2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の感染が世界的規模で拡大しました。
これに伴い、日本でも2020年4月7日から5月25日まで、また2021年1月7日から3月21日まで緊急事態宣言が発出されました。
新しい生活様式にのっとり、感染拡大防止の観点から、巡礼においてもご留意いただきたいと思います。
以下、コロナ禍における巡礼のガイドラインを記したいと思います。
なお、このガイドラインは、厚生労働省ホームページ*1、四国八十八ヶ所霊場会ホームページ*2、興福寺ホームページ*3を参考に作成させていただいております。
参拝見合わせの基準について
- 参拝当日、ご自身に発熱や呼吸器疾患の症状がある場合や、ご家族にも同様の症状がある場合、参拝を見合わせましょう。
- 各寺院に検温機器が設置されており、検温の協力が求められるならば必ず検温に協力してください。検温の結果、発熱が認められた場合、参拝を見合わせましょう。
マスクの着用について
- 境内においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、マスクを必ず着用しましょう。なお、病気や体質のためマスクを着用することが困難な場合は、混む時間帯を避けるなど、自分のため、周りの方々のためにご配慮ください。
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山道を登る場合などの心肺能力に負荷のかかる状況や、熱中症の危険性がある状況では、マスクを適切に外すことで自らの健康を維持しなければなりません。その場合も、周囲に配慮してマスクを外すようにしましょう。
手水の利用について
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新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止については、「手洗い」の有効性が科学的に実証されており、厚生労働省も「手洗い」を推奨しています。手水を利用して、手に付着している可能性があるウイルスを除去することは効果的です。ただし、共用の柄杓ひしゃくを利用することで、逆にウイルスと接触する可能性があります。実際、西国三十三所の多くの寺院では柄杓を撤去しておられます。なるべくご自宅で手を洗い、また入山前にはアルコールのウェットティッシュ等で手を拭うなど、従来の作法にこだわるのではなく、時代・状況にマッチした作法を行いましょう。
- 従来の作法では、参拝前に手水を使い「口を漱ぐ」ことがすすめられています。しかし、共用の洗面所でうがいや歯磨きを行っていたことによるクラスターの発生が確認されています。これは、エアロゾル感染というものです*4。このようなエアロゾル感染を避ける観点からも、やはりご自宅で口を漱いできていただき、手水で「口を漱ぐ」ことは当面避けましょう。
その他のマナーについて
- 本堂や会館等に入堂・入館される場合、必ずアルコールによる消毒をしましょう。
- 周囲の方々と、なるべく距離をとりましょう。
- 飛沫感染防止の観点から、大きな声での会話を控えましょう。
- 鰐口や撞木の紐など、多くの方が触れられるものに触れる際には、必ずアルコール消毒をしましょう。
皆さんも、お互いにマナーを守り、コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を徹底したうえで、心癒される巡礼に臨んでいただきたいと思います。
*1:厚生労働省「新型コロナウイルス感染予防のために」 2021.3.20閲覧
*2: 四国八十八ヶ所霊場会「ウィズコロナ時代のお詣り作法(お願い)」 2021.3.20閲覧
*3:興福寺「現在のご拝観について」 2021.3.20閲覧
*4:NHK「あさいち」2021年1月26日放送回 2021.3.20閲覧