりと考えるならば高いかもしれません。
宿選びの個人的ポイント
今回四国八十八ヶ所の歩き遍路を始めるに当たり、40泊41日の計画表を事前に作成し、ほぼ計画どおりに実行することができました。そのなかで40泊の宿泊先を決めましたが、それは遍路道の途中にあるということを前提とせず、連泊をなるべく増やすということを考えていました。結果的に、都市部のシティホテルに宿泊することが多くなったと思います。
では、私が宿選びのポイントとしたところを挙げていきましょう。
Ⅰ 部屋にトイレがあるかどうか
私はお腹が弱いので、朝のトイレに結構時間がかかってしまいます。遍路宿などトイレが共有の場合、他の方にもご迷惑がかかってしまうので、部屋にトイレがあるかどうかは最優先のポイントでした。
Ⅱ 大浴場があるかどうか 温泉ならばなお良し
毎日30km前後歩いていくので、疲労はかなり蓄積されていきます。足を伸ばして大きなお風呂にゆっくり浸かることができれば、疲労回復やリラックス効果が相当見込めます。なるべく大浴場があるところを探しましたが、温泉だったら最高!と思い探していました。
Ⅲ 洗濯機・乾燥機があるかどうか
40泊41日の旅のなかで、36日は洗濯をしたと思います。計画段階では1日置きと考えていたのですが、真夏の炎天下汗だくになった洗濯物を放置することにためらいが生じ、設備がある限りは洗濯を行うことにしました。
正直、価格のことはあまり考えておらず、上のポイントを中心に宿泊先を選びました。結果的にホテルが多くなりましたが、それはⅠの「部屋にトイレがあるかどうか」というポイントが最優先されたことから、そのようになったと思われます。
客観的データによる宿ランキング
ここからは、今回宿泊したホテルの客観的なデータによるランキングを発表していきたいと思います。
価格の安さランキング
ベスト5は、以下のとおりです!
第1位 ホテルしみず(8/7、8/8) 4,500円
第2位 ビジネスホテルケアンズ(7/27) 4,800円
第3位 ターミナルホテル東予(8/19、8/20) 4,900円
第4位 いろは会館(8/24) 5,000円
第5位 ホテルAZ愛媛内子店(8/13) 5,280円
純粋に価格面のみで判断しました。設備面で大浴場がないホテルしみずや、ビジネスホテルケアンズが上位に入ってきました。その中で、大浴場やレストランが併設されているターミナルホテル東予が第3位に入っているのは大健闘かと思われます。
アクセスの便利さランキング
ベスト5は、以下のとおりです!
第1位 ビジネスホテルケアンズ JR「日和佐駅」の目の前
第2位 阿波池田駅前ホテルイレブン JR「阿波池田駅」から徒歩1分
第3位 ホテルサンルート徳島 JR「徳島駅」から徒歩1分
第4位 ホテルTAMAI 土佐くろしお鉄道「安芸駅」から徒歩5分
第5位 ドーミーイン高知 とさでん交通「蓮池町通り電停」から徒歩5分
電車の駅からの近さでランキングしました。このランキングに関しては、トップ3がJRの駅近ということで、群を抜いています。とくにホテルサンルート徳島の利便性の良さはダントツで、JR、路線バス、高速バスのハブステーションにもなっています。
コンビニの近さランキング
ベスト5は、以下のとおりです!
第1位 ホテルサンルート徳島 建物内併設
第1位 ドーミーイン高知 建物内併設
第3位 阿波池田駅前ホテルイレブン 徒歩1分
第4位 ホテルサンパール 徒歩約1分
第5位 ドーミーイン高松中央公園前 徒歩2分
建物内に併設されているホテルサンルート徳島とドーミーイン高知が同率で1位となりました。第3位から第5位の3つも、道路を挟んでほぼ向かいにあるという近さです。結果、道路の幅や信号の有無などで順位が分かれました。
独断と偏見による宿ランキング
ここからは、完全に私の主観による、独断と偏見によるランキングを発表していきたいと思います。
コストパフォーマンス・ランキング
ベスト3は、以下のとおりです!
