2024年5月6日(月)、比叡山ナイトウォークに参加してきました! 前年の大雨でのナイトウォークから早1年、今年は天気面でのリベンジを期しての参加です。果たして、今年は天候に恵まれたのでしょうか?
~回峰行の道を辿る~ 比叡山ナイトウォークに参加しました! 前日編(2024年5月)
2024年5月5日(日)、延暦寺会館に宿泊し、5月6日(月)の深夜2時に出発する比叡山ナイトウォークに参加しました。ナイトウォークというかわいらしい名前ですが、実は相当ハードな苦行である、ということは昨年度のレポートに記したとおりです。
www.saigoku-ohenro.com(2024.5.19閲覧)
これから、今年の様子をレポートいたします!
ナイトウォーク前日(5/5)
今年もナイトウォークのシーズンがやって参りました。今年は下記の日程で開催されています(第1回、第2回は終了)。
第1回:令和6年4月13日(土)~14日(日) →終了
第2回:令和6年5月5日(日)~6日(月・祝) →終了。南坊が参加
第3回:令和6年6月1日(土)~2日(日) →募集中(2024.5.19現在)*1
この第2回の日程に私も参加したわけです。第2回を選んでいる理由はいろいろありますが、やはり気候が一番良さそう、というのが大きいでしょうか。夜の比叡山ですから、4月はまだまだ寒そうです。おそらく10度を下回るでしょう。また、6月になってくると梅雨入りも近く、天候面での心配があります。また、昨今の地球温暖化で暑くなり過ぎているという可能性もありますよね。
というわけで、前年は第2回、5月開催に参加したわけですが、思わぬ大雨に遭遇してしまいました。晴れていたらどういうコンディションだったのか、ということがかなり気になっていました。「巡礼ヤー」として巡礼の啓蒙活動をおこなっている私としては、晴れていた場合のレポートもしなければ、ということで2年連続の参加となりました。
2024年5月5日(日)、この日は日曜日であったことから、ゆっくりと家で起床しました。前年は土・日開催であったため、授業を4時間やってから出発したものでした。その後に、大雨の中を歩いたわけですから、今から考えると相当頑張っていたと思います。
ただ今年は4連休で、休みとはいえ、なかなかハードなスケジュールで過ごしていました。1日目の5月3日(金)は奈良国立博物館で開催されていた特別展「空海展」を拝観。2日目の5月4日(土)は実家で会食。そして、3日目の5月5日(日)と4日目の5月6日(月)がこのナイトウォークです。我ながら行動的だなあと思います。
実は私は「巡礼ヤー」で四国八十八ヶ所も歩いて結願した身でありながら、なかなかのインドア派で、前年までの日曜日はほとんど外出していなかったのです。ところが今年は、職場が変わり土・日休みとなりましたので、体力にも余裕が生まれてきていました。
また、電車で通勤している関係上、前年までの車通勤と比べると普段の運動量がかなり増しています。例えば、京都市営地下鉄の「四条駅」の階段を、一段飛ばしで駆け上がるなどしています。お蔭様で、かなり体力そのものが向上してきました。
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題に入っていきましょう。前年に参加している関係上、今年は特に新しく購入するものはなしです。ナイトウォークに参加するために購入したものに関しては、昨年のレポートを参考にしてください。
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13時ちょっと前に出発する予定で準備をしました。ところが、結局準備が遅れてしまい、出発時間が20分ほど遅くなってしまいました。ちょっと余裕をこきすぎましたね。
13時33分、「円明寺ヶ丘」バス停発の阪急バスに乗り込み、JR「長岡京駅」を目指します。
比叡山に行く場合は、西から叡山ロープウェイで登る方法と、東から坂本ケーブルで登る方法とがあります。以前から私のブログを読んでいただいている方ならお分かりだと思いますが、当然ロープウェイは避けて、坂本ケーブル一択です。
となると、JRで「比叡山坂本駅」まで行く必要がありますから、家から出発する際もJRに乗るのがベストなわけです。
ただ残念ながら私の最寄り駅は阪急電鉄の「西山天王山駅」です。バスで、JRの駅を目指しましょう。
