西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

比叡山ナイトウォークに参加しました!(準備編)

延暦寺会館

2023年5月7日(日)、比叡山ナイトウォークに参加してきました! 1週間ほど前から当日は大雨の予報でしたが、いったどうなったのでしょうか。まずは準備編です!

~回峰行の道を辿る~ 比叡山ナイトウォークに参加しました!(準備編)

2023年5月6日(土)、延暦寺会館に宿泊し、5月7日(日)の深夜2時に出発する比叡山ナイトウォークに参加しました。ナイトウォークというかわいらしい名前ですが、実は相当ハードな苦行でした。

ナイトウォーク事前準備

2023年の2月から3月にかけて、比叡山延暦寺の紹介記事を3本アップしました。比叡山のお山はすべてが延暦寺境内となっており、おもな伽藍は3つの地域に分かれています。「東塔地域」「西塔地域」「横川地域」の3つです。この記事を書いている間、比叡山のホームページをたびたびチェックしていたことから、今回の旅は始まります。

おそらく「東塔地域」の記事を執筆していた時だったと思います。延暦寺会館を調べていた際、比叡山ナイトウォークのパンフレットを目にしました。どうやらその時はスルーしていたようなのですが、その存在は心に留め置きました。

その後、今年度の予定が明らかになったことから、ナイトウォークへの参加を決意します。2023年3月15日(水)、延暦寺会館のホームページから、比叡山ナイトウォークへの参加を申し込みました。

さすがにGW中であり、本館お部屋タイプお任せ(個室)21,000円~28,000円のうち、私の場合は28,000円の個室となりました。なお、費用をおさえたい方は、別館大部屋(相部屋)17,000円もあります。プライバシーは保てないかもしれませんが。

さてこのナイトウォークですが、かわいらしいネーミングに反して、かなりガチな感じがします。ちょっと、ホームページ*1に掲載されている注意事項を掲載しておきましょう。

★注意事項 ※必ずお読みください

▶ 通常の登山と異なり山上から山麓へ一度下り、休憩後再び山上へと向かう約7時間の巡礼コースです。
▶ 救護用の伴走車が随行しますが、体力に自信のない方は極力参加をご遠慮ください。
▶ 深夜からの出峰のため懐中電灯は必ずご持参ください。
▶ 懐中電灯は肩からたすき掛けとし、頭部に装着するものは使用不可となります。
▶ ウォーキング途中の休憩時に飲料の提供はいたしますが、ご自身でもご持参ください。
▶ 動きやすい服装でのご参加をお願いします。(登山用の服装や靴、スポーツウェア等)
▶ 修行であることを念頭に住職・係員の指示に従ってください。
▶ 無料送迎バスは運行しておりません。当日は公共交通機関もしくはマイカーでお越しください。

また、持ち物等のご案内も掲載しておきます。

ナイトウォークに参加されるにあたり“持参必要な物” “あると便利な物”のご案内申し上げます。

 

◆持参必要な物

① 懐中電灯(ヘッドライト不可)

② 雨ガッパ(傘は使用不可)

③ 登山に適した靴 ※通常の運動靴、スニーカーは滑りやすい為お控えください。

④ ハンドタオル

⑤ 着替え ※帰館後、お風呂をご用意いたしますのでご持参ください。

⑥ 常備薬 ※持病がある方はお持ちください。

⑦ リュックサック ※両手が空くようにお願いいたします。

⑧ 動きやすい服装(登山用服装 又は スポーツウェア)

◆あると便利な物

① トレッキングポール ※トレッキングポール以外の杖などは不可

② くるぶしより上の長さで厚めの靴下 ※短めの靴下はお控えください

③ テーピング・絆創膏等の救急セット

④ 目覚まし ※深夜に出発します、お部屋に目覚ましはございませんのでご注意ください

⑤ 肌の露出を抑えた服(虫予防)

 

ナイトウォークは舗装されていない道がほぼ続きます
山内を歩く為に適した服装でお越しくださいますようよろしくお願いいたします。

いろいろ疑問点や突っ込みたいところがおありだと思います。それは、今回の記事と次回の記事で少しずつ明らかにしていきたいと思います。

さて、このナイトウォークなのですが、東塔から西塔横川をめぐり、いったん麓の坂本まで降りていきます。その後、再度山に登って延暦寺会館に帰ってくるのですが、この最後の山登りの段階でAコースとBコースに分かれています。Aコースは徒歩で山に登るルート、Bコースは日吉大社を案内付きで参拝し、ケーブルカーにて山に登るというルートです。実は私、申込時にどちらにするかお伝えするのを忘れておりました。

