西国お遍路“行雲流水”

西国三十三所や四国八十八ヶ所を雲のごとく水のごとく巡礼した記録

四国八十八ヶ所 歩き遍路 25日目(2021.8.14) ホテル AZ 愛媛内子店~「久万高原」バス停

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久万高原駅やまなみ

この日も前日につづく移動日で、40kmを超える距離を歩かなければなりません。17時のバスの時間までに間に合うことができるのか、四国八十八ヶ所歩き遍路の旅、25日目のレポートです!

歩き遍路 25日目 ホテル AZ 愛媛内子店から「久万高原」バス停まで

歩き遍路25日目、8月14日(土)のレポートです。まずは、計画表と実行程表をご覧ください。

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前日に内子泊まりであったこともあり、この日は久万高原まで行かなければならない強行軍です。40kmの移動を予定していたのは全行程を通じてこの日だけで、前日から緊張感がありました。

そこでこの日は4時に起床して、準備を整えます。荷物は前日の朝、宇和島第一ホテルからこの日宿泊のホテルまで送っていたので、1日分の装備で歩いていくことになります。

フジで購入した朝食を食べ、出発の準備を整えました。

ホテル AZ 愛媛内子店から「久万高原」バス停まで

6時ごろにホテル AZ 愛媛内子店を出発して、「久万高原」バス停のある久万高原駅やまなみに到着したのは16時30分ごろでした。Googleマップよりも2時間近く時間がかかっていますが、かなり登っていったことと距離が長かったことを考えると、十分なペースだったと思います。

この日も雨がつづいています。この先の天気予報を見ても、気象予報士の方ですらいつまで雨がつづくのか分かりかねます、という感じでした。気が重かったのですが、40km歩くぞ!ということで、気合を入れて6時にホテルをチェックアウトしました。

まずは国道56号線を北東へと向かいます。400メートルほど歩くとファミリーマート内子店が現れました。飲み物などを購入するために、中に入ります。この日以降、細長いスナックパンとビスケット系のお菓子をリュックに常備するようになりました。お腹のことを考えると、とにかく消化がよいものを食べた方がよいからです。

ファミリーマート内子店から350メートルほど進むと、国道の分岐点に出ました。直進する国道56号線は高架になり北北東方向へ、派生した国道379号線はその下をくぐって東北東方向へと進んでいきます。この日の前半は、この国道379号線を進んでいくことになります。

国道379号線に入ると、すぐに道の駅内子フレッシュパークからりが出てきました。まだ出発したばかりですので、ここはスルーします。

国道は小田川に沿ってどんどんと山の中に入って行きました。とりあえず前半の目標は、道の駅小田の郷せせらぎで、ここで昼食をとろうと思っていました。さすがに40km超えなので、きちんとした昼食をとった方がいいと考えていたのです。ホテルから道の駅までは18.7kmなので、何となく11時までには着けたらいいなと思っていました。

下の写真は、福岡商店と「石浦」というバス停を過ぎてちょっと歩いたところの様子です。ここは、小田川が北に大きくふくらんで蛇行しているところです。右奥に有限会社木下組の建物が見えます。ここで7時1分でした。歩き始めてから1時間近く経っています。

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※「石浦」バス停を過ぎた国道379号線の景色

さらに3分後の景色です。

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※小田川の水位がかなり高くなっている

小田川の水位がかなりヤバイことが分かります。あと2メートルほど水位が上がれば、氾濫してしまうのではないでしょうか。怖いなあと思いながら、先を急ぎました。

7時13分、長岡山トンネルです。

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※長岡山トンネル

長岡山トンネルは昭和63(1988)年9月の完成で、長さは392メートルあります。歩道の幅は普通で柵はありませんが、交通量はそれほど多くないので、比較的安全に通行できます。

なお「昭和63年完成」と書きましたが、トンネルの銘板には「63年9月」としか書かれていませんので、「1963年完成」の可能性があるということについても言及しておきます。

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※長岡山トンネル銘板

トンネルを過ぎてしばらく進むと、休憩小屋のようなものが出てきました。7時31分です。

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※休憩小屋?