この辺を走るバスは循環バスになっており、なぜか私の家から駅まで遠回りの路線の方が本数が多く、近道の路線の方が本数が少なくなっています。ということから、この日も遠回り路線での出発でした。
正確な時間はメモしていませんが、予定どおりだったとすれば、13時54分にJR「長岡京駅」西口に到着です。
※JR「長岡京駅」
乗る電車は14時9分発の「野洲」行です。予定どおり、電車に乗ることができました。このあと、「京都駅」で湖西線に乗り換えました。ここまで、ずっと座ることができたのは幸いでした。
14時42分、「比叡山坂本駅」に到着しました。
※「比叡山坂本駅」からの景色
さて、駅から外に出ます。相変わらず、のんびりとした駅です。ベンチに座ってボーっと待ちました。
15時8分、「ケーブル坂本駅」行のバスに乗り込み、出発です。バスは駅の東口からぐるっと回り、山の方へと向かいます。例によって道が細くなっている日吉大社の二の鳥居をくぐり、そのまま15時15分ごろには「ケーブル坂本駅」に到着しました。ここから、ケーブルカーに乗り換えます。
※比叡山坂本ケーブル「ケーブル坂本駅」
前回と違って、太陽が眩しいですね。
15時30分発のケーブルカーに乗り込みます。前は私一人だけでしたが、今回は他にも乗客の方がいらっしゃいました。
※ケーブルカー内の様子
昨年どうだったかを憶えていないのですが、どうやら降りる人がいない場合、途中の駅には止まらないようです。途中には、「ほうらい丘駅」と「もたて山駅」があります。
ケーブルのちょうど真ん中辺りでしょうか、例によって行き違いがあります。
※ケーブル途中の行き違い
ここで動画にとって Instagram に上げようかなと思ったのですが、スマホの撮影モードの切り替えがうまくいかず、あらぬ方向を撮ってしまってました。
そうこうしているうちに、到着です。わずか11分の乗車ですので、あっけないものです。
「ケーブル延暦寺駅」を降りるとすぐに展望スペースがあるのですが、この日は快晴だったので、非常にキレイな景色がとれました。竹生島は映っているんでしょうかね。
※「ケーブル延暦寺駅」からの風景
一応ケーブルカー内の放送では竹生島が見えると言っているのですが、目も悪いので見えそうにないですね。
ここから、延暦寺会館のある東塔地域を目指します。荷物は重いですが、天気がいいので足取りは軽いです。
10分もしないうちに東塔地域の拝観券売り場に到着しました。前回も無料で入ることができましたが、今回も無事にスルーできました。延暦寺は遅い時間には無料で入れるということなのでしょうか。まあ、私の場合は延暦寺会館に泊まりますので、拝観料なんて問題にならないほどの高額のお金を支払っていますが。
※東塔地域の境内の様子
上の写真で15時50分です。日陰を抜けたところが広場のようになっていて、左に下ると東塔地域の本堂である根本中堂があります。荷物が重かったので、後で拝観しようと思い、まずは延暦寺会館を目指します。広場をそのまま抜けて、まっすぐ下っていくと、右側に書院が見えてきました。
※書院までの参道 奥に延暦寺会館が見える
15時52分、延暦寺会館に到着です。トップの写真が延暦寺会館ですね。
さて、中に入り受付です。
昨年は支配人のОさんが受付の机を用意しておられ、そこで名前にチェックを入れておられましたが、今年はそういうものがありませんでした。仕方なくフロントに申し出ます。まるで普通のホテルのチェックインのようですが、昨年と同じように資料などをいただきました。まあ、勝手は分かっていますので、問題ないです。
ただ、根本中堂が拝観時間が何時までかをうかがうと、16時までとのことでしたので、参拝はあきらめました。部屋でゆっくりすることにします。
ナイトウォーク前日・開講式(5/5)
開講式があるため、16時50分ごろには大広間「瑞峰」へと到着しました。昨年と同様、VTRを流す準備などもされています。
ここでまた己の不明に気がつきました。眼鏡を忘れていたのです。いや、正確には忘れていたというよりは、あえて持ってきていなかったのです。出発前に、車にも乗らないし、歩いている時も眼鏡はいらないだろう!とわざと置いてきてしまったのでした。来年こそは、絶対に眼鏡を持ってきます。
といった事情もあり、なるべく前の方に座ろうと思い、一番奥の左側、最前列に座りました。まだ3分の1くらいしか席は埋まってなかったように思います。ちなみに席といっても座布団です。私は正座していましたが、足を崩しておられる方のほうが多かったように思います。この辺が「巡礼ヤー」とただの山男・山ガールの違いでしょうか。