第1位 ターミナルホテル東予(8/19、8/20) 4,900円 大浴場あり
第2位 かんぽの宿 観音寺(8/23) 5,500円 大浴場あり。温泉
第3位 ドーミーイン高知(8/1) 5,391円 大浴場あり。温泉
宿泊代と設備を天秤にかけ、完全に主観で決定しました。
1位のターミナルホテル東予の大浴場は時間制で大きさもそれほどではありませんが、レストランも併設されており、十分な設備です。
2位のかんぽの宿 観音寺の温泉はさすがの大きさで、立派でした。部屋も広く、この値段で泊まれるのは素晴らしいの一言です。
3位のドーミーイン高知は日によって価格が変わりますが、8月1日の宿泊代は激安でした。
ホスピタリティ・ランキング
ベスト3は、以下のとおりです!
第1位 岬観光ホテル
第2位 今治国際ホテル
第3位 ホテルTAMAI
私が実際に宿泊した際に、どれだけホスピタリティを感じたかのランキングです。
1位の岬観光ホテルは、ホテルというよりは小さな旅館のような感じですが、その分ホスピタリティは最高でした。私の食の好みまで考えてくださったり、バスに乗ってからも見送ってくださったり、とにかく素晴らしかったです。従業員の方が気さくに話かけてくださるのも、うれしかったですね。
2位の今治国際ホテルは、さすがのクオリティです。3つ星ホテルは他にもありましたが、比較になりませんでした。大浴場のスタッフのサービスは、素晴らしいの一言に尽きます。
3位のホテルTAMAIは、急な部屋変更に応じてくださり、感謝の言葉しかありません。隣の部屋がオリンピックのサッカーで盛り上がっていて、騒がしかったのでした。
リピートしたいランキング
ベスト3は、以下のとおりです!
第1位 今治国際ホテル
第2位 ホテルサンルート徳島
第3位 岬観光ホテル
四国を訪れた際に、また泊まりたいホテルのランキングです。
1位の今治国際ホテルは高級感とそれに比しての割安感、ホテルの設備とスタッフのホスピタリティ、どれをとっても唯一無二の存在感でした。今治に泊まる機会があれば絶対にまた泊まります。ホテル内にプールやジム、高級ブティックなどもあって、今治で一番グレードの高いホテルではないでしょうか。
2位のホテルサンルート徳島は、すでに徳島における常宿となっています。駅前過ぎて駐車場が不便な面がありますが、駅やバス停からもすぐという立地のよさがあります。ホテル内にコンビニがあり、周辺には飲食店も多いので食にも困りません。お遍路を始めてからすでに私は8泊もしています。
3位の岬観光ホテルは、ホスピタリティの高さと人情味にあふれ、居心地が一番よかったホテルでした。室戸岬周辺には宿の選択肢が少なく、この地域を再訪するならば確実にここに泊まるでしょう。施設は古く、老朽化は否めませんが、水回りは新しくしていて清潔感がありました。
最後に
歩きお遍路をするにおいて、どこに泊まるかというのはとても大きな問題だと思います。私もお腹の心配さえなければ、遍路宿に泊まり他の歩き遍路の方と交流したいところでしたが、2021年の夏は歩き遍路は少なく、また遍路宿も休んでおられるところが多かったので、結果としては私のスタイルがベストだったように思います。
遍路宿のなかには廃業されたところも増えていると聞きます。高齢化で後継者問題があったところに、コロナ禍が追い打ちをかけた状況でした。
しかし遍路宿は遍路道の途中にあり、歩く行程の関係上、そこしか選択肢がない、ということが多いので、休業や廃業は歩き遍路にとっても死活問題となります。
そうした状況のなかで、私の歩き遍路の宿選びは、新たなスタイルの提起になったのではないでしょうか。バスや電車といった公共交通機関を駆使すれば、遍路道の途中ではないところでも宿泊することができるわけです。
このスタイルは、遍路宿のような宿を苦手としておられる方にも参考にしていただけると思います。夕食をみんなで囲むというのは遍路宿の醍醐味でもありますが、人間づきあいを苦手としている方にとっては、苦痛となるでしょう。私のようなシティホテル中心の宿泊スタイルならば、一人で気楽に過ごすことができます。
お遍路といっても、絶対にこうでなければならない、ということはないので、皆さんも自分にあったスタイルを考えてもらえればいいと思います。
というわけで皆さん! Let's start the Pilgrimage West!