西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 2日目(2021.7.22) 8番~10番札所 「東原」バス停~「上下島」バス停

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10番切幡寺

お待たせいたしました! いよいよスタートした四国八十八ヶ所歩き遍路の旅。2日目のレポートです!

歩き遍路 2日目 「東原」バス停から「上下島」バス停まで

2日目、7月22日(木)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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この日も5時に起床しました。この期間中は基本的に5時起床ですね。前日と同じく、パンとサラダの朝食をホテルの自室で食べ、準備を整えます。とはいえ、この日も連泊なので荷造りもなく、かなり余裕がありました。

「東原」バス停から8番熊谷寺まで

8時31分に「東原」バス停で下車し、9時45分ごろに熊谷寺に到着しました。ほぼGoogleマップと同じ速さです。朝イチということもあり、とてもいいペースで進んでいます。

7時30分発の「鍛冶屋原」行の徳島バスに乗り込みます。確かこの日だったと思うのですが、前日の帰りのバスで乗ってきた3人組の男性のうち、2人が乗っていました。途中にある作業所で働いているのだと思います。祝日なのに休みじゃないのかな~、と思った記憶があります。

8時31分、「東原」バス停で下車します。「鍛冶屋原」行なのに、「鍛冶屋原」を過ぎてしまってから「東原」に到着するという、ちょっとドキドキした展開でした。

ここから1.7km分は昨日通ったのとほぼ同じ道を戻っていきます。まずは、6番の安楽寺です。「東原」バス停にはベンチもなかったので、安楽寺の駐車場で装備を整えました。頭に冷水濡れタオル、首に冷水濡れバンダナを巻きます。トイレも済ませておきました。

前日の記事で野宿できるかもしれません、と書きましたが、実際にこの休憩所で寝ておられる方がいらっしゃいました。ただ、歩き遍路の方かどうかは分かりませんでした。

さあ、準備万端で出発です。この日も暑いですが、天気は悪くないので気分も上々です。

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※県道139号線沿いの風景

20分ほど歩くと、十楽寺山門が見えてきました。これでダブっている区間は終了です。時刻は8時54分でした。

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※真ん中に十楽寺山門が見える

十楽寺を過ぎて徳島自動車道が近づいてくると、県道139号線を外れて左の遍路道に入っていきます。右に行くと十楽寺、という標識がある、手前の左側の道です。ちょっと分かりにくいかもしれません。

ここからの遍路道は舗装されていますが、ほとんど車も通らず、歩きやすい道です。途中、自転車に乗った女子中学生が挨拶してくれました。大人よりも(※お年寄りを除く)意外と学生が挨拶してくれますね。やはり挨拶をしてもらうと元気が出ます。

宮川内谷川の少し手前、右側に観音庵がありました。ここで9時8分でした。

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※観音庵

ベンチもあるので、休憩できますね。

さらに進むと、板野十六地蔵四番札所なるものがありました。めちゃめちゃローカルな霊場ですね。9時20分です。

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※板野十六地蔵四番札所

国道318号線を横断し、さらに西に進みます。右側に御所神社鳥居が出てきました。神社自体はここから300メートルほど北側、徳島自動車道を越えた先にあります。時刻は9時31分でした。

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※御所神社鳥居

「御所」とは、何と鎌倉時代の承久の乱で配流された土御門上皇にちなんだお名前だそうです。

この鳥居を過ぎて100メートル足らずの左側に、おもてなし公園(ヘンロ小屋57号土成)がありました。

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※おもてなし公園のトイレ

公園の敷地は、第66代総理大臣を務めた三木武夫氏の邸跡だそうです。徳島県の人だったんですね。

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※三木武夫邸跡の石碑

もう熊谷寺までは1kmもないので、休憩せずに進みます。遍路道は旧街道でもあるのか、他にも立派なお屋敷が建っています。

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※遍路道沿いのお屋敷

このお屋敷を過ぎてしばらく進んでから、右に曲がります。徳島自動車道の下に、熊谷寺山門が見えます。

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※徳島自動車道の高架と熊谷寺山門

近寄ると、木々が元気でちょうどいい感じの写真が撮れません。

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※熊谷寺山門南

さらに近づいても、結局右側手前の木が邪魔になっています。ここで9時43分でした。

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※熊谷寺山門

かなり立派な山門(※熊谷寺では「二王門」とも表記)です。江戸時代に建立された山門としては、四国でも随一の大きさを誇るそうです。

この山門をくぐると、車道にぶち当たります。車で熊谷寺に行く場合は、この車道から北側に入っていきますので、山門を近くでご覧になっていない車遍路の方も大勢いらっしゃるでしょう。下の石柱のところが、境内の入口と思われるかもしれませんね。

