西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

西国三十三所 2022年特別拝観 総持寺 秘仏本尊千手観世音菩薩像を拝観してきました!

二十二番札所 総持寺

2022年5月22日、二十二番札所総持寺秘仏本尊特別御開扉に行ってきました! 西国三十三所 草創1300年記念の特別拝観の一環で、秘仏本尊の千手観世音菩薩像を拝観することができます。こちらの千手観世音菩薩さまは何と亀の上に乗っておられるという珍しいお姿です。写真では拝見したことがありますが、実物はどのような感じなのでしょうか。

南坊の巡礼記「総持寺特別拝観」(2022.5.22)

今年は初詣ですでに総持寺を参拝させていただきましたが、特別拝観として5月、6月の日曜日に秘仏本尊特別御開扉が行われています。すでに私も公認先達せんだつとなったからには、積極的に様々な情報を広めていく必要があるでしょう。というわけで、自宅から30分ほどかけて総持寺まで行ってまいりました。

二十二番札所 総持寺 秘仏本尊特別御開扉

ご本尊特別開扉に興味があったのはもちろんなのですが、実はこの日はもう一つ別の理由もありました。今後学校行事で校外学習や体育祭が行われるのですが、今年になってから青空の下で長時間活動するということがありませんでした。ということから、暑熱順化の意味合いも込めての参拝です。ちょっと失礼な動機でしょうか。

総持寺までは、阪急電鉄の「総持寺駅」から歩いて10分もかかりません。駐車場の前を通りましたが、車は7割程度しか停まっていませんでした。参拝時間が16時までで、15時半ごろに到着しましたので、すでに人が少なくなってしまっているのかもしれません。

総持寺では、先月も15日から21日までの7日間にわたって特別御開扉をやっていましたので、参拝者がすでに減ってしまっている可能性もありますね。興福寺南円堂は年に1日だけの公開ですから、その日に多くの人が殺到しますが、総持寺のようにこれだけ日数をとってくださっていると分散してくれるのでありがたいです。

総持寺は町中にあるお寺ですが、伽藍はかなり大きく、地域での位置づけとしては葛井寺に似ているでしょうか。駅から近いことや、お寺の名前が駅名の由来になっていることも共通しています。門前町が市街地になったというところでしょうか。

※山門

山門前では、リュックを背負った男性が熱心に写真を撮っておられました。階段の脇に先達頭陀袋を置き、笈摺おいずる先達専用の輪袈裟を着用しました。被っていた帽子は脱いでから、山門をくぐります。

※総持寺境内

すぐ正面奥には本堂があります。行列になっているのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。ただ、ちらほらと何組かは内陣の中から出てこられました。どうやら、特別御開扉をご覧になった方々のようです。

※本堂

私もすぐに入ろうとしてしまったのですが、よくよく考えると参拝を先にすべきだと思い、ローソクをローソク立てに立て、お線香を香炉に立てました。階段を上がり、お賽銭を入れてから、読経を始めます。私が読経している間にも、子連れの方が何組か参拝されました。しかし、内陣に入ろうとされた方はいらっしゃいませんでした。

のんびりと一人で内陣に入ります。入るとすぐ左側に受付がありました。余りにもすぐのところにあったので、最初は気づかなかったくらいです。しかしお声をかけてくださったので、500円をお支払いし、中に入らせていただきました。縁起などが書かれた1枚もののパンフレットと、お守りをくださいます。

内陣を奥に進むと、右側に内々陣に入る入り口がありました。中に入ります。

ご本尊の前には笈摺を着た女性がおられ、熱心にお経を唱えておられました。とりあえず、後から誰かが来る様子もなかったので、手前で待つことにします。実はすぐ手前にはお前立ちが祀られていて、そちらをゆっくりと拝観させていただくことができました。

お前立ちはさすがに普段から拝観することができるだけあって、年季が入ったお姿をしておられます。二酸化炭素や汗などの湿気にもさらされるからでしょうか。黒くなっておられて、逆にありがたみが増しているように思いました。

一方の秘仏本尊は、とても美しいお姿をしておられます。保存状態がいいのでしょう。平安時代の作とされていますが、とてもそうは思えないくらいのキレイさです。とくに台座となっている亀の状態が良かったように思いました。

※圓教寺参道にあるご本尊の写し

亀にはなぜか耳があり、独特の愛嬌があります。これは是非ご自分の目で見ていただいた方がいいですね。

私の前で読経をしておられた女性は、私に譲った後もまたご本尊の前に立たれ、熱心に読経を再開しておられました。もしかすると観音経を全部唱えておられたのかもしれません。観音経はかなり長いお経ですからね。

私は般若心経を1回だけ唱えて、ご本尊の前から離れました。内々陣を右から出て、内陣を受付のところまで戻ります。丁重にお礼を言って、外に出ました。どうやら私の後はどなたも入ってこられなかったようでした。

本堂内陣から出た後は、大師堂を参拝しました。さらに、高野山特別遙拝所遙拝をしてから、納経所へ向かいます。

納経所は空いていたというか、どなたもおられませんでした。少しお守りを物色したのですが、結局内陣でいただいたものがあるので購入はやめておき、お坊さまのおられる窓口へと向かいます。3人いらっしゃって、左の方は違うお仕事をされていてお忙しそうだったので、真ん中の方にお願いします。若い女性ではないので、お願いしやすいです。

ここで一つ、私が勘違いしていたことがありました。実は西国観音曼荼羅の台紙と八角形の納経用紙をいただけると思っていたのですが、総持寺さんではやっていなかったのです。ただ、お坊さまのお話では3月まではいただけたそうです。惜しかったですね。

というわけで、納経軸ご朱印をいただきました。これから4回満願すれば、中先達に昇任することができます。長い道のりの第一歩となりました。

これでこの日の参拝は無事に終わりました。

※本堂の様子

今回は時間が夕方だったということもあり、人も少なくて参拝は非常にやりやすかったです。これから6月に入ると終わりが近づいてくるので、人が増えてくるかもしれませんね。是非、早めの参拝をお勧めします。

総持寺秘仏本尊特別御開扉データ

期間   :2022年5月、6月の日曜日

開扉時間 :9:00~16:00

特別拝観料:500円

 

今年は忙しい一年になりそうですが、早い段階で特別拝観に行くことができて良かったです。普段拝顔することができない仏さまを拝見することができるのは、人生においても貴重な経験ですね。歴史が長い仏像なら、どのような人々が拝顔してきたのか、なおのこと想像力を掻き立てられます。暑いなか歩いていって、良かったです。

というわけで皆さんも! Let's start the Pilgrimage West!