実はこれは町営バスのバス停になっています。

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※「中和田」バス停時刻表

この内子町の町営バスに関して、私はまったくノーマークでして、存在すら知らなかったんですね。何しろバス停自体がGoogleマップにも登場しませんし、私がバス路線を調べる際に利用していたサイトにも反映されていませんでした。

しかし、この内子町の町営バスを活用できていれば、前日とこの日の距離のアンバランスを解消できたかもしれません。しかも時刻表を見るかぎりでは、意外と本数があります。事前のリサーチ不足で、残念なことになってしまいました。

前日に仮にこの「中和田」まで歩いて内子の中心街まで戻ったとすると、この日は土曜日ですから朝7時47分に到着するバスに乗れたことになります。ただし、私が歩いていたのは8月13日と14日でお盆休みの真っ只中です。おそらく休日(日・祝)ダイヤになっていたと思われますので、利用できなかった可能性の方が高いですね。

お盆やお正月、GWなどのお休みではない時期にお遍路をされる方は、内子町の町営バス(内子町役場ホームページ*1)の情報をご参照ください。

中和田」バス停から1分で、和田トンネルです。

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※和田トンネル

和田トンネルは昭和60(1985)年12月の完成で、長さは190メートルあります。歩道の幅はやや狭いですが、交通量が少ないので比較的安全なトンネルです。

こちらが昭和60年ということですから、おそらく長岡山トンネルは昭和63年の完成なのでしょう。

この後30分以上歩いていくと、大瀬の集落に入ります。ここは小学校や中学校もあり、民家も少しあります。

この大瀬の集落を抜ける辺りで、写真を撮りました。すでに8時13分になっています。

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※大瀬の集落を抜ける辺り

お気づきでしょうか。「カーブ注意」の下に「22℃」と書いてあります。真夏の8月14日に気温が22度しかない、ということです。涼しいを通り越して寒いくらいです。カッパを着ているからマシとはいえ、雨で濡れているので本当に寒いです。

6年か7年ほど前の8月に四国を車で旅行したことがありますが、快晴つづきの状態のお昼前に久万高原に入ったところ、肌寒さを覚えたものでした。となると、この状況で久万高原に入ったら、風邪を引くくらい寒いのではないかと心配になってきます。

まあ、考えても仕方がありません。とにかく前進あるのみです。

8時51分、次の柳瀬トンネルが出てきました。

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※柳瀬トンネル

柳瀬トンネルは2009年10月の完成で、長さは348メートルあります。歩道の幅は普通で、柵はありませんが交通量がそれほど多くないので、比較的安全に通行できます。

この柳瀬トンネルの近くには、内子町の川登筏の里というのがあります。昔は木材を筏にして川を下っていて、今はそれを観光客向けにアレンジしているのでしょう。

柳瀬トンネルから1.3kmほど歩いていくと、梅津トンネルです。9時14分でした。

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※梅津トンネル

梅津トンネルは2008年3月の完成で、長さは87メートルあります。歩道の幅は普通で、トンネルも短いので安全です。

この日もトンネルの旅になってきました。

梅津トンネルを抜けると、すぐに国道の分岐点に出てきました。北東方向に進んでいく国道379号線と、直進して南東方向に進んでいく国道380号線です。

四国遍路聖地巡礼のマップ*2では、ここから遍路道が分かれています。国道379号線を通るルートと、国道380号線を通るルートです。

国道379号線を通るルートは、途中で県道42号線へと入っていき、さらに山道に入っていきます。山道は、下坂場峠と鴇田峠ひわだとうげの二つの峠を越えなければなりません。大雨続きで道も悪くなっているでしょうし、峠を二つ越えるというのが厳しいだろうと思い、私は国道380号線を通るルートを選択しました。