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※熊谷寺の石柱

なお、車でも歩きでもここから北に入り、左側に出てくる駐車場に進むことになります。歩き遍路の方は、駐車場を突っ切って中門を目指しましょう。

駐車場までの道の右側は放生池になっています。写真左の鳥居弁天堂です。

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※放生池

駐車場はかなり広々としています。結構車が停まっていますね。

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※駐車場

駐車場の南端に納経所がありますが、その前にベンチがいくつかあります。そこで参拝の準備を整えました。

駐車場から参道に進むと、まず目を引くのが多宝塔です。

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※多宝塔

江戸時代中期の安永3(1774)年の建立で、四国最古かつ最大規模の多宝塔だそうです。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*1をご覧ください。

本堂大師堂中門をくぐったその先になります。

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※中門

中門をくぐるとすぐに本堂になります。納経をしましょう。

f:id:nanbo-takayama:20210920134743j:plain※本堂

大師堂は、本堂左手前の石段を少し上がったところになります。本堂よりも上のレベルになります。

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※大師堂

大師堂の手前に拝殿があります。ここで納経をすれば、参拝は終了です。降りていって、納経所に行きましょう。

この熊谷寺は町中から急に山寺になる感じで、とてもいい雰囲気のお寺です。お遍路抜きにしても、参拝のし甲斐があるお寺だと思います。私も好きなお寺ですね。

参道を下っていくと、駐車場が見えてきます。その南端に、立派な納経所があります。

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※納経所

中は2人体制で、おじさんとおばさんがいらっしゃいました。おじさんが声をかけてくださったので、おじさんに記帳・押印をやっていただきます。志納金として駐車場料金をお納めすることになっているのですが、どうやら私を歩き遍路だと認識してくださったらしく、ねぎらってくださいました。こういうのがとてもうれしいんですよね。俄然、やる気が出ます。

ということで足取りも軽く、9番札所法輪寺へ向けて出発です。

8番札所熊谷寺から9番札所法輪寺まで

8番札所熊谷寺を10時18分ごろに出発し、9番札所法輪寺には10時45分に到着しました。ここは少しGoogleマップより遅いでしょうか。ジグザグに進んでいたので、やはり道の確認に時間をとられたようです。

熊谷寺を10時18分ごろ出発します。山門をくぐってからは、県道139号線で右折し、しばらくは道なりに進みます。案内標識や道標があるので、139号線から左に曲がるところも分かりやすいです。

曲がってからしばらくすると、石の鳥居が出てきます。

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※若一王子神社の鳥居 通り過ぎて南側から撮影

おそらく若一王子神社鳥居だと思います。ちょうど神社の参道を通ってきたわけですね。

この後、また道なりに進んでいくと、また左折ポイントが出てきます。上に法輪寺という案内標識もあり、車も同じ道を通ります。ちょっと細い道ですね。

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※法輪寺への遍路道兼車道

奥に見えている小さな森が法輪寺ですね。

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※法輪寺と駐車場

駐車場は、法輪寺境内の北側にあります。ここも何台か停まっています。

10時45分、法輪寺山門に到着です。

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※山門

ここでもお互いに挨拶を交わしている方々がいらっしゃいます。まあ、車で回っていればほぼ同じタイミングで境内にいることになりますからね。

山門をくぐると右側に四阿あずまやがあり、そこで身支度を整えました。

まずは本堂へ行きましょう。境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*2をご覧ください。

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※本堂

大師堂は、本堂の右側に並んでいます。

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※大師堂

納経所本堂の南側にあります。新しい建物で、今回はトイレを使用しませんでしたが、1年前訪れた際に確認したかぎりでは、とてもキレイです。また、納経所の中はクーラーが効いているのでとても快適です。