そのため、4月6日(木)に延暦寺会館の営業支配人岡さまからお問い合わせのメールをいただきました。それで、その回答ついでに、一つ疑問に思っていたことを問い合わせることにしました。それは、杖のことです。

実は私は西国三十三所、四国八十八ヶ所の巡礼で金剛杖を愛用しております。杉材の金剛杖で、般若心経が書かれており、私にとっては巡礼の相棒とも言うべきしろものです。そのため、今回もこれを使用しようと思っていたのですが、「あると便利なものリスト」の中に「トレッキングポール」があり、その注意事項として「※トレッキングポール以外の杖などは不可」と書いてありました。

そこで、金剛杖の使用ができるかどうかをメールにて問い合わせしたのですが、返答は以下のようなものでした。

金剛杖の使用の件ですが、たいへん恐縮ですがご使用はお控え頂きますようお願い致します」。

とくに理由が書いていなかったので、ちょっと釈然としなかったのですが、もしかすると危険なのかもしれないと思い、トレッキングポールを新規購入することにしました。

4月20日(木)、この日は午後にお休みをいただいていたので、必要なものの買い出しに行きました。実は、パスポートの申請を行う必要があり、そのついでに買い出しを済ませようと思ったのです。

夕方、スポーツデポ 高槻城西店へと到着しました。買おうと思っていたのは、トレッキングポール1本とトレッキングシューズでした。お遍路で使用していた靴はどちらかと言うとランニングシューズでしたので、本格的なトレッキングシューズを買いたいと思っていました。以前、Salmonのトレイルラン用の靴を買っていたのですが、幅広の靴ではないため、長時間履いていると足が痛くなってしまうのです。

今回、購入した靴はこれです。

コロンビアセイバー ファイブ ロウ アウトドライ ワイドですね。ワイドになっているので、足にも馴染みました。これは期待できそうです。

トレッキングポールは、SINANOという会社のレビータシリーズなのですが、2本売りがほとんどで、私の購入したものがどれかちょっと分かりませんでした。「DEFENSIVE STYLE」と書いてあるのですが……。7千円か8千円くらいしたと思いますので、もしかすると2本売りのものを1本しか買っていないという疑惑もあります。もしそうだとしたら最悪ですが、1本バラで置いてあったものを買ったので、そんなことはないと信じたいと思います。

とりあえず、事前に買っておくべきものはこれで大丈夫そうです。あとは、前日までにウィダーインゼリーなどを購入しておこうと思います。

ナイトウォーク前日(5/6)

いよいよ、延暦寺会館に行く当日になりました。なお、ナイトウォークは5月7日(日)の午前2時出発なので、宿泊するのは、前日ということになります。

5月6日は午前中4時間、みっちりと授業がありましたので、就業時間終了の12時40分に即退勤しました。17時から延暦寺会館で開講式がありますので、あまりのんびりしていられません。順調に行っても、2時間以上はかかる道程です。

素早く準備を整え、13時半ごろに家を出発しました。確か13時40分ごろの阪急バスに乗ったと思います。20分弱でバスはJR「茨木駅」に到着しました。ここから電車に乗り換えます。

ところが、いざ乗り込もうとしてみると、何やら不穏な空気が漂っているではありませんか。何と、人身事故か何かの影響で、JR京都線の電車がほぼ止まっているようなのです。「まじかよ~」と思いながら、駅員さんに聞いてみると、京都方面は動いているとのことでした。ほっと胸をなでおろしながらホームへと降りていきます。

しかし、結局のところ快速などは走っていないようで、普通もなかなか来ませんでした。こういう時の駅員さんって、意外と正しい情報を持っていないんですよね。おでかけネットの方が正しい場合が多いです。というわけでおでかけネットをチェックしながらさらにしばらく待ち、やっとのことで到着した普通電車に乗り込みます。アナウンスによると、「高槻駅」で新快速と連絡するということでした。