この分岐点を直進します。分岐点のところには案内標識があり、道の駅小田の郷せせらぎまであと4kmと書いてありました。だいたい9時20分ごろだったと思います。11時までには余裕で着きそうですね。

分岐点から1.4kmほど進んでいくと、何と工事をやっており、国道が通行止めになっています。道の駅には行けないのでしょうか。計画が狂ってくるので、ちょっと焦ります。

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※石山橋を渡り旧道側から撮影

ガードマンの方にお話を聞くと、小田川を渡って旧道を進んでください、とのことです。道の駅には行けるか聞くと、この先で合流しているから行けます、とのことでした。

ほっと一安心です。誘導に従い、石山橋を渡ります。上の写真では、左に進む国道380号線が通行止めになっています。奥に登っていく道は、県道228号坊屋敷小田線です。

旧道はやはり細いうえに歩道がないため、ところどころで車にご迷惑をおかけしました。そもそも車の離合が難しいところがいくつかあったのですが、そこを私が歩いていたからです。

旧道に入ってから1kmで、国道380号線に合流しました。合流地点には、JAのガソリンスタンドがありました。

少し開けている小田の集落を東へ向けて歩いていきます。途中にあった内子町立小田小学校は、木造のなかなかおしゃれな建築でした。ここで10時1分です。

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※小田小学校

先程の合流地点から1.5kmほど進むと、中央橋で小田川を再度渡ることになります。橋を渡るとすぐに、道の駅小田の郷せせらぎに到着しました。だいたい10時10分ごろだったと思います。

とりあえずまずはトイレに行きました。

さて、レストラン的なところで昼食を食べようと思っていたので、探してみます。道の駅の敷地の奥にかじか亭というのがありました。開店時刻は、10時30分となっています。15分ほど待たなければなりませんが、外の四阿あずまやのようなところで待つことにしました。

小田の集落自体はそれほど大きくないと思うのですが、この道の駅だけは相当にぎわっています。四阿のところにはテーブル3脚と、それを囲うような形でそれぞれベンチが置かれていたのですが、かろうして1脚だけが空いていました。他の2脚は私以外のグループが使用しています。とくに1脚は、常連さんなのか顔なじみなのか、おじさんの数人連れでした。

10時半になったので、かじか亭に行ってみます。開いていました。まだ時間が早いので、客は私だけです。

メニューを見て、いろいろ考えます。おいしそうなものがいくつかあったのですが、悩んだ末に出汁カレーうどんにしました。雨で濡れたのと気温が低かったのとで寒かったことから、温まるものにしようと思ったのです。

しかし、頼んだ直後にちょっと後悔しました。お店に貼ってある貼り紙によれば、しいたけの出汁を使っているとのことだったからです。私はしいたけを初めとするきのこ類が嫌いなんですよね。“I hate mushroom.”

確かにしいたけの味はしました。しかし、何より身体が温まります。これをきっかけに私はしいたけ嫌いを克服することができました。……というのは嘘です。まったく克服できていません。

ご飯を食べるとやはりトイレに行きたくなります。トイレは、外にある道の駅と共用です。しかしキレイなトイレなので、助かりました。この後は当分トイレなどない道を歩いていきますので、ここでしっかりと行っておかなければなりません。

おかみさんに「雨やのに頑張ってね」と応援していただき、かじか亭を出ました。そのまますぐに道の駅小田の郷せせらぎを出発します。11時ごろだったと思います。

道の駅を出発してしばらく歩くと、国道380号線はほぼ真北に向かって蛇行しながら進んでいきます。道の駅から3kmほど歩いたところに、また休憩所のようなバス待合所が出てきました。時刻は11時42分です。

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※バス待合所

中まで入っていないので、何というバス停かちょっと分かりません。

また、バス停とは別に茶色い案内標識が立っています。標識には、「5.7km先休憩所 44大宝寺 45岩屋寺」と書いてあります。国道の行く手を見てみると、どんどん山に入っていくようです。