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※納経所

こちらでは、おばさんが記帳・押印をしてくださいました。

参拝を済ませて外の鐘萬うるし茶屋の横の自動販売機でスポーツドリンクを買っていると、大学生くらいの男子2人組がやってきました。「歩いてるんですか?」という声をかけられ、少し言葉を交わします。何でも、この日始めたばかりとのことで、車で回っているようです。

切幡寺への道は細いところがあるので気をつけてくださいね」とちょっと先輩風を吹かしてアドバイスをしました。彼らの目には、頼もしいおじさん、と映ったことでしょう。ちなみに彼らとは、切幡寺の駐車場でも会うことになりました。

ということで、次の10番札所切幡寺を目指しましょう。

9番札所法輪寺から10番札所切幡寺まで

11時11分ごろに9番札所法輪寺を出発し、10番札所切幡寺には12時ごろに到着しました。Googleマップよりかなり速いペースになっていますが、山門到着が12時ですので、そこから切幡寺本堂までは333段の階段を登らないといけません。Googleマップは本堂を指しているようですので、その違いでしょう。

11時11分、大学生2人に別れを告げ、法輪寺を出発します。南側から真西に向かっていくような感じです。途中にもお寺や大師堂などがあります。

11時29分、円光寺とその前にある小豆洗大師前を通過します。

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※円光寺

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※小豆洗大師

さらに西に700メートルほど進むと、北側の小山に秋月城跡と書いてありました。ここで11時42分です。

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※秋月城跡の石碑

さらに2分後、称念寺がありました。

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※称念寺

なお、記憶では坂東食料品店の辺りから工事区間になっており、車は通れなくなっていました。人間は通れますので、歩き遍路は大丈夫です。

工事が終わった辺りに、森神社というのがありました。遍路道はここから北側に行くこともできるようですが、私は分かりやすい道ということで、そのまま真っ直ぐ進みました。ここで11時51分です。

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※森神社

するとすぐに、右側に上がっていくところがあります。11時54分です。

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※切幡寺への参道

この参道は恐ろしく細い道で、車は1台ずつしか通れません。ですので、対向車が来ている場合は広いところで待っておく必要があります。何しろ、私が端を歩いているだけでプリウスも通りづらくなってしまうくらいの細さです。

参道は左右にお店が並んでいて、少しにぎわっているように見えます。ただ、この日はやはりコロナ禍ということもあって、寂しい感じでした。

少し参道を上がったところの右側に須見光栄堂という仏具店があり、他の方のブログを拝見していると、荷物を預かってくれたり、麦茶のお接待をしてくれたりしていたようでした。

若干期待しつつ前を通ります。すると中のご主人らしき人が慌てて窓を開け、どうぞと何かを手渡してくれました。突然のことで「ありがとうございます」と言って受け取ってしまったのですが、よくよく見ると、須見光栄堂のただのカタログでした。とにかく掛け軸の表装などをやらせてください、というアピールのようです。

いやいやしかし、歩き遍路なのですから、掛け軸を持っているかどうかも普通に見れば分かるはずです。また、仮に掛け軸の表装をどうしようかと考えているとしても、10番でもらったカタログを、88番が終わるまで後生大事に持っていくでしょうか。ちょっと考えれば分かることだと思うんですよね。

歩き遍路にとっては、荷物は一つでも少ない方がいいわけです。例えそれが紙切れ1枚であったとしても。麦茶の1杯くらいお接待してくれたうえでカタログを渡すのであれば、こちらもありがたくいただくことができるでしょう。しかし、炎天下必死に歩いている人にただカタログを押しつけるだけとは、ちょっと商売の基本が分かっていないのではないでしょうか。

顧客のニーズを探る努力をしてこそ、商売は成り立ちます。今まで10番切幡寺に寄生して何とか商売は成り立っていたのかもしれませんが、コロナ禍というこういう時期だからこそ、商売人としての才覚・気概が求められるのではないでしょうか。