内容は、前年とほぼほぼ同じでした。最初に見るのが、やはり三重テレビ放送で制作されたと思われる「芭蕉が詠む 祈りの心」でした。松平健さんが松尾芭蕉に扮して、最初と最後にちらっと登場され、またナレーションを担当しておられます。この番組、他の回も見てみたいほど興味深いですね。
番組では、百人一首で有名な慈円大僧正の「世の中に 山てふ山は 多かれど、山とは比叡の 御山(みやま)をぞいふ」の歌も紹介されていました。関東の人にとっては山とは富士山、近畿地方南部の人にとっては高野山でしょうが、都の人にとっては山とは比叡山のことですよね。私も車で京都から滋賀に出るために、何度も比叡山を越えました。
さて、VTR中で説明されていたことを簡潔にまとめます。千日回峰行では、7年をかけて4万kmを歩くそうです。1年目から3年目までは100日ずつ、4年目、5年目は200日歩くとのことで、ちょっと6年目、7年目は確認できませんでした。500日目以降、つまり5年目からは桧笠、杖を持てるようになるそうです。
行者は八葉の蓮華の草鞋を履き、お不動さんと同じ短剣を持って歩くそうですが、一説には失敗したときにその短剣で自らの命を絶つとも言われています。織田信長による比叡山焼き討ち以来50人、戦後は13人が達成したとVTRで説明がありましたが、VTR中で修行中だった釜堀行者が成功されたようですので、戦後14人目ということなのでしょう。
VTRの最後の方で、松尾芭蕉の言葉が述べられていました。「古人のあとを求めず、古人の求めるところを求めよ」。
なるほど、我々も先達のみなさんの真似をするのではなく、先達のみなさんの求められていた精神を見習おうということですね。
律法を形式的に守るのではなく、律法の意味を考えなさいというイエス=キリストの教えにも似ています。その道の大家と言われる方の考えることは、洋の東西や時代を問わずに共通しているのかもしれませんね。
ナイトウォーク前日・就寝まで(5/5)
この後、18時から「非食」ということで、「食べない」と言っていますが実際には夕食となります。準備がまだできておらず、しばらくレストランの前でみなさん手持無沙汰に待つことになりました。
※レストランの近くのスペース
18時になり、レストランに入ります。遠慮しがちな私はおじさんの前に座りました。SNSでも話題になっていますが、女性の隣や前に座ると何を書かれるか分かりませんからね。
ただ、明るいのがうれしいですね。前年は雨のためすでに暗くなっており、気分も暗くなったものですが、今年は明るいです。
さて、いよいよ食事です。前年はお坊さまが修行だから食事中には話してはいけないみたいなことをおっしゃっておられたため、誰も話すことなく終わりましたが、今年はそういう話がなかったにも関わらず、ほとんどみなさんお話せずに終わりました。ただ、親子で参加されている女性の方が2組ほどいらっしゃったので、その方々は少しお話しておられました。
また、前年はお代わりができず、物足りなく思っていましたが、今年はお代わりできました。なんか内容も少しグレードアップしていたように思います。1杯だけですがお代わりした結果お腹がいっぱいになり過ぎてしまい、失敗したように思いました。
あと追加情報ですが、今年はナイトウィーク参加者以外の方も宿泊しておられるように思いました。別のところに食事が用意されていて、ナイトウォーク参加者の方がそこに座ろうとすると、そこは違います、と言われていたからです。確かにナイトウォークの人だけの貸し切りにすると、GW中にもかかわらず回転率が低くなってしまいますからね。ナイトウォークは最大60人しか参加できませんから。
その後、部屋に戻り大浴場に向かいました。結局お風呂でも誰もしゃべる人がおらず、静かに部屋に戻りました。タオルは大浴場の外に用意されていますし、ウォーターサーバーもあります。快適でした。
部屋に戻り、翌日の、と言っても午前2時出発ですが、準備を整えます。午後9時からはNHKの大河ドラマ「光る君へ」を見て、その後すぐに就寝しました。翌日は、0時45分に起床予定です。
ということで、前日編は終了です。次回、当日編をお送りします!
*1:延暦寺会館ホームページ「令和6年 ~回峰行の道を辿る~ 比叡山ナイトウォーク」2024.5.19閲覧