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※バス待合所付近から見た国道の行く手

国道と言いながら、道はかなり細くなっていきます。

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※細くなっている国道の様子

上の写真で12時1分でした。奥に見える標識には、しっかりと国道380号線と書いてあります。

14分後、神社が見えてきました。

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※神社が見える

これは、三島神社です。12時16分、三島神社前を通過します。

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※三島神社

なかなか立派な屋根です。この辺は三島神社を名乗る神社が複数あります。

ここまでもジワジワと登ってきていましたが、ここから先は一段と登りが厳しくなります。国道もたびたびヘアピンカーブを描いていきます。

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※ヘアピンカーブの手前

かなり傾斜がキツイのがお分かりいただけると思います。右に上がっていった後、折り返して左に上がっていきます。

上の三島神社を過ぎてすぐのところに、昔ながらの遍路道に入っていくところがあります。当然山道になりますが、ヘアピンを描く国道380号線と比べて、ショートカットできるはずです。しかし、私は足元のことを考えてひたすら国道を進みます。

こういう遍路道への入口が3ヶ所ほどあったでしょうか。2番目の入口は畑峠へと入っていく道で、この後北上して県道42号線に合流します。3番目の入口も畑峠へと向かう道のようですが、四国遍路聖地巡礼のマップ*3には掲載されていませんでした。

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※遍路道への3番目の入口

この3番目の入口は、後で出てくる真弓休憩所の550メートルほど手前にあります。上の写真で12時51分でした。

5分ほど進んだところが真弓休憩所です。相変わらず休憩せずに進みました。ここはトイレもありませんでしたので、休憩してもしょうがないですね。

13時、真弓トンネルに到着しました。

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※真弓トンネル

真弓トンネルは昭和63(1988)年の完成で、長さは710メートルあります。歩道は極狭ですので、かなり危険なトンネルです。

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※真弓トンネルの極狭な歩道

この辺を歩いているときには、どこまで行っても内子町がつづいているなあと思っていたのですが、トンネルを出たところに久万高原町と書いてありました。

さらにうれしいことに、この辺で雨が止んできました。カッパは着つづけましたが、気分的に大分楽になりました。

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※真弓トンネルを抜けてからの風景

トンネルを出て少し歩いたところ、上の写真の少し手前ですが、久万まで13kmと書いてありました。普通に行けば3時間程度で行けそうです。

トンネルから3.8km歩くと、また分岐点に出ました。「露峰交差点」です。マップによると、ここから北向きの県道42号線に入り、途中で山道を登って農祖峠を越えていくのが正しい遍路道のようです。国道380号線は真っ直ぐつづいていきますが、もうそちらは遍路道ではなくなってしまいます。

しかし私は我が道を行くのみです。峠道は雨続きで危ないことが予想されますので、安全な国道を進んでいくことにしたのです。

雨が止んでいたこともあって、「露峰交差点」のところで大型犬を散歩させている方がいらっしゃいました。犬は見ているだけで癒されますね。

交差点から約1km歩いて、大元八幡神社に出ました。すでに14時14分です。

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※大元八幡神社

社殿鳥居結界石くらいしかありませんが、何か雰囲気のある神社ですね。

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※大元八幡神社正面

すでにこの辺りでは、かなりトイレに行きたくなっていました。幸い、小ではありましたが。神社にもトイレがなかったので、さらに進んでいきます。

神社から400メートルほど歩いて、露峰休憩所に到着です。ここにはトイレもありました。14時19分です。

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※露峰休憩所

左側に休憩所の四阿あずまやが見えます。トイレは手前にある、ログハウスのような小屋です。

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※トイレ(左)

しかしこのピンクの花はキレイに咲いていますね。百日紅でしょうか? ちょっとお花には詳しくないので分からないのですが。

ちょうどここに着くちょっと前に、老夫婦がこの建物の方から歩いてこられました。お遍路でもないのにどうしたんだろうと思ったのですが、おそらくこの休憩所を維持管理してくださっている方々なのでしょう。お掃除をしてくださっていたのだと思います。ありがたいですね。