まあとにかく、邪魔だな、と思いながら手に持って歩いていきます。

スモトリ屋浅野総本店の前には、やねこじきというものが置いてありました。なかなかシュールです。ここで11時57分です。

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※やねこじき

何でも、阿波藩蜂須賀家政公が旧市場町を訪れた際、住民が手作りの人形を飾って歓迎したのが始まりだそうです。私も歓迎されている……のかなあ。

12時ちょうど、切幡寺山門前に到着です。他の方が写真撮影をしておられたので、少し待ってから私も写真を撮りました。

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※山門

切幡寺の駐車場はこの山門の裏側になります。山門の右側を通り抜けることができます。

駐車場にはベンチがいくつかありましたが、湿っているものが多く、ようやく一つ乾いているものを見つけました。座って準備を整えます。

すると、ここで例の男子大学生2人組に再会です。向こうは参拝終わり、こちらはこれから参拝です。

「速いですねえ~」と言われましたが、4km少々で1時間弱かかってますので、まあこちらからしたら普通です。しかも、こちらは最短ルートで来ていますからね。

「いやいや」などと言いながら、この後の予定を尋ねます。先輩としてはカッコいいアドバイスをしたいところです。すると、12番の焼山寺をこの日は避けて、17番の井戸寺から逆打ちすることにしました、とのことでした。

これは賢明な判断ですね。大学生ですから、車の運転、ましてや山道の運転はまだまだ慣れていないことでしょう。いきなり焼山寺に挑戦するとなると、これはなかなか厄介です。焼山寺までの道は結構細くて大変なルートなのです。

「それがいいと思いますよ」というもはやアドバイスにもならないアドバイスをして、彼らとは別れました。ちなみにその後、彼らと会うことはありませんでした。まさに一期一会というのがお遍路なのです。

さて、いよいよ切幡寺本堂を目指します。実は参道はここからが本番です。まずは、杖無し橋を渡りましょう。

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※杖無し橋

この橋の名前ですが、約100年前の出来事に由来しているそうです。少し長くなります。大阪市東区玉堀町(※現中央区)に住んでいたシズという女性が、大正9(1920)年流産して脚気にかかってしまい、歩くことも難しくなってしまいました。折しも父までが亡くなってしまい、どうしようかと悩んでいたところ、松永節三郎の妻ヒサノから四国巡拝に誘われ、金銭面も含めてすべての面倒を見るということから、ヒサノの二子とともに4人で四国巡拝を始めました。大正11(1922)年3月26日のことです。ところが余りに足が痛いので到底四国全土を回るのは無理と思い込み、自殺まで考えましたが、同行者に迷惑がかかってはいけないと思い直し、行けるところまで頑張ってみることにしました。そして4月4日、この切幡寺境内までやってくると急に心が清々しくなり、杖無しで歩けるようになったのです。これを聞いた時の住職大平智城師は、ご利益があった石橋ということから「杖無し橋」と命名された、ということです。

橋を渡ると、いよいよ石段が登場です。

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※石段の始まり

「是より三三三段」と書いてあります。つまり、333段の階段です。ご覧のとおり序盤は緩やかですが、中盤からはかなり急になります。

なお、足が悪い方は横の道を車で登っていくこともできます。ただ、上には数台しか停められませんし、途中での離合は難しいので、結構運やタイミングが問題になってきます。

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※石段の中盤

結構キツイです。ただ、元気に登っていけば10分もかかりません。

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※石段の終盤

この女やくよけ坂が最後となります。上は伽藍の中心部、本堂大師堂となります。

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※本堂

本堂の手前右側に大師堂があります。本堂は中に入れます。

境内には結構参拝者が多く、3世代家族がいて、2人の孫娘のうち1人は熱中症のようにバテていました。心配していましたが、家族で写真を撮っているときには元気に写っていたので、杞憂だったようです。

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※大塔

境内の最上部にある大塔は、豊臣秀頼江戸時代初期の慶長12(1607)年に住吉大社神宮寺に寄進したものだそうです。明治時代の神仏分離により神宮寺が廃寺となり、それを切幡寺45世住職の天祐上人がもらい受けた、とのことです。国指定の重要文化財となっています。