とりあえず「高槻駅」で普通電車を降り、念のため新快速電車の来るホームへ向かいます。この段階ではJRを信用しておらず、新快速の到着に関しては半信半疑でした。しかし、連絡時間が2分あるかないかでしたので、人波をかき分けてホームへと降りていきました。10分待って来る様子がなかったら阪急電鉄に乗り換えよう、そう心に決めてホームに降り立つと、何とすぐに新快速がやって来ました。あまり疑いすぎるのも考えものですね。

ただ、新快速も普段の速さは発揮することなく、ところどころで信号待ちのため停車しました。そして、京都に着いたころには14時半くらいになっていたと思います。ここまでで、すでにかなり疲れています。

この後、何とか湖西線の電車に乗り換え、「比叡山坂本駅」に到着したのは15時過ぎでした。いやあ、早めに家を出発しておいてよかったです。旅にトラブルはつきものですね。トラベルにトラブルはつきものということですね。

※「比叡山坂本駅」からの眺め

ここからは、江若交通のバスに乗り換えて、比叡山坂本ケーブルの「ケーブル坂本駅」を目指します。昔、この道をさるべき理由で歩いたことがあるのですが、かなり細いです。日吉大社二の鳥居のところは、車の対抗ができないレベルです。この後、私にとって因縁のある比叡山中学校・高等学校の下を通り抜け、県道47号線から逸れて鬱蒼とした森の中へとバスは入っていきます。「こんなところ?」と思ったのですが、そこから140メートルほどで、「ケーブル坂本駅」前に到着しました。バス代は250円でした。

※「ケーブル坂本駅」

1時間に2本、毎時00分と30分に発車です。比叡山までは、わずか11分ですが、全長は何と2,025メートル。日本一長いケーブルカーだそうです。

これまで私のブログを読んでくださっている方ならお分かりでしょうが、私はケーブルカーは問題なく乗れます。今回西側からアクセスせず、東側から比叡山にアクセスしているのは、ロープウェイを避けているからですね。はっきり言って、ロープウェイはジェットコースター並に苦手なのです。

16時発のケーブルカーに乗り込み、しばし風景を楽しみます。乗員は運転手さん、車掌さんの2名、乗客は私のみ1名と、逆転現象が起こっています。実は天気が悪く、延暦寺ではすでに拝観を停止しているとのことでしたので、今ごろから山に登る人はまったくいないのです。

途中、一か所すれ違いスポットがあります。

※上から降りてきたケーブルカー

16時11分、定刻に「ケーブル延暦寺駅」に到着です。

※「ケーブル延暦寺駅」

ここからは、雨の中を延暦寺会館まで歩いていくことになります。

外には展望スポットがあり、琵琶湖を望むことができました。

※「ケーブル延暦寺駅」から望む琵琶湖

天気がよければ絶景だったのでしょうが、あいにくの雨模様でした。

ここからは、緩やかな傾斜の舗装された道がつづいています。10分もかからずに、延暦寺伽藍の入口付近までやってきました。

※延暦寺伽藍入口

ここからさらに3分ほど歩くと、延暦寺の拝観入口に到着しました。

※延暦寺拝観入口

しかし拝観時間を過ぎているため、窓口のカーテンが閉まっており、お金を払う必要はありませんでした。いいのでしょうか。一抹の不安を覚えながらも、延暦寺会館を目指します。ここから一隅会館前を通り、大書院前を通って坂道を少し下ると延暦寺会館です。

16時25分、ようやく延暦寺会館に到着しました。家を出てから、実に3時間近くかかっていると思います。ナイトウォーク本番を前に、すでに疲れました。

※延暦寺会館前

中に入ると、受付がありました。そこで、33人の参加者がいること、自分がほぼ最後に到着したことを知りました。

案内などが入った封筒をいただき、部屋のキーももらいます。17時の開講式に備えて、いったん部屋に荷物を置きにいくことにしました。部屋は広く、普通の旅館のような感じです。荷物を置いて少しだけ寛ぎましたが、雨の中をナイトウォークすることを思うと、やや緊張してきました。果たして無事に歩くことができるのでしょうか。

以下、開講式や本番当日の様子は、次回の記事にてお伝えします。乞う、ご期待!