トイレはそうやって清掃してくださっているからでしょう、かなりキレイでした。ただ、クモの巣が張っていたところもありました。

四阿に戻り、休憩します。道の駅以来の休憩ですね。ビスケットを取り出して、食べました。こうやってエネルギーのチャージをすることも大事ですよね。雨のため飲み物を飲む量は激減していますから、カロリー摂取量もあわせて減少していたはずです。お菓子ででもエネルギーを補充しておかないと、ハンガーノック現象が心配になります。

14時35分ごろ、休憩所を出発しました。目的地まではあと8km弱です。2時間程度で着くはずですから、17時のバスにも余裕で間に合いますね。よかったです。朝早くから頑張った甲斐がありました。

歩き始めてすぐのところに、面白い看板がありました。面白いと言っては不謹慎なのかもしれませんが……。

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※「お年寄り飛び出し注意!!」の看板

看板には、「お年寄り飛び出し注意!!」と書いてあります。「子ども飛び出し注意!!」はよくありますよね。何しろ子どもは元気だし、周りの確認をせずに走り出したりしますから。しかし、「お年寄り飛び出し注意!!」とは……。

普通、お年寄りは動作が緩慢で「飛び出し」てきたりはしないように思いますが。この辺のご老人は飛び出すくらいにお元気なのでしょう。

15分ほど歩いてたどり着いた風景です。

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※人工物がなにもない

人間の作った人工物が何も写っていません。私は大自然とともにありました。

15時4分、国道33号線の分岐点の手前300メートルのところまで来ました。

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※国道33号線の分岐点手前

15時7分、分岐点が見えてきました。「落合交差点」です。

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※国道33号線の分岐点

国道380号線はここまでで、交差点を左に行くと松山方面、右に行くと高知方面になります。久万高原は松山市の手前になりますので、この後私は国道33号線を北上していく形になります。

さすがに松山と高知を結ぶ国道33号線です。交通量が急に多くなりました。そのくせ歩道はすぐになくなってしまったので、車に迷惑をかけながら歩いていきました。ちょっと危ないです。

おまけに、またもやジワジワと登っていきます。久万高原町観光協会のホームページ*4によれば、久万高原は平均標高が800メートルもあるそうですから、まだまだ登るんですね。

1kmほど北上すると、落合トンネルが出てきました。ここで15時22分です。

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※落合トンネル

落合トンネルに関しては正確な開通情報は分かりませんが、長さは98メートルあります。歩道はなく、交通量も多いので危険なトンネルです。

トンネルを抜けてから2kmほど北上すると、久万高原の町並みの最南部に到達しました。道が左右に分岐しており、左はおそらく新道の国道33号線、右は旧道の県道153号落合久万線です。私は左の国道を進んでいきました。

ここからは住宅も増え、お店もチラホラと出てくるようになりました。

県道153号線との分岐点から2km歩くと、ホテルガーデンタイムが現れました。すでに16時23分になっています。

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※ホテルガーデンタイム

わざわざ写真に撮っているのはなぜかと言うと、元々の計画段階ではここに泊まりたいと考えていたからです。

おそらく、久万高原町でホテルを名乗っているのはここだけだと思います。それゆえ、検索にヒットしてきたんですね。それで直接電話をして8月14日、15日の2泊3日で泊めていただきたいという旨をお伝えしたのですが、何でも毎年ラグビー部の合宿が行われるそうで、貸し切りになってしまうとのことでした。

しかし対応は丁寧で、折り返しの電話をしてきてくださるなど、とてもいいご夫婦が経営されているように思いました。まあホテルというよりはペンションに近いような規模だと思いますが、一応全室バス・トイレ付で、レストランや大浴場もあるとのことですので、大したものです。

次回はぜひ泊まってみたいと思います。

16時25分、久万高原駅やまなみに到着しました。

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※久万高原駅やまなみ バス停とは思わずに撮影

この段階では、まだこのやまなみの前がバス停であるということを知らずに、何となく雰囲気のあるお店だと思って写真を撮っていました。前日の電話では、JR四国バスのバス停は役場の近くだということでしたので、この建物の北側にある役場の方へ向かいます。