境内案内図や見所については、四国遍路聖地巡礼のホームページ*3をご覧ください。

納経所本堂の手前左側にあります。中に入れますが、私の前に2人の方がいらっしゃったので、しばらく待ちました。その後、例の3世代家族が並んだため、大行列になってしまいました。納経所はおばあさんお一人で対応されていたので、ちょっと時間がかかるんですね。早めに並んでよかったです。

納経所前のベンチに座って荷物の整理をしていると、3~4歳の男の子が「階段大変」みたいなことを何回も言っていたので、微笑ましくて思わず笑ってしまいました。「333段あるんだって」と教えてあげると、子どもの母親がそこに食いついてきたので、少し言葉を交わしました。母親は帰りがけにも挨拶してくれたのですが、何とぐずっていた子どもを抱っこして階段を下りようとしていました。母は強しですね。

その後、境内には急に誰もいなくなり、静かになってしまいました。納経所の渋滞が解消したようです。

これでこの日の札所は終了です。翌日のために、11番藤井寺の最寄りのバス停まで歩いていきましょう。

10番札所切幡寺から「上下島」バス停まで

12時48分に切幡寺を出発し、13時5分ごろにうどん亭八幡に寄り、「上下島」バス停には15時7分に到着しました。Googleマップでは1時間48分で到着するとなっていますが、途中昼食も取っているので、2時間19分かかっています。しかし、昼食時間を除けば、かなり速いペースだと言えるでしょう。

切幡寺の参拝を終えて山門を出たのが12時48分でした。そこからまずは南に下っていきます。お遍路さんの業界では名高い八幡が近くにありますので、そこで昼食を取ろうと思ったのでした。

八幡までの道は遍路道になっているようで、途中には休憩できるところもあります。13時1分、下の写真の休憩所前を通過です。

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※個人設置らしき休憩所

こうやってマネキンを置くことで、休憩しやすくしてくださっているのでしょう。夜は不気味かもしれませんが……。

八幡のある交差点の少し北側には、ヘンロ小屋空海庵もありました。ここで13時7分でした。

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※ヘンロ小屋空海庵

ここからうどん亭八幡は、すぐです。ピークを過ぎているので、中に入ってすぐに席に座ることができました。うどん亭とついているので、はじめはうどんを食べようと思っていたのですが、メニューを見ているとうなぎが気になりだします。

うなぎ丼と冷やしうどん御膳、1408円です。土用の丑の日は7月28日(※2021年の場合)ですが、先取りして食べても問題ないでしょう。少し高いですが、まあ旅先で少し気も大きくなっています。というわけで、ちょっとお高いうなぎの御膳をいただきました。うなぎはとても柔らかくておいしかったですし、力を蓄えることができました。何しろ、翌日は12番焼山寺の山登りがありますので。

13時50分ごろ、うどん亭八幡を出発です。遍路道はここから真っ直ぐ南下する道と、いったん東側に進む道と分かれるようですが、私が目指すバス停「上下島」は東側に進んでから南下しないといけません。信号のある東側の交差点まで戻り、そこから県道237号線を南東方向へ進んでいきます。

右折して南下するポイントには、粟島神社がありました。13時59分です。

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※粟島神社

200メートルほど南下すると、用水路が出てきますので、用水路沿いに今度は東へ進みます。ここで14時4分でした。

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※用水路沿いの遍路道

この道は案内標識やシールはなかったと思いますが、一応四国遍路聖地巡礼のホームページ*4では遍路道となっています。

田園地帯のような感じなのに、牧場があって少し驚きました。14時11分です。

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※牧場?