ところが、国道の役場前にあるのは伊予鉄バスのバス停で、JRバスのバス停が見つかりません。やまなみと役場の間を走る細い道にも行ってみましたが、やはり伊予鉄バスのバス停でした。ちょっと焦ります。

まだ時間はありますし、トイレにも行きたくなっていたので、とりあえずやまなみに入ってトイレをお借りすることにしました。

ところが、中に入るとJRバスの時刻表が貼ってあります。レジのところにいたお姉さんに聞いたところ、このやまなみの前にバスが来る、とのことでした。

安心して、トイレをお借りします。これで、この日の40kmにも及んだ歩きも無事に終了です。

歩きを終えて

やまなみの中は、半分が商業スペース、半分がバスの待合所になっています。私はバスの待合所で座ってバスを待ちます。いろいろなポスターが貼ってあり、よく見てみると、JR四国バスの一日乗り放題きっぷというのがあるようです。値段は1,200円ということでした。

私はこの日JR四国バスで砥部町の「高尾田」バス停まで行き、南道後温泉ホテル ていれぎ館に泊まる予定でした。バスの料金は1,040円ですから、この日使っても意味はありません。

しかし翌日は朝「高尾田」バス停を出発し、夕方にまた久万高原から「高尾田」バス停に戻ることになります。往復で2,000円以上かかることは確実ですから、1,200円で一日乗り放題ならば、かなりお得になります。

先程のレジのお姉さんに一日乗り放題きっぷのことを聞いてみました。すると、ここで売っているとのことでしたので、迷わず買わせてもらいました。

このレジのお姉さんは私より少しお若い方だと思うのですが、大学時代の同級生にかなり似ていてとてもキレイな方でした。いろいろ親切にしてくださり、トマトを3つもお接待してくださいました。また、翌日はこの施設がお休みだということも教えていただきました。

16時50分過ぎ、JR四国バスが到着しました。ドアが開かなかったので、やまなみの中で待ちます。すると運転手の方がどこかに電話をしておられました。うーん、お客さんが見ている前であまり電話しない方がいいのではないかと思います。

その後、ドアが開いたのでバスに乗り込みます。まったく土地勘がないので、運転手さんに「『高尾田たかおだ』で降ります」と伝えます。運転手さんは気持ちよい返事で応えてくれました。

その後、運転手さんから「ちょっと連絡するバスが遅れているそうなので、発車が遅くなっても大丈夫ですか?」と聞かれました。どうやら、先程の電話は町営バスと連絡をとっておられたようです。客の前で電話しない方がいいなどと失礼なことを考えてしまい、申し訳ありませんでした。

2~3分遅れで久万高原町営バスが到着しました。すぐにJR四国バスも出発です。バスは国道33号線を松山方面に向けて走っていきます。2つ目のバス停「久万中学校前」で、おじいさんお遍路さんが一人乗ってこられました。例によって、交流はなしです。何か時代劇のマンガを一所懸命読んでおられました。

途中、バスは国道のバイパスである三坂道路に入って三坂第1トンネルと三坂第2トンネルを通りました。この辺はあっという間です。

トンネルを抜けると、バス停が復活します。砥部町内に入ってからは、降りる方もいらっしゃいました。

17時38分、「高尾田」バス停に到着しました。「高尾田」は砥部町の北端に位置し、重信川を挟んで北側はもう松山市です。翌日のこともあるので、道路の反対側に渡って、久万高原方面行の時刻表を確認しておきます。

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※久万高原方面行のバス停

これまで「たかおだ」と読んでいましたが、正しくは「たこおだ」なんですね。

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※「高尾田」バス停時刻表

翌日は日曜日ですが、仮に平日であったとしても7時19分発の一択ですね。

さあ、ホテルに向かいましょう。ここからホテルは、西に700メートルほど進んだところにあります。

高尾田交差点」から県道23号伊予川内線を西に向かいます。交差点からすぐの麻生橋を渡り、重信川に北流している砥部川を横断しました。

300メートルほど進むと、国道33号線の高架の下、「拾町交差点」に出ます。高架下をくぐり抜け、180メートルで南道後温泉ホテル ていれぎ館です。この日から2泊する予定になっています。17時55分ごろ、無事にホテルに到着しました。

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※南道後温泉ホテル ていれぎ館

まずはチェックインをします。フロントでカギをもらい、ランドリーの場所などをうかがいます。また、夕食などが食べられる場所、買える場所について聞きました。

残念ながら、最寄りの飲食店はラーメン屋しかなく、またコンビニも近くにはないようです。代わりに、前日の利用したスーパーフジがある、とのことでした。

とりあえず部屋に入ります。ラーメンはさすがにお腹にこたえるでしょう。やむを得ず、フジでお弁当を買うことにしました。

18時を過ぎていたので、急いでフジまで歩いていきます。ホテルから北に300メートルほどのところです。ただ、堤防のようなところから降りていかないといけないので、不必要に歩く距離は伸びてしまいます。40km歩いてきた身にはつらいですね。

フジでお弁当をいろいろ物色した結果、大きな焼きサバ弁当429円にしました。なるべくヘルシーなものがいいだろう、と考えたわけです。翌朝のパンも購入し、袋をぶら下げてホテルに戻ります。しかしこれだけフジの頻度が高くなってくるなら、フジのポイントカードを作ってもいいんじゃないか、と思えてきました。

さて、部屋で夕食を食べた後、お風呂に入ります。何と、このホテルは各部屋に温泉が引かれているのです。大浴場はありませんが、一人で入るには十分過ぎる大きさです。

ただ、いろいろなバリエーションのお風呂があるらしいのですが、私の部屋は一番ありきたりなジャグジー付きのお風呂でした。しかも記憶ではジャグジーがうまく作動しなかったような……。

洗濯機と乾燥機は、フロントの脇のスペースにあります。ちょっと隠れるようになっているので分かりにくいかもしれません。裏口から出入りすると、すぐ分かると思います。1台ずつしかなかったのですが、リゾートホテルに近いコンセプトホテルなので、洗濯をするようなお客さんは私の他にはいらっしゃいませんでした。

翌日は久万高原にある2か寺を打ちます。45番札所の岩屋寺は車で行った方も山道を20分歩かないといけませんので、難所の一つと言えるでしょう。

予習を済ませて、早めに就寝しました。

歩き遍路振り返りデータ

歩き遍路のためにデータを振り返っておきます。なお、飲食費はここでは振り返りません。人によって飲食費は変わると思いますので。私は1日に500mlのペットボトルを6~8本くらい飲んでいましたので、飲み物代だけでも1日に1,000円以上は軽く超えていました。ただ、この辺りでは雨天が続いており、1日3~4本の消費に減っていたと思います。

札所情報

札所:なし

納経代:0円

大師納経代:0円

宿情報

南道後温泉ホテル ていれぎ館

ツイン(ジャグジーバス温泉付)

宿泊費:10,000円

室内に冷蔵庫・バス・トイレあり

WiFiあり

大浴場なし

洗濯機・乾燥機あり(1台ずつ)

洗濯代300円、乾燥代200円(30分あたり100円)

アクセス:「高尾田」バス停から徒歩10分

コンビニ:徒歩10分

新しいホテルであり、設備はキレイ。部屋で温泉に入れるのが素晴らしい。スタッフの対応も丁寧でよい

バス情報

行き:なし

帰り:JR四国バス 「久万高原」~「高尾田」 1,040円

距離と歩数

ASUS VivoWatch BP(HC-A04)

カロリー:5,782kcal

距離  :42.0km

歩数  :60,724歩

スマホアプリ

歩数  :66,598歩

 

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最終更新:2022.1.8