牛も歩き遍路が珍しいのかガン見してきます。

さらに進むと吉野川の堤防沿いを歩くようになり、事代主神社の前を通過します。14時21分でした。

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※事代主神社

ここからすぐに支流の九頭宇谷川を渡ると、堤防の上を歩くことになります。春や秋だったら最高に気持ちいいんでしょうが、真夏です。灼熱地獄の中歩いていきます。

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※吉野川の堤防

たまに車が通るので、少々厄介です。結構細いんですよね。ちなみに、前に見えている橋がこれから渡る阿波中央橋です。

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※阿波中央橋

1953年に完成した橋だそうで、全長は821メートルあるそうです。人も車も堤防からそのまま入っていけるので、助かりますね。上の写真は14時38分の撮影です。

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※阿波中央橋から上流を望む

歩道橋が車道と別になっているので安全ですが、高さが結構あるのでやはり怖いですね。足早に渡り切りました。

橋を渡ると一つ先の交差点にミニストップが見えます。ちょっと休憩も考えましたが、バス停を探さないといけないので、通過しました。

もう一つ橋を越えると踏切があります。JR徳島線です。そして、上の案内標識にはバス停のある国道192号線が出てきました。もうすぐのようです。

事前に調べていたダイヤの記憶では次のバスが15時17分だったので、かなりハイペースで歩き、とにかくバス停到着を優先させます。橋から続く国道318号線をひたすら南下しました。

15時過ぎ、ようやく国道192号線との交差点に到着です。例によって「バス停どこ~!?」という状態です。「上下島」のバス停は路線によって場所も違うようで、余計に不安を駆り立てます。

15時7分、ようやくバス停に到着しました。思っていたよりも西側で、やはり建物の陰になっていて交差点からは分かりませんでした。

一応ダイヤを確認すると、次のバスは何と15時24分でした! 15時17分だと思ってかなり急いできましたが、そこまで急がなくてもよかったわけです。まあ、早く着いた分には問題ありません。

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※「上下島」バス停

なお、このバス停ですが、私は「下島」の上の方という感じで「かみしもしま」と読むのかと思っていましたが、何と「じょうげしま」と読むようです。

バス停の写真は西側から撮影しています。右奥の青い案内標識のあるところが、国道192号線と318号線との交差点です。何気に後ろの住友犬猫専門病院の犬の絵が気になります。目が可愛くないので、ウルトラマンに出てきた怪獣ジャミラのようです。

歩きを終えて

15時24分、予定どおりに到着した徳島バスに乗り込み、「徳島駅」に戻ります。16時15分ごろ、JR「徳島駅」前に到着しました。バス代は470円です。

バス乗車中、車内の広告を見ていると、少し気になるものがありました。徳島バスの1日オールフリー乗車券です。何と1,000円で乗り放題、ということでした。翌日は「上下島」まで470円かけて戻り、「神山高校前」から「徳島駅前」まで1,000円の運賃を支払うことになる予定です。だったら、最初から1日オールフリー乗車券1,000円を買っておいた方が安上がりになりますよね。

ということで、下車後に徳島バスの案内所で聞いたところ、やはりその方が安い、ということが分かりました。迷わず1日オールフリー乗車券を購入します。これはラッキーでした。しかし気づいたのがもう1日早ければ! この日は朝690円、夕方470円の運賃を支払っていますので、160円分多く支払ってしまったことになりました。

さて、翌日のダイヤ、乗り場も確認します。

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※「徳島駅前」バス停13番乗り場の時刻表(土・日・祝日用)

6時代のバスがないので、7時15分の始発で行きましょう。

ホテルに戻り、時間も早かったので少しゆっくりと休憩しました。夕食は、これまたホテルのすぐ近くにある餃子の王将徳島駅前店に行きます。もやしいためとギョーザシングル定食、驚きの770円です。もやしいためで何となく体にも良さそうですし、シングル(※1列ということ。確か6個入り)とはいえギョーザでスタミナもつきます。これで翌日の山登りも大丈夫そうですね。

ホテルに戻って温泉、洗濯と手際よく済ませます。翌日に備えて、早めに就寝しました。

2日目の終了です。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。

札所情報

札所:3か寺

納経代:900円

大師納経代:900円

宿情報

ホテルサンルート徳島

禁煙シングルルーム

宿泊費:7,400円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場あり。温泉

洗濯機・乾燥機あり(3台)

洗濯機300円、乾燥機100円

アクセス:バス停から1分

コンビニ:1階に併設

フロントスタッフ、温泉のスタッフともにホスピタリティが高く、私にとっては徳島の常宿

バス情報

行き:徳島バス 「徳島駅前」~「東原」 690円

帰り:徳島バス 「上下島」~「徳島駅前」 470円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:1,522kcal

距離  :22.1km

歩数  :31,981歩

スマホアプリ

歩数  :32,418歩

 

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最終更新:2021.9.24